これ、通れば勝ちです

アニソンの話したり遊戯王の話したりします。

【遊戯王】融合軸転生炎獣デッキ解説Part.2~キマイラ1キル編~【大会優勝】

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というわけで、お久しぶりです。二郎です。がらにもなく今期の遊戯王をテーマにした4コマを描いてみました。

 

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今回は↑に引き続いて融合を軸とした転生炎獣デッキの解説をしていきたいと思います。

前回は、割と無難でポピュラーなサラマンの解説に留めたのですが、今回は試行錯誤とトライアンドエラーの末に辿り着いたこのデッキの”肝”というべき部分について解説していきます。

前回記事から結構経ちますが、その間にやや構築を変えて秋葉原で優勝したりなどしていました。

 

(優勝とは言ってますが、決勝相手の方と大会前の調整で手合わせしており、初手からデッキ読みをして互いにメタを張り合うという場外的な部分もあったので純粋な”勝ち”と呼べるかどうかは正直疑問です。)

 

その後、WCS店舗予選にも参加しながら構築を練り上げていましたが、先の4コマのように2月中旬から3月末まで公式の遊戯王関連大会が中止になってしまったので、権利は取れずじまいのまま終わってしまいました。残念。

とはいえ回し方のコツがつかめると、リリクラドラグーンとオルフェ以外なら体感7割程度の勝率を取れるので楽しいデッキでした。

そして回し方解説に加えて、「融合軸であることのメリット・デメリット」についても考察していこうと思います。

 

融合に必要なカード紹介

 「本日の主役」《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》

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炎属性 レベル8
サイバース族
融合 / 効果
攻撃力2800 守備力2000
「サラマングレイト」モンスター+リンクモンスター
①:このカードが融合召喚に成功した場合に発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、素材としたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値の半分だけアップする。

②:このカードが元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に1度、発動できる。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ倍になる。

③:「転生炎獣ヴァイオレットキマイラ」を素材として融合召喚したこのカードと戦闘を行うモンスターの攻撃力はダメージ計算時のみ0になる

(遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ カードデータベースより引用)

最強。

環境では一時期サラマン対策として、超融合用でエクストラに刺されていたことがありましたが、きちんとテキストを読んで採用された方は意外と少ないのではないのでしょうか?

融合素材として「サラマングレイト」モンスター1体とリンクモンスター1体を指定しており、レベル4以下のサイバース1体で出せる《転生炎獣ベイルリンクス》の存在から、サラマンデッキであれば簡単に揃えることが可能です。

主な効果としては、

①:融合召喚に成功した場合、融合素材の攻撃力合計の半分、打点が上昇する誘発効果。

②:元々の攻撃力が変わっているモンスターと戦闘を行う時、攻撃力が倍になる誘発効果。

③:同名を素材としている時、戦闘するモンスターの攻撃力を0にする永続効果。

を持っています。

 

全ての効果が「相手を一撃で1キルする」ことに特化していることが分かるかと思います。

同名を素材にした場合、①効果で少なくとも打点が1400上昇して4200になり、③効果で相手のモンスターの打点を0にするため、②効果で自身の打点を倍にし

4200×2=8400ものダメージを与えられます。

また、同名を素材にせずとも、自身の効果で打点を3000以上に上げられるため、相手場の高打点モンスターを処理する役目も背負っています。

「とはいえ、融合モンスターを素材に融合なんて効率が悪すぎる」とお思いの方もいるでしょう。僕もそう思います。

注目すべきは、②の効果のトリガーは「戦闘を行うモンスターの打点が変わっている場合」であり、同名を素材にしていなくてもその条件さえ満たせば1キル火力を作れる、という点です。

このデッキでは、(同名を素材にした場合も含めて)3通りの方法で1キルすることを狙います。

名前が長いので以下、キマイラと略記します。

「書いてあることが字レアじゃない」《フュージョン・オブ・ファイア》

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このカード名はルール上「サラマングレイト」カードとしても扱う。このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

①:自分の手札及び自分・相手フィールドから、「サラマングレイト」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

一見、《ジェムナイト・フュージョン》や《錬装融合》のような、カテゴリサポートを受けられる専用の融合魔法です。

しかし、テキストをよくよく読んでみると、

「自分の手札及び自分・相手フィールドから」

とあります。

え?やってること超融合?

カテゴリサポートを受けられる超融合!?!?!?!?

こんなカードが、強くないわけがないんだよなあ。

一応、超融合と比べると、

強い点

・ルール上、「サラマングレイト」カテゴリに属する。

・手札コスト不要。

・場だけでなく手札からも融合素材に出来る。

・無制限カードなので3枚積める。

知名度が低いので対策されにくい。

弱い点

・通常魔法なので、超融合のようにバトルフェイズや相手ターンに発動できない。

・チェーンされる。

・名称ターン1の発動制限がある。

・融合先が現状《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》のみ。

 

と、超融合に比べて防御札にはなりにくいですが、融合札としては勝るとも劣らない性能といえます。

相手の場も巻き込む場合、サラマンミラーでない限り、基本的に相手のリンクモンスターを素材にすることになります。狙い目は、《召命の神弓-アポロウーサ》等の妨害効果を持つリンクモンスターや、《リンクリボー》のような1キルに邪魔となるモンスターでしょう。

しかし、キマイラでモンスターを殴らないと打点が倍にならない都合上、相手場がリンクモンスター1体だけの場合は素材にせず、サンドバッグとした方が良い場合もあるので使いこなすには的確な判断力を要求されます。

また、「フュージョン」通常魔法である点から、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》でデッキから直接発動することも出来ます。アナコンダ自体がリンクモンスターであるため、キマイラを出す消費を極めて少なくできます。

 

アナコンダのプロキシに使えるとか言った奴出てこい」《プロキシー・F・マジシャン》

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炎属性 リンク2
サイバース族
リンク / 効果
攻撃力1400 守備力-
効果モンスター2体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①:自分メインフェイズに発動できる。自分フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

②:このカードのリンク先に融合モンスターが融合召喚された場合に発動できる。手札から攻撃力1000以下のモンスター1体を特殊召喚する。

 

僕です。(自供)

10期最後の通常弾、エタニティ・コードで登場した、汎用のリンク2モンスターです。効果は自分フィールドのモンスターを素材に融合を行う起動効果を持っています。

手札からの融合はできませんが、このカード自身がキマイラの融合素材になれることにより、超融合やフュージョンオブファイアなどの融合札が無くとも、サラマンを含む効果モンスターを3体並べるだけで、1キルフィニッシュ性能を持つキマイラを出せてしまいます。ヴァレルソードなんていらなかったんや。

また、炎属性であることにより、リンク2以上のサラマンリンクモンスターの素材になれたり、《転生炎獣ミラージュスタリオ》のリクルート効果発動後の「炎属性モンスターの効果しか発動できない」制約に引っかからないという点でもサラマンとは相性が良いです。同弾で登場した《転生炎獣ゼブロイドX》よりも明らかにサラマンです。

 リンク先に融合した場合、手札から展開できる効果も持っていますが、サラマンはやや打点が高いので、出せるのは余った手札誘発くらいでしょうか。とはいえ、プロキシーFを素材にキマイラを出すのが1番手っ取り早いため、あまり使う機会はありません。

 1キル成立を支えるサポート達

融合補助編

「出した時、高確率で効果確認される奴No.1」《転生炎獣フェネック

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炎属性 レベル3
サイバース族
攻撃力1600 守備力200
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①:このカードが手札・墓地に存在し、EXデッキから特殊召喚された自分フィールドのサイバース族モンスターが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

②:このカードがリンク2以上のサイバース族リンクモンスターのリンク素材として墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「サラマングレイト」通常魔法カード1枚を手札に加える。

ダーク・ネオストームで登場した星3のサラマンです。

①はエクストラから出たサイバースが破壊された場合に除外デメリット付きで手札・墓地から特殊召喚される効果。

②はリンク2以上のサイバースの素材となった場合にデッキから「サラマングレイト」魔法をサーチする効果。

①で出した場合、除外されてしまうので②の効果に繋げることは出来ず効果どうしの噛み合いは悪いです。

しかし、サラマンのランク3エクシーズモンスターであるミラージュスタリオからリクルート、2体を素材にサンライトウルフにすることで、相手場のモンスター1体をバウンスしつつ、フュージョン・オブ・ファイアをサーチすることが出来ます。

ミラージュスタリオの墓地効果と同時に発動するため、チェーン①フェネック、チェーン②ミラージュスタリオと組むことで、サーチ効果を《灰流うらら》等に妨害されずに済みます。逆に、融合札を必要とせず確実にバウンスを通したい場合は順番を入れ替えることでカウンターを防ぐことも出来ます。

手札にガゼル、フォウルが存在したり、墓地にスピニーが存在するなど、場にサラマンを複数並べる手段があれば、リンク召喚するモンスターをプロキシーFにすることで、融合札を2種類そろえることが可能になります。

 

コンボ性の高いカードであり、手札に来てしまうと真価を発揮しにくいですが、①の壁になる効果は、墓地が肥えた状態でターンが回ってきさえすれば一撃で逆転できるこのデッキの延命手段にもなり得ます。

また、星3のサラマンであることから、このカードとスピニーがあればミラージュスタリオになることもできます。

打点変更編

「伏せ2枚バウンスとかいう獅子どころか鬼」《転生炎獣ヒートライオ》

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炎属性 リンク3
サイバース族
リンク / 効果
攻撃力2300 守備力-
炎属性の効果モンスター2体以上
①:このカードがリンク召喚に成功した場合、相手の魔法&罠ゾーンのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主のデッキに戻す。

②:このカードが「転生炎獣ヒートライオ」を素材としてリンク召喚されている場合、1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体と、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。対象のフィールドのモンスターの攻撃力は、ターン終了時まで対象の墓地のモンスターの攻撃力と同じになる。

リンク召喚成功時に相手の魔法罠を1枚デッキバウンス、同名を素材に転生している場合、モンスターの打点を自分の墓地の任意のモンスターの打点で上書きできるという効果を持ちます。

素材は炎属性2体以上と、サラマンにおいて満たすのは容易です。ガゼル1枚からの基本展開を行い、サンライトウルフと自己蘇生したジャガー等で作れるほか、相手の墓地に《灰流うらら》や《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》等汎用の炎属性モンスターがいれば《灼熱の火霊使いヒータ》から2体消費で出すことも可能です。うまぶりは大事。

 

また、このカードのテキストをよーく読んでみてください。10期のカードにしてはおかしい点があるとは思いませんか?

そう、魔法罠のバウンス効果に名称ターン1がついていないのです。

《転生炎獣の聖域》による1体での転生権が残っていれば、1ターンに2回リンク召喚し、相手場の伏せを2枚デッキバウンスすることも可能です。これにより、キマイラの融合召喚及び効果発動を通しやすくなります。バウンスであるため、《やぶ蛇》のような破壊をトリガーにする効果の発動をケアできます

オルターガイストや罠メタビとのサイド2戦目等で、相手が発動した《神の宣告》等を自分の《レッド・リブート》で無効にし再セット、さらに相手がデッキからセットした計2枚の罠を、上述の転生リンクで2枚ともバウンスする動きは、自分でやっていて「犯罪では・・・?」と思ってしまいます。

また、転生後の攻撃力上書き効果も非常に汎用性が高いです。

自分フィールドの低打点モンスターをヒートライオの2300で上書きして打点を水増しするのが一般的な使い方ですが、相手場のモンスターを自分の墓地の低打点モンスターで上書きすることで、キマイラによる1キルサンドバッグを用意できます。

墓地にベイルリンクスがあれば500まで下げることができ、またフィールド・墓地で対象に取るモンスターはサラマン以外でもいいため、《灰流うらら》《エフェクト・ヴェーラー》等の攻撃力0の手札誘発を使用していたなら、問答無用で打点を0に出来ます。

他にも自分で出した《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》の打点を下げて自爆特攻することで、相手場のモンスターぶっぱ効果を起動させることも出来ます。(筆者はこのことに気付いていれば勝てていたオルターとの試合があったので書き残してます)

このカードの弱点としては、どちらの効果も対象を取るため対象耐性に弱い点。また①でのバウンス効果は「魔法・罠ゾーン」限定であるため、フィールド魔法はフォクシーなど別の手段で処理する必要があります。

「幾度となく人を轢き殺してきた無情1キルトカゲ」《クロック・リザード

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闇属性 リンク2
サイバース族
リンク / 効果
攻撃力1200 守備力-
サイバース族モンスター2体
①:このカードをリリースして発動できる。自分の墓地から融合モンスター1体を選んでEXデッキに戻す。その後、その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを自分の墓地から除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

②:墓地のこのカードが除外された場合に発動できる。相手フィールドの特殊召喚されたモンスターの攻撃力は、ターン終了時まで自分の墓地のサイバース族モンスターの数×400ダウンする。

この記事をきちんと読んできた方には、このカードとキマイラの相性が抜群に良いということが分かるでしょう。

このカードはサイバース2体で出せるリンク2で、自身をリリースし墓地の融合モンスターを素材を墓地から除外することで再融合するという効果と、このカードが除外された場合に相手場の特殊召喚されたモンスター全ての打点を墓地のサイバースの数に応じて下げるという効果を持っています。

このカードをまともに使うとなると、墓地に融合モンスターと素材を両方用意する必要があるため下準備が必要ですが、サイバース族を素材に指定しているため融合召喚したヴァイオレットキマイラと適当なサイバース1体でリンクすれば発動条件が整います。

また、このカードがリリースされた時点で、墓地のこのカード自身をキマイラの融合素材として除外し②の全体打点減少効果を誘発させることが出来ます。

墓地で素材とするサラマンで使いやすいのは、墓地効果のないフォウルあたりでしょうか。このカードの効果が通った時点で8割勝てるので、サンライトウルフ等も使っていいでしょう。

素材のサラマンの打点を1800と仮定するとキマイラの①効果によって攻撃力は2800+(1200+1800)/2=4300、リザードの効果が通れば打点が倍になるため2倍で8600。相手のライフが8000あったとしても、相手場のモンスターの元々の打点が2400なら墓地に5体、3000なら6体のサイバースがいるだけで1キルが成立します。

打点を下げる効果は対象を取らない効果であるため、特殊召喚さえされていればヒートライオの上書き効果が通らないモンスターでもサンドバッグにすることが可能です。

 3種類の1キルパターン

キマイラによる1キルを狙う上で必要となるカードを紹介し終えたところで、実際の動きについて解説していこうかと思います。

しかし自分の手札、墓地、相手場の状況によって、狙っていく1キルの形が変わっていきます。

そもそも相手場にモンスターがいなければキマイラによる1キルは狙えないため、妨害をケアしながら合計8000打点を作るか、より堅固な盤面を作るかの2択になります。

転生ヒートライオ+キマイラ型

ヒートライオの項で紹介したように、転生効果によって相手のモンスターの打点を変更することで1キルを狙っていきます。

この型の利点は

・通常召喚されたモンスターでも1キル可

・ミラージュスタリオのリクルート利用可

この型を使えないのは

・相手場のモンスターを対象に取れない

場合です。

 

自分場で整えたい条件としては、

・場にレベル3を2体、手札か墓地から特殊召喚可能なサラマン1体

で満たせます。レベル3×2体についてはガゼル、スピニー、フォクシーを駆使すれば簡単に用意できます。

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レベル3×2体でミラージュスタリオX召喚。効果でフェネックリクルート。この後発動できる効果は炎属性のみ。

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スタリオとフェネックの2体でサンライトウルフリンク召喚。フェネック、スタリオ、フォウルの順でチェーンを組む。(フォウルは手札誘発であるため発動前に相手にチェーンの有無を確認する必要あり)

フォウルを特殊召喚。必要があればサンドバッグ以外をスタリオ効果で1体バウンス、フェネック効果でフュージョンオブファイアサーチ。

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フォウル1体でベイルリンクスリンク召喚。ベイル、ウルフの順にチェーンを組む。ウルフ効果で墓地のガゼルを回収し、ベイル効果で聖域サーチ。

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ウルフとベイルの2体でヒートライオリンク召喚、聖域発動して転生リンク。召喚時効果で相手場の魔法罠を2枚デッキバウンス。

転生効果で相手場のモンスターと墓地のベイルを対象に打点を500に変更。

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フュージョンオブファイアでヒートライオ、ガゼルを素材にキマイラ融合召喚

キマイラの最終打点は5600+1500+2300=9400になり、攻500になった相手モンスターを殴って1キル。

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遊戯王wikiの【サラマングレイト】のページでは、ガゼルとスピニーの2体からの1キルルートが書かれていますが、特殊可能なサラマンさえいれば、ガゼル以外でのレベル3×2でも可能です。

また、ガゼル効果でフュージョンオブファイアを落とさなくて済むので、何かしらの妨害をされた場合も余力を残しながら動くことが可能です。

先攻展開で用意し相手ターンで使用したロアーも、ヒートライオが転生したことで自己再セット効果を発動できます。万が一1キルが失敗した時の保険として発動しておくに越したことはないでしょう。

転生キマイラ型

ロキシーFの登場により、初手札に融合札がある場合は、かなり安定して転生融合を行うことが出来ます。

この型の利点は

・通常召喚されたモンスターでも1キル可

・ミラージュスタリオのリクルート利用可

・対象耐性モンスター相手でも1キル可

・メインフェイズ中の相手の妨害を突破しやすい。

という点です。

1キルできないモンスターは、ほぼ「相手カードの効果を受けない」あたりまで狭まるため、攻撃表示であれば大体1キルできるといっても過言ではありません。

唯一の欠点としては、やや消費が激しい点でしょうか。

おおまかな目安として、融合札1枚、プロキシーF用の効果2体、1体目キマイラ用のサラマン2体で計4体を場に並べられれば完成できます。

 特筆すべきは、相手からの妨害を突破しながら1キル可能な点です。

 

メインフェイズ中の妨害として飛んできやすいのは主に《エフェクト・ヴェーラー》です。大抵のサラマン展開ではガゼルやミラージュスタリオ効果にチェーンして発動されますが、キマイラを出すことで1キルを見抜かれ、それを防ぐためにキマイラ対象で飛んでくることがあります。

キマイラ自体は対象耐性等は無く、自身の攻撃力をパンプさせる能力しか持っていません。唯一あるとすればサラマングレイトであるため、墓地のベイルリンクスによる疑似破壊耐性を付与可能である点です。ヴェーラーを食らうと単なる2800のバニラになってしまいます。

《墓穴の指名者》や《抹殺の指名者》を持っているならばチェーンして対処可能ですが、サラマンは展開系のデッキであるため、これらの指名者は《増殖するG》に優先的に切っていくことになります。

そのため、ヴェーラーを食らう可能性は非常に高いです。しかし、ヴェーラーは「相手メインフェイズにのみ発動可能」すなわち自分メインフェイズ終了時までに打つ必要があるため、終了宣言時に打たれた場合は再びメインフェイズに入ることが可能です。

そこで、あらかじめプロキシーFを用意した後にキマイラを融合しておくことで、ヴェーラーを食らったキマイラとプロキシーFで再び融合、転生キマイラを作り出すことが可能です。

 

また、サイドチェンジ2戦目以降は、こちらのデッキがサラマンだと割れているため、《原始生命態ニビル》が飛んでくることも予想されます。

相手の手札にニビルがあることを警戒して動く場合、手札に超融合があり、メイン中の召喚4回以内でキマイラとリンク1体を用意できれば、バトルフェイズ中に融合召喚を行うことで転生キマイラを作り出せます。

バトルフェイズ中の超融合は上記の《エフェクト・ヴェーラー》も飛んでこないため、このデッキを回していく上では有用なテクニックの一つです。

クロックリザード

融合召喚したキマイラと、別のサイバースで即座にクロックリザードを作り、リザード自体を素材に墓地融合することで、打点減少とキマイラの用意を一度に行える超合理的コンボです。

この型を行う場合に注意すべきは

・相手場に特殊召喚された攻撃表示モンスターが必要。

・ミラージュスタリオのリクルート効果の使用不可。

・妨害1枚でコンボが崩れやすい。

という点です。消費が少ないためコンボ自体は簡単に狙いやすい分、実際に通せるかどうかの見極めが必要になります。お互いがリソースを削り合っていく詰めの段階で狙うのが最適でしょう。

キマイラを出した後に用意しやすいサイバース1体といえば、墓地の《転生炎獣スピニー》でしょう。キマイラ自体がサラマンであるため簡単に蘇生できますが、素材に使うと除外されるため、リザードの減少値で参照するサイバースの数が減ることには気を付けたいです。

 

サンドバッグにしやすい相手のモンスターとしては、妨害効果を持たないエクストラからのモンスター全般、メインの汎用では《幻創龍ファンタズメイ》がいます。

サラマンはリンク中心のデッキであるため、ファンタズメイはサイチェン後に投入されやすいです。ですがファンタズメイの攻守は2400/1700であり、サラマンで出やすいサンライトウルフやJジャガーなどの攻1800に突破されるのを防ぐため、攻撃表示で出てくることが多いです。

ファンタズメイは対象を取る効果を手札1枚でカウンターする効果を持つので、上記の転生ヒートライオ併用型では1キルを狙えませんが、リザードの全体打点減少は対象を取らない効果のため、墓地に5枚サイバースを用意できれば1キル成立が可能です。出てきたら絶好のカモだと思いましょう。

 

ただし、クロック・リザードは「サラマングレイトでない」「闇属性」モンスターであることからサラマンの各種サポートと噛み合わない点で注意が必要です。

ベイルで破壊から守ることもできませんし、スタリオのリクルート効果発動後の炎属性縛りにも引っかかるため、途中からリザード型に切り替えるには注意が必要です。

また、自身をリリースして効果を発動する都合上、セットされている墓穴の指名者を食らうだけでキマイラごと失うという大損を食らいます。

妨害を突破するために、なるべくならサラマンリンクとロアーを伏せて置いたり、レッドリブートを握っている状況下で狙うのが良いでしょう。

とはいえ、融合するキマイラ自体はいつ墓地に送られていても良いので、相手が中~低速型のデッキであればとりあえずスタリオ+フェネックのコンボでキマイラを出しておいて、帰ってきたターンでリザードを出してトドメ、というのも狙えます。

1キル可否の見極め

ざっと3通りの1キルパターンについて解説してきましたが、このデッキはサラマンである以上、無理に融合して1キルを狙わずにロアー&レイジを絡めた罠ビートに切り替えることも求められます。

では具体的にどのような状況下で「1キルをあきらめる」べきなのかを解説していきます。

第一に相手場に攻撃表示モンスターが存在しない、あるいはフリーチェーン退場効果を持ったモンスターしか存在しない場合です。

ドラゴンリンク等の1キルでは、除去、制圧効果を持った高打点モンスターを1ターン中に3体以上並べてフィニッシュするため、相手場にモンスターがいるいないに関わらず1ショットを狙っていけます。

しかしキマイラによる1キルは、当たり前ですがキマイラによる大幅な打点上昇効果に依存します。その過程でどうしても「攻撃表示モンスター」が必要となるため、相手場の状況に左右されやすいです。

とはいえ先攻でミラージュスタリオを使用でき、手札にガゼルを戻した状態でターンが帰ってきさえすれば、相手場ががら空きでも融合せずに8000打点を用意できます。

 

厄介なのは後者のフリーチェーン退場効果を持っているモンスター、具体的には《ダイナレスラー・パンクラトプス》や《紫宵の機界騎士》等のモンスターがいる場合です。彼らを殴ろうとしても自身の効果で逃げ、除去やサーチ等でアドを稼がれ、モンスターを殴らないと倍になれないキマイラはモンスターがいない方が与えるダメージが少ないという摩訶不思議な状況に陥ります。

そうしたモンスターがいる場合は落ち着いて強固な盤面つくりに徹しましょう。

とはいえパンクラトプスに対してキマイラを作ること自体は決して悪手ではなく、墓地のベイルで破壊を免れるため一方的に殴りにいき、メイン2で仕事を終えたキマイラを素材にサンライトウルフやヒートライオを作ってしまいましょう。墓地にいればリザードで再融合できますしね。

 

もう一つのあきらめパターンは大量の妨害が見込まれる場合です。

メタビート系のデッキ相手に、3枚以上の伏せで返された場合は、明らかにカウンターが1枚以上眠っているでしょう。キルルートは複数あるものの、融合札を複数枚用意できる状況でない限り、カウンターされてリソースを無駄に消費して負け、ということにつながりかねません。

そのターン中にキルできずとも、汎用のカウンター罠では《神の宣告》等のライフコストを要求するものが多いため、リソースと交換を意識していけばサラマンの持久力で持ちこたえることができます。

また、伏せが無くともサイド2戦目以降、自身のデッキがサラマンだと割れていると手札誘発、特に《原始生命態ニビル》が積まれることが多いです。

「どうせ握っていないだろう」という気持ちで展開していると、勝てる状況からニビルが飛んできて一気に不利に追い込まれたりするのでサイチェン後は無理に狙わず、基本的には召喚回数を4回以内に抑え、相手の手札が0枚であったり、超融合を握れた状態などにキマイラ1キルを狙うのが良いでしょう。

また、融合軸のデメリットでも述べますがキマイラは融合モンスターであるため、相手の墓地の《妖精伝姫-シラユキ》1枚で1キル不成立となることも覚えておきましょう。

融合軸のメリット

ここまでで、サラマンでの融合が単なるファン要素ではなく、「勝ちにいける」一つのファクターであることが伝えられていれば幸いです。

私自身、結構な頻度で秋葉原、新宿等のカードショップに通い詰めているのですが、店頭で「サラマン構築済デッキ」のリストを見るたびに、「なぜキマイラが入っていないんだ!?」と心の中で叫びまくっています。極端なところではヒートライオさえ入っていなかったりします。

そう、未だにサラマンは罠メタビ軸が一般的なのです。

確かにロアーとレイジの盤面は強力であり、サンライトウルフもリンク2としては、オルフェゴールにおけるガラテアに比肩するモンスターです。

しかし、ロアーレイジいずれもサラマンリンクモンスターを発動条件に要求する以上、サンライトウルフを突破されてしまうと腐ってしまいます。

また、フィニッシャーや盤面突破するためのリンク4として《ヴァレルソード・ドラゴン》や《双穹の騎士アストラム》、最近では《アクセスコード・トーカー》等が採用されますが、これらはいずれも炎属性以外のモンスターであり、サラマンにおける展開とバウンスによる除去で2アドを取れるミラージュスタリオとの兼ね合いが難しくなる、と私は考えています。

ミラージュスタリオを使用したターンは《トロイメア・フェニックス》でチクチクアドを稼ぎながら有利な盤面を維持できる、という考え方もありますが、ならば炎属性に寄せて1キルを狙っていく方が得じゃない?というのがこのデッキのコンセプトです。その結果として、エクストラ枠の都合上フェニックスが抜けました。(だって手札コストのいらないヒートライオでいいんだもん)

以上を踏まえると、融合軸の利点として

①キマイラが炎属性であるため、スタリオの効果を気軽に使える。

②モンスターを4体分並べずとも、融合札さえあればモンスター2体で高攻撃力のキマイラを用意できる。

③メインで採用している融合札は相手のモンスター除去も兼ねるため、リソースが激しくなりにくい。

④サンライトウルフへの依存が少なく、浮幽さくらによる除外を受けても勝ち筋を残していける。

⑤ガゼルを除外されても、継戦を度外視して1キルに切り替えることが出来る。

⑥1キルができずともキマイラによる高打点は脅威であり、生き残ってもライフコストを要求するカードを切りにくくなる。またエクストラターンにも強い。

が挙げられます。

また、これはやや盤外的な話なのですが、「普通のサラマンでは融合体は出てこない」と思われているのを逆に利用して、情報アドバンテージの面でも有利です。

ついでに、やっていることは1ショットキルというえげつないプレイスタイルでありながら、キマイラというロマン砲じみたカードと、転生融合という消費が大きく派手な展開(レディースエーンジェントルメーン!!)が相まって、初対戦の方に驚かれたり感想戦で盛り上がれたりするので、そういった面でも使っていて楽しいデッキです。

やっぱカードゲームって”コミュニケーションツール”、なんだよなあ。

融合軸のデメリット

とはいえ融合を採用するにあたり、どうしても罠ビート軸にはない壁が増えます。

1キル可否の見極めでも述べたように、相手場の状況によって1キルを狙えなかったり、急所に妨害を食らうだけで止まったりします。

また、通常のサラマン構築に加えて、メインにフュージョンオブファイア、フェネック、超融合2枚を採用しているため、その枠に本来入る手札誘発などのメタカードを詰め込む枠が狭まってしまうため、防御力が格段に落ちることは必至です。

その上、必要ない場面での融合札の引きすぎという事故も起こり得ます。先攻でフュージョンオブファイア、フェネック、聖域、ガゼル無し、のような手札は2度と見たくありません。超融合なら闇2体でスターヴヴェノムにするなど防御札に出来ますが、闇が並ばないデッキ相手には無力です。

【ヴェルズ】のようなデッキを相手にする場合は、最悪サイチェンで融合札全抜きまで視野に入れて良いでしょう。

今後の調整について

2020年3月上旬現在での融合転生デッキの解説は以上になります。

ここからは4月からの新ルール及び今後のカードプールにおいて、どのような改造点が見いだせるかを考えていきたいと思います。

まず新ルールに関してはこのデッキにとっては追い風だと言えます。

サンライトウルフをエクストラモンスターゾーンに出した場合のリンク先は一ヶ所のみであるため、リンク先がふさがっていたりする場合はリンク先を素材にしない限りエクストラからキマイラを出せないという状況が現行ルールでよく起こっていました。

また超融合によるスターヴヴェノムがエクストラゾーンに居座り、サラマンの展開をしにくかったりもしたので、そういった状況が無くなるという点でさっさと4月になって欲しいと思います。

 

メインデッキの改造についてですが、サラマンは先攻にしろ後攻にしろ、《転生炎獣ガゼル》というパワーカードを初手に引き込めるか否かが重要になります。そのため、何かしらが制限解除でもされない限り、メイン40枚を増やすという選択肢はなく、変えるとしても微小な程度になるでしょう。

ただ、最近の新規カードで注目しているのはネメシスです。このデッキでは一度使用して除外されたベイルリンクス、スピニー等をデッキに戻しながら召喚権を使わずに展開が行えるため、ガゼル以外の継戦能力の確保につながると考えています。

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炎属性 レベル2
炎族
効果
攻撃力1100 守備力200
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①:「ネメシス・フラッグ」以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターをデッキに戻す。

②:自分メインフェイズに発動できる。デッキから「ネメシス・フラッグ」以外の「ネメシス」モンスター1体を手札に加える。

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 水属性 レベル3
水族
効果
攻撃力1500 守備力400
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①:「ネメシス・アンブレラ」以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターをデッキに戻す。

②:「ネメシス・アンブレラ」以外の自分の墓地の「ネメシス」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

 

ネメシス・フラッグは炎属性であり、各種サラマンリンクモンスターの素材になれる上、デッキからネメシス・アンブレラをサーチすることが可能です。サーチしたアンブレラは水属性で噛み合わないように思えますが、レベルが3であるため、素材に縛りの無いミラージュスタリオのX素材として有用です。また、フラッグからサーチしてアンブレラを出し、先にフラッグをリンク素材として使用することで、墓地のフラッグをアンブレラ効果でサルベージする、という芸当も可能です。

やべえ、書いてたら入れない理由が無いような気がしてきた。デッキいじりてえ。

とはいえ特殊召喚は除外されているカードが無いと行えず、ネメシスばかり引きすぎても事故要因となるため、入れてもフラッグ2アンブレラ1が限度でしょうか。

個人的にはネメシスをサーチできる魔法カードが出て欲しいですね。

今後、海外TCGのレギュレーションに沿う形でミラージュスタリオが禁止された場合は、スピニーの枚数を減らしてがっつりネメシスの展開も組み込もうと思います。

 

終わりに

如何だったでしょうか、DANEが出たあたりから組み始めておよそ1年近く試用と調整を繰り返してきたデッキだったので、個人的に10期の集大成ともいえるクオリティに仕上がり満足です。

やはり店舗予選を取れなかったのが心残りですが、現在一番のお気に入りデッキなので11期に入っても(ガゼルが禁止にならない限り)崩さずに回し続けてると思います。

むしろこのデッキを流行らせて環境を融合転生一色にし、キマイラが禁止にぶち込まれても悔いはないです。(そうはならんやろ)

この記事を読んで、一人でもキマイラ、ないしサラマンというテーマそのものに興味を持っていただける方が増えてくれたら幸いです。今のサラマンはストラク3箱より、2箱にシングル追加していく方がいいですよ!

次の記事では4月からの改訂予想をしていこうと思います。

では、さよ~~なら~~。

【アイマス】メメントの曲考察をあえてやる【ミリオンライブ!】

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お久しぶりです。二郎です。

今日は久々にアイマスの話、それも本ブログでは初となるミリオンライブの楽曲についてのお話をしようかと思います。

記事タイトルでお察しかと思いますが…その楽曲とは、

↓これです

現在配信中のアプリ、「アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ」にて今も開催中のイベント楽曲「メメント?モメント♪ルルルルル☆」ですね。

 

イベント楽曲となりますが、初出は2017年発売のCD「THE IDOLM@STER LIVE THEATER FORWARD 03 Starlight Melody」です。もう3年も経つのか~

なお、私は現時点で解放可能なイベントコミュをすべて読みましたが、本考察ではコミュについては触れないものとします。いや今回のコミュめちゃくちゃ良いんで、触れないのがもったいないんですが、今回は敢えて「曲」としての考察に絞ろうと思います。コミュ内のストーリー展開や台詞回しも、「メメント」の曲がある前提で描かれているので、やや蛇足だと思ったのでコミュ考察は省きます。

 

LTFシリーズについて

この「LTF」と呼ばれるCDシリーズは、ミリオンライブがまだグリマスで展開されていた頃に発売されたものの中では最後のシリーズであり、「LTF03」はその全3枚の内の3枚目、要するにグリマス時代に発売されたCDの大トリを飾ったことになります。

LTFシリーズ全体のテーマは「宇宙の星々」であり、36名(このときはまだ歌織さんとつむつむは加入しておらず、琴葉役の種田さんは療養中であったため)のシアター組アイドルを、「太陽」「月」「星」の3つに分類しユニット曲を1曲ずつ、

さらに3人ずつの全12組のユニットに分けてそれぞれに1曲ずつ、全15曲の名曲を産み出しています。

この12ユニットは、占い等で馴染みのある黄道十二星座の名を冠しており、さらに星々感に磨きをかけています。

ちなみにこのユニット分類、アイドル一人一人の誕生日の星座とは一切関係がありません。実際星座ごとに分けたユニットも見てみたいですが紛らわしいのでやらないと思います。

名盤中の名盤,LTF03

そんなわけで今回取り扱う「メメント」が収録されたLTF03ですが、「メメント」以外にも良曲のオンパレードという大盤振る舞いっぷりです。

冒頭曲は志保、海美、亜利沙からなるユニット「スコーピオ」による「リフレインキス」。14歳1人と16歳2人にこんな曲歌わせちゃダメだろ!!! と言いたくなるような、とにかくキスをねだられる曲です。デレにTulipあれば、ミリにリフレインキスあり。こういった曲を歌い慣れている(気がする)志保はもちろん、うみみとありさのクールな歌声も必聴です。

 

次鋒曲は環、茜、星梨花からなるユニット「アリエス」による「Sweet Sweet Soul」。アイマス曲でも有数の、というかほぼ初の本格的ヒップホップナンバーであり、編曲に元SOUL'd OUTのShinnosuke氏も参加していることでも有名です。(SOUL'd名義じゃないけどDiggy-MO'氏のソウルイーターのED好きだったなあ)

「しぇけなべいべー」「くらっぴゅあはーん」「ぷっちゃへんざー」とヒップホップ頻出語句をひらがなで書いたZAQさんのジーニアスっぷりに加えて、稲川さん小笠原さんもちょの御三方が一人としてアイマスとしての雰囲気を崩さず、大人だけじゃなく子供だってノれるんだ!!というテーマを見事に歌いきっています。

「年少組の環と星梨花を引っ張る茜ちゃんかな...?」と思いきや、結局いつものカワイイ茜ちゃんかい!!!と突っ込みたくなるようなフリースタイルは聞くと絶頂間違いなしです。Pが集まるカラオケではここを暗誦できるかどうかで盛り上がりっぷりが変わります。

ミリシタにも近々イベント曲として実装されるでしょうが、2分にどこまで収めるかでかなり評価が分かれるかと思います。(俺たちのミリシタはきっとフリースタイルノーカットやってくれる)

 

3曲目の「メメント?モメント♪ルルルルル☆」を挟み、4曲目が桃子、風花、このみの「ジェミニ」による「永遠の花」。本CD唯一のバラード曲です。ミリには珍しく森由里子さんが作詞に参加されており、この時点で約束された良曲です。

別れ行く運命の二人、しかし未来へ向かって変わらぬ愛を誓う...。大人な恋を経験していそうな風花さんこのみさんに加え、「桃子は女優なんだから、このくらい歌えるよ!」と言いそうな桃子をここにキャスティングは桃子Pとして名采配と言わざるを得ません。

また、「ゲンキトリッパー」「ビギナーズ☆ストライク」「HOME RUN SONG♪」のように、2番でBメロ後にサビを挟まず、Cメロを挟んでラスサビに行く曲構成が僕は個人的に大大大好きなのでそこも評価点です。ちなみに上に挙げた3曲はいずれも野球に関するテーマの曲で、この理論で行くと永遠の花も野球曲なのか…?と思いましたが、そんなことはない。でも謎に共通してる。ふしぎだ。

 

5曲目は本CD参加者全員による「Starry Melody」。アイドル達が自身を「星座の星々」に喩え、今までに叶えてきた夢、これから叶えていく未来について歌う曲です。

  

↑琴葉が歌ってて泣くよね…

作詞はミリオン曲を黎明期から支え続けてくれたこだまさおり御大、作曲も「Marionetteは眠らない」「DIAMOND DAYS」等の名曲を担当してきた高田暁氏です。

あまり長く語ると本題に辿り着けないので短めにしますが、Cメロでの畳みかけが最高で聴く度に泣きそうになります。

 

と、一通り紹介してきましたが、要するにどの曲をとっても最高クラスという素晴らしいCDになっています。流通枚数はそれなりにあるにもかかわらず、中古市場にも滅多に顔を見せず、都内のCDレンタルショップでもなかなか見ない所からもその人気振りが窺えます。絶版でプレミアがついてるとかではなく、大きめのCDショップに行けば定価で買えるので是非購入してください。

僕もアイマス曲沼に足を突っ込み、(すべてを網羅しきれていませんが)様々なジャンルのCDを聴いてきましたが、LTF03が常に頂上に立ち続けている。そんな感じです。

四半世紀も生きてはいない若造ですが、今「聴いてきた中で最高のアルバムを3枚挙げろ」と言われたら、マキシマム ザ ホルモンの「ロッキンポ殺し」、My Chemical Romanceの「The Black Parade」、そしてアイドルマスターミリオンライブ!のLTF03を選びますね。

 

メメント」 曲考察

さて、ここからはメメントの曲に切り込んでいきます。

この先、2番目以降の歌詞等について触れるため、「フル未視聴なのでまだ知りたくない!」という方はお戻りください。

 

 

 

 

 

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本考察における重要資料となる歌詞カードの写真です。

手打ちしても良かったのですが、手が疲れる点と、歌詞のコピペを防ぐという名目で画像となりました。

 

ちなみに本曲の作詞は「神」こと松井洋平氏です。

いや、まじで松井さんの描く詩は神。語彙ないけど本当に誇張じゃなく、ワードセンスと知識量、歌詞回しが神域に達してる。

今から僕がやろうとしていることはある意味で「冒涜」ともとれます。

タイトル~歌い出し

LTF03の曲タイトルの中で、明らかに異彩を放つ「メメント?モメント♪ルルルルル☆」の文字。

ある程度教養がある方なら、「メメント」の時点で「メメント・モリ」を連想されると思います。

Wikipedia:メメント・モリhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%AA

ラテン語で「いつか死ぬことを忘れるな」という意味の訓戒、警句ですね。モリ(mori)は「mortal」(致死的な)などの語源ともなっているように「死」を表す語です。

メメント(memento)は「memory」(記憶)等の語源で、動詞の命令用法に従えば「忘れるな」「思い出せ」という意味になります。

知っている方なら思わず身構えるでしょう。「モリ」の単語こそ無いものの、「モメント」と「モ」の音を重ねていることから、「メメント・モリ」を意識したタイトルであることは明らかです。アイドルの曲で「死を忘れるな」なんて重すぎますからね。

 

隣に…<おっそうだな

 

そしておそるおそる再生してみると、ドラムシンバルの3ビートから軽快に

「あっる日目っ覚めたら、わっすれちゃってました~!」

記憶が確かなら、初めて聞いたとき口元が緩んでた気がします。

いや、「メメント(忘れるな)」言うてんのに出鼻から忘れてんのかい!!!

「コレハコレハいかがいたしましょうか???」じゃねーよ!!記憶喪失なんだぞ!!!

ほとんどの方はこれに類する突っ込みを心の中でしたと思います。

某大御所お笑いタレントが言及している、「笑いとは、緊張からの緩和である。」をタイトルと歌い出しだけで見事に体現しています。

そして気付かされます。この曲のテーマが「記憶喪失」だということに。

 

 Aメロ~Bメロ

記憶喪失―様々な創作もので取り扱われてきたネタですが、その用法も多岐に渡ります。

主人公あるいはそれに近い人物を登場時点で記憶喪失にさせ、物語が進むにつれて鍵となる重要なファクターを思い出していく使い方もあれば、物語中盤で仲間たちとの思い出を忘れさせ、思い出すなかで絆や友情を再確認する、といった使われ方もあります。

ファンタジーからギャグ、ミステリーまで、様々なジャンルにおいて使用されていますが、そのほとんどはシリアスに寄ったエピソードになりがちです。

好例を挙げるとすれば、週刊少年ジャンプにて昨年まで連載されていた空知英秋の「銀魂」で、主人公の銀さんが事故により記憶喪失に陥るエピソードでしょうか。ギャグと勧善懲悪が入り混じった初期の銀魂にしては、銀さんが記憶を失ったことで万事屋が解散の危機に陥る、というシリアス色の強い話でした。とはいえそこは腐っても銀魂、ギャグも忘れておらず、当作品屈指の人気&謎アイテム「ジャスタウェイ」が生まれたのがこのエピソードです。ジャスタウェイジャスタウェイ以下でも以上でもないのです。

 では、「メメント」に立ち戻ってみましょう。

1番と2番のAメロ、自分が記憶を失っていると気付いた女の子は、自分の容姿、服を確認し、「けっこうかわいくてビックリ!」したり、マンガやCDを漁っては「センスいいんじゃない?」と自画自賛したり…お気楽か!!!

そして彼女は街へと駆け出し、「見たことが無い」大勢の人やモノに触れあっては感動し、さながら過去からタイムスリップしてきたかのような姿が目に浮かびます。

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煽りに使えそう。

 

その後のBメロ、ここで再びタイトルからの伏線回収が起こります。

1番Bメロ「生まれ変わったみたいです」は、タイトルモチーフの「メメント・モリ」と照らし合わせることで「生と死」という対比が起こっていることが分かります。

「死を忘れるな」という警句に対し「生の歓び」を真っ向から突き付ける様は、孔子の「論語」における「未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん」(まだ生きることについてもよく分かっていないのに、どうして死について知ることができようか、いやできない)を彷彿とさせます。

 

また、2番Bメロ「この一瞬をメイッパイ 楽しんじゃえばOK!」ですが、これは「メメント・モリ」の本質的な意味に沿った歌詞であると推測されます。

メメント・モリ」という言葉が生まれた経緯は「死を忘れるな」に準じますが、古代ローマでの日常的な用法としてはむしろ「carpe diem」に近かったとされます。

「carpe diem」は直訳すれば「その日を摘め」、意訳すれば「その日その時を楽しめ」というやや享楽的とも取れる思想の語句であり、2番Bメロの趣旨と完全に一致しています。

ちなみに「carpe diem」はシャイニーカラーズのアルストロメリアの楽曲「Bloomy!」のサビにも歌われています。アイマス曲で学ぶ哲学。

 

 

サビ

タイトルからAメロBメロの流れで、怒涛の考察ロケットスタートを切ったわけですが、サビに関してはあまり考察するところは多くないです。(ないとは言ってない)

「あったらしい~ジブン」にとっては、目に映る空、雲、聴こえる歌、全てが「ハジメテ」になっていることが示され、「自分が変わった」のではなく「自分以外が変わった」という逆説的な捉え方もできます。

1番サビは「ポジティブ・メイクス・ハピネス!」と記憶喪失の女の子から「私のように、前向きに進んでいけばいいんだよ」というメッセージ性のある詞で締められています。

僕自身記憶喪失になったことはない(たいていそうだ)ので分かりませんが、曲中の彼女に近い状態が現実で起こるとすれば、「新生活」だと思われます。進学、就職を機に居住地を変え、自室も、街も、人も、景色も、全てが新しい世界に変貌。そしてそれらは「新たな地での不安」へと繋がります。「自分だけが異質なのではないか」という恐怖心を覚えてしまいがちですが、彼女のように全ての新しさを自分への刺激として、前向きに受け止めようという姿勢は打開策たりえるのだと思います。

2番サビでは「こんなに素敵なキセキのなか 生まれたこと覚えていたのかな?」と、彼女にしては珍しく「記憶を失う前」の自身に思いを馳せています。

「素敵なキセキ」といえばミリオンPの99割が知るように、本曲に参加しているミリオンのセンターアイドル、春日未来の最初のソロ曲です。

 

まさか「素敵なキセキ」の歌詞との連動なんてあるわけが…

と思っていましたが、1番サビの「いつの日でも絶対に ひとりじゃないよね」という部分、原曲ではおそらく「周りのシアターアイドル、劇場のファン、そしてプロデューサーがいてくれる」という意味を込めての「ひとりじゃないよね」が、

メメント」の「こんなに素敵なキセキのなか 生まれたこと覚えていたのかな?」という歌詞と組み合わせると、

 

今の(記憶喪失になってしまった)自分は、前の自分とは違うけれど、前の自分がいなければ今の自分は存在しないし、今の自分がいることで、前の自分を「自分」として認識できる。身体は同じ一つのものだけれど、精神は一人ではない。もし記憶を取り戻したとしても、今の自分が消えるわけではない。

 

という彼女の「記憶」に関する葛藤と強さが浮き彫りになったような気がします。書いてて「だってあなたはプリンセス」に通じるものを感じました。

 

今更ですが「毎日がフェスタみたい」→フェスタ・イルミネーション

「世界」「ハッピ~」→ハッピ~ エフェクト!

と、未来、まつり、美也の最初のソロ曲に関するワードがちゃんと散りばめられていますね。オタクはこういうのに弱いぞ!!

 

Cメロ~ラスサビ

さて、ここから大きく今までの考察とは毛色が「ガラッ」と変わります。

この曲のCメロは極端に短いです。というより3つ目のBメロと行った方が正しいかもしれません。

 

「記憶って、思い出って、ループしたってOK」

 

んん????????

ここまで「ちゃんと」歌詞を読んできた同志諸君なら違和感を覚えるはずです。

こいつ…いつの間にループものになっていやがった…!!!!

確かに記憶喪失とループ、SFものではよく使われるコンビセットです。

有名な例では、若干記憶喪失といっていいかは微妙ですが、TVアニメ版「魔法少女まどか☆マギカ」などです。

そして続くラスサビでは、

 

「君との出会いって何度目だったっけ?」

 

んんん????????????

と、今まで記憶喪失の彼女一人で進んできたストーリーに、突然「君」という彼女以外の存在が入り込んできたのです。

彼女はなぜ、「君」に関しての情報を保持出来ているのか、そして何度も記憶を失っては「君」に出会うのか。

正直、先ほどまでの「メメント・モリ」考察からは大きく乖離しているように思えます。

ですが、ある「仮定」をすると、すべての辻褄が合います(シャレではない)。

 

「君」=「曲を聴いているあなた」=アイマス

 

一見、よくあるメタ構造を持っただけの解釈です。

しかし、「ループ」「何度目」といった単語と組み合わせると、曲から聞き手に語り掛けるだけの単純なメタだけはない、複雑な構図が出てきます。

 

おそらくCメロからラスサビにかけての歌詞は、アイマスシリーズにおける「思い出リセット現象」について言及したものではないかと推測されます。

プロデュース要素がある据え置き版のアイマスシリーズは現在まで「無印」「SP」「2」「ワンフォーオール」「プラチナスターズ」「ステラステージ」の6作品が出ています。

しかし、そのいずれも時系列的なつながりはなく、ゲーム開始時点でプレイヤー=Pとの記憶がまっさらになった状態のアイドルと「思い出」を作り、トップアイドルを目指していきます。

どのシリーズから始めても前知識無く楽しめるという間口の広さを証明するこのシステムですが、同時にアイドルとの「思い出」が重要なキーとなる本シリーズにおいて、新シリーズの度に記憶が無くなる≒「思い出リセット」と揶揄されることもあります。

しかし、「メメント」を歌っているのは765ASアイドルではなく、ミリオンシアターのアイドルではないか。そういった反論もできます。

確かに未来、まつり、美也をはじめとするシアターアイドルは「思い出リセット」の憂き目に遭ったことはありませんでした。LTF03の発売時点では。

03の発売から約3か月後、スマートフォン向けアプリ「アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ」通称ミリシタがリリースされます。

そこでは歌織さん、紬の二人が新たに加入し、シアター組アイドルは「39プロジェクト」として新たにスタートを切ります。

そしてミリシタのコミュ内では、プロデューサーとアイドルとの初めての出会いについて描かれます。

そう、彼女たちにとって「2度目」の出会いが起こってしまったのです。

そして2018年2月、GREE版「アイドルマスターミリオンライブ!」は惜しまれつつも、サービス終了を迎えます。

スタッフの多くはミリシタの制作陣に引き継がれたと言われていますが、一つのコンテンツが終了=「死」を迎えたという事実は揺るぎません。

 

いつか必ず、死ぬことを忘れるなメメント・モリ

 

 正直な話、松井氏がミリオンの今後についてどこまで知っていたかは分かりません。

 もし、知っていたとしたら、「メメント」には以下のような深いメッセージの込められた曲だったのではないでしょうか。

 

「形あるコンテンツはいつかは終わる。けれど、また新しい形で、出会える時が来る。彼女たちは貴方のことを覚えていないかもしれないけれど、けっしてそれは悲しいことではない。前向きに受け取ることもできるはずだ。」

 

知らなかったとしても、「松井さんスゲー」ということです。結局松井さんは神。

 

イベント開催時期

一応、曲に関する考察は上の時点で終了しています。

ですが、なぜこの「メメント」曲が今回のイベント曲として選ばれたのか、についても上の考察を踏まえると理由づけが出来てしまいます。

2020年1月下旬、据え置きアイドルマスターシリーズ新作「アイドルマスタースターリットシーズン」通称スタマスが開発中であり、20年内に発売予定である旨が発表されました。

(スタマスについては参加シリーズ、アイドルについて賛否両論ありますが曲考察から外れるためここでは割愛します)

765ASに加え、シンデレラ、ミリオン、シャイニーカラーズの3作品から5人ずつが選出され、シリーズ初となる本格的クロスオーバー作品となることを期待されています。

 

そう、ミリオンアイドルにとって、Pと「3度目」の出会いが起ころうとしています。

 

ミリオンからは、未来、静香、翼の信号機トリオ三人が決定しています。とはいえ、まだ発売されておらず詳しい設定についても言及できないので憶測に過ぎません。

ですが僕は、「また新しい出会いが起こるよ」というミリオン運営からのメッセージのように感じてしまいます。

(BOUNCING SMILEが披露されるたびに某えらい人が辞めたりするしね)

 

おわりに

さて、いかがだったでしょうか。初めての曲考察記事を書くということで、やや緊張していたのですが、いざ書いてみると次から次へと考察対象範囲が増えていくので「手が脳に追いつかねえ!!」状態になって僕としては書きやすかったです。

分かりにくい部分などありましたら、コメントやツイッターか何かで教えて頂けると嬉しいです。

では、またどこかでお会いしましょ~~~~

アイマス最高👏👏👏👏👏

【遊戯王】融合軸転生炎獣デッキ解説Part.1~転生ってなぁにこれぇ編~【大会優勝】

(前置きはプロフェッショナル仕事の流儀風でお送りします)

ポ―転生炎獣(サラマングレイト)―ン

遊戯王OCGにSOFUから収録され、2018年末頃のストラクチャーデッキ「ソウルバーナー」での新規カードによって、一躍、環境トップデッキ入りを果たす。

その後、《転生炎獣ガゼル》の制限入りにより弱体化を受けるが、それでもなお2019年世界大会決勝ではサラマン同士のミラーマッチになるほど、力を保ち続けている。

だが、2019年12月時点でのデッキ分布率においては、「少ないとは言えないがトップとも言えない」程度の数字を見せている。

トップに返り咲くことは、もう無いのか。

そこに、1月発売の新弾パック「ETERNITY CODE」から一枚のサラマングレイト新規カードが姿を見せた。

ゼブロイドXではない。

《プロキシー・F・マジシャン》である。

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カテゴリ入ってないやん…

先述の世界大会や国内環境でのサラマンは、《サラマングレイト・ロアー》《サラマングレイト・レイジ》等の強力な罠カードを、《転生炎獣サンライトウルフ》によって使いまわしながら制圧し、相手のリソースを削りながら殴るメタビート的な動きが主流である。

だが、この《プロキシー・F・マジシャン》の登場により、【サラマングレイト】は「メタビ」から「1ショットキル」デッキへと転生を果たしたのである。

(ここでスガシカオの「progress」が流れる)

 

どうもお久しぶりです。二郎です。

先日、秋葉原某店でのショップデュエル大会で【融合軸転生】を使い優勝したのでそのデッキレシピと、各々のカードや回し方について解説していこうと思います。

サラマングレイトというデッキは非常に使いごたえのあるデッキなので、使用者が一人でも増えて欲しいとの思いで、サラマンの基礎的な回し方から、僕なりのプレイングについてパート分けしながら書き散らそうと思います。拙い部分もありますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

 ハイランダーみたいな構築してるな俺な。

 

キーカード紹介

「環境入りの立役者」「アドの概念ぶち壊せ」「終末の騎士の擬獣化」《転生炎獣ガゼル》

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 このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:「転生炎獣ガゼル」以外の「サラマングレイト」モンスターが自分の墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。②:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「転生炎獣ガゼル」以外の「サラマングレイト」カード1枚を墓地へ送る。(制限カード

(遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ カードデータベースより引用)

 【サラマングレイト】のメインエンジンといえばガゼルである。墓地にサラマンモンスターが置かれた時手札から特殊召喚できる効果に加え、召喚特殊召喚に成功するとサラマン「カード」を何でも墓地に落とすことが出来る何でもできるヤベーやつだ。

ガゼルの真価は、「1枚から取れるアドの量がとんでもない」点にある。

他の主要サラマンの効果紹介も兼ねて、ガゼル一枚からできる基本ムーブを図付で解説する。この動きに手札の他のカードも合わせてアレンジしていくので、サラマンをこれから使うという人は絶対に覚えてもらいたい。

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1.手札にガゼル1枚が存在。

 

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2.ガゼルを手札から通常召喚。効果でスピニー墓地落とし。

 

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3.ガゼルが存在するためスピニー自己蘇生。レベル3×2体でミラージュスタリオX召喚。

 

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4.スタリオ効果でJジャガーリクルート

 

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5.スタリオとJジャガーの2体でサンライトウルフリンク召喚。

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6.墓地のJジャガー効果でスタリオをEXデッキに戻し、ウルフのリンク先に蘇生。サンライトウルフ誘発効果で墓地のガゼルを回収。

 

…お気づきだろうか?

召喚権の消費だけで、場には1800のモンスター2体、リンク素材約3体分、しかもガゼルは手札に舞い戻るというインチキ極まりない動きを1枚でやってのけるのだ。

しかも相手場にモンスターがいればミラージュスタリオの効果でバウンスも狙えるので、(捉え方にもよるが)+2~4のカードアドバンテージを得ていることになる。

なんとこの動き、サラマン使いの人には分かると思うが「手札にガゼル以外のサラマンがいない」場合に仕方なく行うパターンである。これで一番弱い動きなのだ。

ここまで書いててどうして禁止にならないのかが不思議に思えてきた…。

ここから先は状況によってさまざまだ。

ウルフの転生を狙うならジャガーをベイルリンクスに変換し聖域サーチから転生リンク、あるいはヒートライオにつなげて相手場の魔法罠をバウンスしつつ、転生権を切れば相手場のモンスターの打点変更から戦闘破壊に繋げることもできる。

また、詳しくは後述するが、この動きをした後にターンを跨ぐだけでスピニー、Jジャガーの自己再生可能な2体が墓地に存在するので、えげつない展開を再度行うことが出来るのだ。

 

「強欲で謙虚なサラマン」「永続カードは俺の餌」「サラマンの裏番長」《転生炎獣フォクシー》

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【サラマングレイト】の全盛期は環境に台頭した直後、ガゼルを3枚積むことが出来ていた頃である。ガゼルデバッガー炎陣がそれぞれ無制限、9枚初動という非常に安定した動きを見せていた。

ガゼルは同名では墓地落としのトリガーにならず、同名を墓地に落とすこともできないので、初手で被るとややディスアドバンテージになっていた。

先攻展開中にサンライトウルフのサルベージ効果で戻す炎モンスターも、山にあってもアクセス手段が豊富なガゼルを残し、相手が打った《増殖するG》に対して打った《灰流うらら》を選択、ロアーの妨害と含めて2枚の動きを止める構えが多かったように感じる。

そう、あの時までは…

2019年7月、《転生炎獣ガゼル》制限カードに指定

ついでに《レディ・デバッガー》も制限入りした。

サラマンデッカー達は苦境に立たされた。一気に初動が4枚も消えたのである。

19年1月のDARK NEOSTORMで登場した《サイバネット・マイニング》を3積みすればまだ8枚を保てたが、手札コストの有無の差は大きい。

どうすれば安定を図れるか、その答えとして辿り着いたのがこの《転生炎獣フォクシー》の3積みであった。

このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。①:このカードが召喚に成功した時に発動できる。自分のデッキの上からカードを3枚めくる。その中から「サラマングレイト」カード1枚を選んで手札に加える事ができる。残りのカードはデッキに戻す。②:このカードが墓地に存在し、フィールドに表側表示の魔法・罠カードが存在する場合、手札から「サラマングレイト」カード1枚を捨てて発動できる。このカードを特殊召喚する。その後、フィールドの表側表示の魔法・罠カード1枚を選んで破壊できる。

要約すれば、

①召喚成功時に、デッキトップ3枚を見てサラマンがあれば何でも手札に加える「強欲で謙虚な」効果

②墓地に存在するとき、表側の魔法罠があれば手札のサラマンを切って墓地蘇生、ついでに表側の魔法罠を選んで破壊する効果

この強力な2つの効果をいずれかターン1で使用できるというものだ。

…いや、強くね?

下手したらガゼルよりこいつの方がヤバくね?

ガゼルの強みは、「召喚権を使わず」「幅広いカードにアクセスでき」「ディスアドになりにくい」というところにある。

だが、裏を返すとガゼル単体では墓地を一枚肥やすことしかできないと捉えることも出来る。落とすカード(特にスピニー)とのコンボによってようやく前述のようにアドバンテージを稼ぐことが出来るのだ。

 

しかし、フォクシーはガゼルのように確定ではないものの「あわよくば手札を増やし」「あわよくば手札を1枚サイクロンにして自己蘇生」というアドバンテージへの直結を期待できる効果を備えている。

①の強謙効果は、初手で初動札を一枚も引けなくとも、フォクシーを召喚できればトップ3枚の中のガゼルや炎陣を加えられるため、安定につながる。

もしガゼルor炎陣が無くとも、フォクシーは星3であるためスピニーを加えることで墓地送り→蘇生からミラージュスタリオに繋げるという動きも可能である。

「そう上手くいくか」と思うかもしれないが、仮に初手5枚がフォクシーのみで他は非サラマンカードだとする。35枚の山の中にガゼル1枚炎陣2枚スピニー3枚があるとき、それらが1枚もめくれない確率は

29×28×27/35^3≒0.5113、すなわち約48%の確率でミラージュスタリオに繋げることができるのだ。これを低すぎると考えるようでは勝負に立てない。

また、山に12枚サラマンがあるとすれば、

1-(23×22×21/35^3)≒0.7522、75%の確率でサラマン札を1枚増やすことができるのだ。

 

②の効果、発動条件に手札コストと、一見扱いづらい蘇生効果のように見えるが、回してみると全くそんなことはない

発動条件である「表側の魔法罠の存在」だが、相手フィールドに存在していなくとも、《転生炎獣ベイルリンクス》リンク召喚成功時にサーチできる《転生炎獣の聖域》を張るだけで満たすことが出来る。

また、蘇生後の破壊効果も任意であるため、必ずしも割る必要はない。

逆に、相手場に厄介な永続魔法、罠が存在する場合はそれを除去する手段にもなり得る。

例えば、相手が先攻で《魔封じの芳香》をスタンバイに張ったとしよう。

手札に《転生炎獣の炎陣》があれば、チェーン発動でフォクシーをサーチ、メインに入り、召喚して①の効果を使わずに《転生炎獣ベイルリンクス》を召喚、効果で《転生炎獣の聖域》をサーチ、②の効果で表側の魔封じがあるため、聖域や他のサラマンカードを切って蘇生、魔封じを選んで破壊。といった動きができる。

上の動きは全て炎陣もしくはフォクシー1枚で完結しており、全部通れば召喚権を使って場にモンスター2体を用意、相手場のカード1枚を破壊しているため、+3のフィールドアドバンテージを取れてしまうのだ。これはガゼルにはできない芸当である。(無論ガゼルからフォクシー落としでできるっちゃできるが)

 

そして、手札コストにおいても、「サラマングレイト」カードであれば種類を問わず切れるため、手札よりも墓地にいた方が真価を発揮するスピニーやJジャガー等を切ることで、コストが蘇るという実に奇妙な動きにつながってしまうのだ。「サラマングレイト」魔法罠でも、転生サンライトウルフの起動効果や、墓地に送られた《転生炎獣ファルコ》の誘発効果など、それらを回収することも容易にできるため、何を切ってもノーコストだと思ってくれて構わない。

そして、お気づきだろうか。このカードに隠されたもう一つの強い点に。

このモンスター、「サラマングレイト」というカテゴリをサポートする「サラマングレイト」カードでありながら、二つの効果のどちらにも同名に関する制限が無いのだ。

例えば、①の効果で《転生炎獣フォクシー》がめくれてもそれを手札に加えられるし、(僕はこのムーブをすると必ず「お前はエアーマンか」といいます)

②の効果で切るコストが《転生炎獣フォクシー》であっても構わない。

 フォクシーでフォクシーを加え、フォクシーでフォクシーを蘇生する無限フォクシーシステム…!!!

KONMAIがこの過ちに気付いて制限にしないよう、祈るばかりである。

 

「スタリオのズッ友」「一生出てくるやべー奴」「ついでに貫通付けとくわ」《転生炎獣Jジャガー

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名前にジャックとあるが某キングとは特に関係ないようだ。

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。②:このカードが墓地に存在し、自分フィールドに「サラマングレイト」リンクモンスターが存在する場合、「転生炎獣Jジャガー」以外の自分の墓地の「サラマングレイト」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻し、墓地のこのカードを自分の「サラマングレイト」リンクモンスターのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。

よくミラージュスタリオのリクルート効果で出てくるこいつだが、なぜこいつなのか。

それはほぼノーコストで蘇生できるからだ。

こいつが蘇生するにはサラマングレイトのリンクモンスターが存在し、かつそのリンク先が自分のメインモンスターゾーンに向かっていることが条件である。

一応、リンク4の《転生炎獣パイロ・フェニックス》のみが横向きのリンクマーカーを持っていますが、重い上に効果が相手依存になりがちなので使われることはほぼない。

それでも、ベイルリンクス、サンライトウルフ、ヒートライオはいずれもEXモンスターゾーンに存在すれば下にマーカーが向くので、更なるリンク召喚につなげることも容易。また、蘇生時は表示形式を問わないので、簡単に蘇生できる1800打点としても優秀。貫通も持っているので《スケープ・ゴート》などを出されても着実にライフを削りに行ける。

そして、実質的なコストとして必要な自身以外でデッキに戻すサラマンだが、リンク素材等にしたミラージュスタリオ、転生素材にしたサンライトウルフなど、EXデッキのサラマンを戻すことでリソース回復ができる点も重要だ。

また、メインに入る下級サラマンで、1800は最も高い数値である。相手に何かしらの手段で特殊召喚を封じられている場合、基本的にジャガーで戦っていくことを強いられる。手札にスピニーがあれば打点パンプ効果で2300打点になれることは頭に入れておくといいだろう。

 

どのサラマンデッキにも入るメインサラマンの重要どころは主に上の3枚とスピニーである。スピニーは手札から捨てることでフィールドのモンスターの打点を500アップする起動効果と、場にサラマンがいれば除外デメリット付きで自己蘇生する起動効果があるが、だいたいスタリオのX素材となるので除外されずに墓地に送られる。

上のレシピにはそれ以外のサラマンもいるが、それらの紹介は次回にしてサラマンの基本ムーブ解説に移ろう。

 サラマンの基本初動ムーブ

ではここからは、サラマンの先攻初手の動きを実践していく。

先ほどから初動札としてガゼル、及びそれらをサーチできるカードを挙げているが、先攻で強力な盤面を作るには複数枚のカードが必要になってくる。

説明のしやすさも兼ねて、ブン回して作りたい盤面から解説していこう。

ぐっすりバグースカ&目覚ましロアー盤面

 

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これは手札に「ガゼルorガゼルにつながるカード」1枚と「スピニーorスピニーにつながるカード」1枚と、「フォウルorフォウルにつながるカード1枚」計3枚から妨害が無い場合に完成できる盤面である。

ガゼル、スピニー、フォウルにつながるカードとして、炎陣やデバッガー、サイバネットマイニングが存在するが、いずれも名称ターン1である点には気をつけたい。

サンライトウルフは転生状態であり、ロアーを伏せて1妨害と、バグースカによるフィールド上のリンクモンスター以外の効果封じにより、この盤面を返すには少なくとも2枚以上の消費が必要となる。また転生サンライトウルフ及びミラージュスタリオを戦闘・効果から一回、ベイルリンクスの墓地効果によって守ることが出来る。

ターンが帰ってくればまたガゼルを召喚でき、除去が何もなければバグースカとスタリオを起こし、スタリオの効果で適当な素材をリクルート、サンライトウルフとスタリオでヒートライオを出し1体で転生すればモンスターを1枚、伏せを2枚バウンスできる。バグースカの維持コストとして墓地に落としたJジャガーをヒートライオのリンク先に出し、墓地のスピニーも立てられれば、2300+2000+1800+1500+1000=8600で勝負を決めることが出来る。

 

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では、ガゼル、スピニーにつながるカードとしてデバッガーと炎陣、素引きしたフォウルの3枚から上の盤面まで辿り着いてみよう。

 

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1.炎陣でガゼルサーチ後、デバッガー召喚でスピニーサーチ。

 

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2.デバッガー1体でベイルリンクス、効果で聖域サーチ。

 

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3.ベイルリンクスを対象にスピニー効果起動。その後、スピニーが墓地に送られたのをトリガーに手札からガゼル特殊召喚。ガゼル特殊召喚時効果でロアー墓地落とし。

 

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4.スピニーを自身の効果で蘇生しガゼルと2体でミラージュスタリオX召喚。ミラージュスタリオ効果でガゼルを切ってJジャガーリクルート

 

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5.ベイルリンクスとJジャガーの2体でサンライトウルフリンク召喚、聖域を張りサンライトウルフ1体で転生リンク召喚。

 

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6.墓地のJジャガーの効果でサンライトウルフをEXデッキに戻しリンク先に特殊召喚、成功時にサンライトウルフの誘発効果チェーン1、手札のフォウル効果チェーン2と組み、フォウルを手札から特殊召喚後、墓地のガゼルをサルベージ。転生サンライトウルフ起動効果でロアーをサルベージ。

 

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7.Jジャガーとフォウルの2体でバグースカX召喚。ロアーをセットしてエンド。

 

主な注意点としては4.でスタリオ効果のコストとしてスピニーを切ってしまうと、スタリオを残したままガゼルを手札に戻せなくなってしまうので気を付けたい。

 

とはいえ上のように確定札3枚が初手に揃うのはなかなか無く、体感で10回に1回といったところだろうか。

10回中6回は最低でも以下のような盤面を作ることになる。

壊獣ケア型サラマンリンク2体盤面

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バグースカを外す代わりに、ロアーによる1妨害を安定させた盤面である。

ロアーは効果・魔法・罠を止められる強力なカウンターであるが、弱点も存在する。

それは発動条件として「サラマングレイト」リンクがフィールド上に要求する点である。サンライトウルフは攻撃力1800とやや心もとない数値であるが、墓地のベイルリンクスで一回だけ戦闘効果破壊から免れることができる。ヒートライオは2300となかなか戦闘では突破されない打点であるが、出すのにリソース消費がかかりすぎる点と、リンク召喚成功時の魔法罠バウンスが初手では使えないことを考えると温存しておくのがよい。パイロフェニックスは論外である。

逆に言えば、フィールドからサラマンリンクがいなくなってしまえば、伏せたロアーは腐ってしまう。どかすために多く使われるのはチェーンブロックも作らず、破壊耐性も無視できる「壊獣」だろう。

とは言え、壊獣は性質上1体しか除去できない。壊獣の比率を増やせば自軍にも出して戦闘破壊を狙えるが、多くのデッキで除去として採用されるのは2~3枚だろう。

上のようにサンライトウルフと2体目のベイルリンクスを並べることで、壊獣一枚でロアーが腐ることをケアすることができるのだ。

またこの盤面は「ガゼルorガゼルにつながるカード」1枚と「スピニーorスピニーにつながるカードorロアー」1枚の確定札2枚のみで完成させることが出来る。

サーチまでの手順は省略する。

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1.手札にガゼルとスピニーが存在

 

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2.スピニーを通常召喚

 

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3.スピニー1体でベイルリンクス召喚。聖域サーチ効果にチェーンして手札のガゼルの誘発即時効果で特殊召喚。聖域のサーチ処理後、ガゼルの効果でロアーを墓地落とし。

上の手順1,2はあくまでも1例であり、結果的に3のような「墓地にスピニー、手札か墓地にロアー」の状態が作れればよい。

初手で手札にロアーが来ていたなら、ガゼルを召喚し落とすのはスピニーになる。デバッガーでサーチしていたなら、デバッガーをベイルにし手札のスピニーを切ればガゼルの特殊召喚トリガーとなる。

あとはガゼルの項目で解説したように、スタリオを立ててJジャガーから転生ウルフを作ればよい。

 

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転生ウルフ効果でロアーを回収。ジャガー墓地効果でウルフを戻して蘇生、ウルフ誘発効果で墓地のガゼルを回収。

 

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最後にジャガーをベイルにし、手札のロアーを伏せて完成。

初手でロアーを素引きしていたなら、サーチに使用した炎陣やマイニングの手札コストとしたサラマン魔法罠を回収することもできる。炎陣は名称ターン1だが、速攻魔法ゆえに伏せておけばフリーチェーンで相手番に発動でき、いざとなればパンクラトプス等のモンスター効果からウルフを守ることも出来る。

と、10回中7回は強固な盤面を作ることが出来たが、では残り3回の内訳はというと、

1回はガゼルを引き込むことすらできないメタカードだらけの負け手札。

2回は以下のような少なくとも1妨害を構える盤面である。

最低1枚は消費させる盤面

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自分を閃刀姫だと思い込んでいるぼっちウルフ。

この盤面は手札にガゼル一枚と、スピニー以外で通常召喚可能なサラマンが一体いる場合に作れる。先述のとおり壊獣一枚で崩壊するが、それさえなければ1回の妨害はできる可能性がある。

画像を用意するまでもないので、文章だけで説明すると、

 

1.ガゼルじゃないサラマンを召喚。

2.サラマン1体でベイル召喚。ベイルで聖域サーチ&サラマンが落ちたのをトリガーにガゼル特殊召喚。ガゼルでロアー墓地落とし。

3.ベイルとガゼルでサンライトウルフ召喚。聖域を張って1体で転生。ロアー回収。

 

この展開の弱い点は何といっても「ガゼルが帰ってこない」点にある。

サラマンははっきり言って「盤面全ぶっぱされようと」「ニビルを食らおうと」、墓地が肥えていて手札にガゼルが生きてさえいればいくらでも巻き返す手段があるテーマである。

本当に怖いのはゴキブリと全体除外である。

 

仮に「ガゼルじゃない方のサラマン」がJジャガーであれば、手順3以降を以下のようにしてガゼル回収ができる。

3'.聖域を張りベイル1体でベイル転生。ベイルとガゼルでウルフ召喚。

4'.墓地のジャガー効果で墓地のベイルをデッキに戻し、ウルフのリンク先に蘇生。ウルフ効果でガゼル回収。

5'.ウルフ起動効果でロアー回収。

 

Jジャガーは非常に小回りの利くモンスターだが、スタリオからの特殊召喚が容易なため複数枚差すメリットはあまりない。そのため手札にガゼルとジャガーのみという状況は滅多にないと思うが、上のような展開を覚えておいて損はない。

 

初手で増Gを食らった!どうする!!

うらら、ヴェーラー、ニビル、ファンタズメイ、無限泡影…。

現代遊戯王と真剣に向き合うとき、手札誘発は決して無視できない存在である。

こうしたカードが存在するために、展開に特化した制圧高速ビートダウンと、低速型メタビートが同時に環境に姿を見せられるため、デッキタイプの多様化を図れているといえよう。

 とはいえサラマン(だけに限らないが)には絶対的に苦手とする手札誘発が存在する。

《増殖するG》である。

サラマンは特に、リンクモンスターが「転生」することでようやく真価を発揮する。だが増G適用下では、1体目と2体目を出すだけで相手に2ドローさせてしまう。

それを防ぐためにも、《灰流うらら》の2積みに《墓穴の指名者》の3積みは必須である。《抹殺の指名者》を入れて8枚体制にすることも考えられるが、対策するカードをデッキに入れる枠を考えるとやや難しいため、そこはデッキ枠との相談になる。

しかし必ずしも初手でうららや指名者を引けるわけではない。引けたとしても、ガゼルサーチに打たれたうららを差すために指名者を使ってしまい、ガゼルの特殊召喚効果に増Gチェーン発動...というのはサラマンでおなじみの光景である。

では、指名者が無い状況でGを食らった場合の最適解とは?

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上のようにバグースカ付き盤面まで目指せる状況(手順3)で、手札からのガゼル特殊召喚効果に、増Gを打たれたと仮定する。

スタンバイに増Gを打ってくるパターンも存在するが、その場合特殊召喚しなければ相手は手札が-1、後攻ドローを含めても先攻と同じ5枚からスタートとなるため、大抵は「チェーンブロックを作る特殊召喚効果」にチェーンする形で発動する。

こうなるとガゼルの特殊召喚は止められないため、少なくとも相手は1ドローで±0となる。

その処理後、ガゼルの墓地落とし効果でデッキから落とすカードを選ぶことになる。

ここで選ばれる最適解が、《転生炎獣ファルコ》である。

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このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。①:このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地の「サラマングレイト」魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを自分フィールドにセットする。②:このカードが墓地に存在する場合、「転生炎獣ファルコ」以外の自分フィールドの「サラマングレイト」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻し、このカードを墓地から特殊召喚する。

正直、ノーマルとは思えないほど優秀であり、サラマン愛好家からするとスー枠でも良かったんじゃないか…?と思う。

では、ファルコを落とした後はどうするか。

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ファルコの2つ目の効果、フィールドのガゼルを対象に取り、ガゼルを手札にバウンスして自身を特殊召喚

あとはこのままターンエンドでいい。

相手の手札は、ファルコの特殊召喚によって1ドローが追加され、6枚からの後攻ドローで7枚スタートとなる。

一見、何もしない方が6枚スタートにできるのでは?と思われるかもしれない。

そう思っている方はこのページをもう一度頭から読み直していただきたい。ガゼルは1枚で約3枚のアドバンテージを稼げる強力カードなのだ。

つまりは相手の増Gによる1ドローよりも、3枚分のガゼルを手札に戻す方がお得という考え方である。

また、ファルコは守備が1600あり、ガゼルの守備1000よりは若干突破しづらく、相手からの1キルはほぼほぼ無いだろう。

そのうえ、ファルコは墓地に送られた場合、墓地のサラマン魔法罠を対象に取り再セットできるという能力を備えている(ダメステでも発動可能なので戦闘破壊にも対応する)。初手で炎陣を使っていたり、マイニングのコストでサラマン魔法を落としていた場合は、それを回収して返しのターンで使用するという動きもできる。

 

場のファルコ、ベイルが破壊されても、ライフが1以上残っていて、手札にガゼルさえ残っていればサラマンは十分返せる。相手場に協力なモンスターが居座っていても問題ない。何なら先攻2ターン目1ショットキルも狙えるのだ。そう、融合軸サラマンならね。

また、先ほどから先攻の動きしか解説していないが、後攻ではどうするのか?大丈夫、サラマンは後攻初手6枚と相手の場によっては後攻1ターン1ショットキルも十分狙えるのだ。そう、融合軸ならね。

基本的なサラマンのカード、動き方を知っていただけたところで、今回は終わろうと思う。次回は、融合軸に必要となるカードや動きについて紹介していこうと思う。

では、一週間以内に上げるであろう次回の記事でお会いしましょう。

続き→https://jiro-shigetada.hateblo.jp/entry/fusionsalaman_2

【デレ】第9回シンデレラガール総選挙の前に一度考えて欲しいこと【モバ】

どうも、ドラグーンの記事の伸びに若干困りつつある二郎です。

今回はアイマスの中でもシンデレラガールズについてのお話です。

りあむソロへのお気持ちに続いてまたかよって感じですが、今回はお気持ちというより「それでいいのか」という警鐘に近いです。

まありあむソロもライブとかでアガれる曲だったら素直に喜びますよ。ちょろいオタクなんで。

 

シンデレラも息が長いもので、もう8周年を迎えようとしています。

移り変わりの激しいソーシャルゲームのコンテンツとして、ここまで続いていることにはやはり感嘆せざるをえません。

そんなデレのゲーム内での一大イベントといえば、やはりシンデレラガールズ総選挙」でしょう。

ログインボーナス、イベント報酬、課金。あらゆる手段で手に入る投票権を、各々が最も推すアイドルに注ぎ込み、上位に食い込めばユニット曲、機会増加、それに伴うボイス実装。食い込めなければ養分

運営が推すアイドルに課金させるのではなく、「運営がどのアイドルを推すか」の選択に課金を促すこのシステムは賛否両論ありつつも続いており、まさにデレのゆるぎない根幹といえるでしょう。

担当を決めないままプレイをしている人の「浮動票」を取り込むため、ゲーム外のSNS上で担当アイドルの魅力をアピールする俗にいう「ダイマ」と呼ばれる文化も生まれました。プロデューサー一人一人の個性や創作性に富んでおり、ニコニコそのものが衰退しているため収縮せざるをえないニコマス文化にとって代わる盛り上がり方を、別の場所で開花させたのだと思っています。

 

とはいえ、不満が出ないわけではありません。以下は僕が思っているというより、SNSや友人との意見交換で実際に出た総選挙での問題点、トラブルの羅列です。

 

・総選挙期間中、あるいは直前のイベントやガチャで登場するアイドルに有利に働きやすい。

・「シンデレラガールの座」「ボイス獲得」「曲獲得」「ユニットを揃えたい」など目標が多岐に渡るため純粋な人気投票としての面をなしていない。

・ボイス獲得の基準が曖昧。

・1位よりも2位のアイドルの方が運営に推されている(という被害妄想に陥る)。

・ユニットで推している複数人のアイドルの中から、界隈で一人だけに投票するよう促された。

・担当をシンデレラガールにするために専属プロに入ったが、代表の意向で別のアイドルに投票を促された。

・登場して間もない新アイドルが3位になって炎上コメントを残した。

 

などでしょうか。最後のはややネタですが。

黎明期から続いてきたソーシャルゲームだけに、ここまで複雑な問題になっているのも面白いですよね。

「アイドル39人全員にボイス、ソロ曲2曲以上、ユニット曲いっぱい」のミリオンライブ!とはよく比較されますが、この二つを単純に言い表すなら「シンデレラは資本主義、ミリオンは社会主義」といえます。ミリオンには総選挙に当たるものはありませんが、ガチャでの売上に関わらず曲はほぼ平等に来ます。が、シンデレラでは一定以上の支持が無いとなると声すら出させてもらえません。

これは既にこのコンテンツの「毛色」「特色」ともいえる(いい意味でも悪い意味でも)ものになっているため、今更どうこうできるものではないとやや諦観しています。

ちなみに2019年1月から12月にかけてシンデレラにおいてボイスが実装されたアイドル(デフォ声付き新アイドル4人を除く)は遊佐こずえ、佐城雪美、ナターリア、的場梨沙、夢見りあむの5人であり、ボイス付きアイドルは87人となりました。

このペースでいくと全員にボイス実装まで20年ちょいでしょうか。

 

ややデレ運営への愚痴が出てきたところでそろそろ本題です。

総選挙への不満点をただ挙げてきたのではありません。

こうして不満の声を上げながらも、担当を見放さないで欲しいという思いで投票はするでしょう。

ただ、担当以外にも気になるアイドルや、周囲やネット上での付き合いで票を分け合うといった動きももちろんあるでしょう。

僕はその働きかけ自体、否定はしません。ソーシャル性を持ったゲームである以上、交流を目的と見れば理にかなっているものです。

ただ、純粋に肯定できない理由があります。できてしまいました。

 

モバマスが、近いうちに終わる予兆を見せているためです。

 

兆し 1.『12/30 今後の更新について』

先月末、あるスクショがモバP界隈をざわつかせました。

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12/30、新規カードやガチャキャンペーンの回数削減の旨を述べるお知らせが投下されました。

イベントの頻度については変えないとあるものの、このお知らせでグリマスの終了を思い出したミリ兼任Pも多数いることでしょう。僕もその一人です。

 

もちろん、純粋にこの文面を読むだけではサービス終了につながるとは言えません。単なる更新規模の縮小の発表でしかないのですから。

ですが、終わりそうな「兆し」ともいえる動きを、モバマスが見せ始めていることは確かです。あくまで上のお知らせはその兆しの中の一つに過ぎません。

兆し 2.『シンデレラヒストリー』

昨年11月末に稼働開始から8年目を迎え、モバマスでは8周年キャンペーンと銘打ち、様々なサービスを敢行してきました。デレステ等では頻繁に見られた毎日無料10連を、非常に長い期間モバでもやるとは想定外でした。

と同時に、シンデレラヒストリーというキャンペーンも始まりました。モバマス初期からの、シンデレラアイドルをメインとしたイベントを順に振り返っていくというもので、毎日ログインするともらえる鍵で新たなコミュを見れるというものです。

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このキャンペーン、開いていくと分かるのですが非常に長いスパンで展開されていくことが容易に想像できます。一日一回のログインで鍵が1個もらえますが、開放できるコミュがなくなると即追加、というわけではないようで余った鍵がどんどん所持上限を超えて溢れていきます。キャンペーン開始日からログインを逃すと開けないコミュが出てくることはなさそうですが、走馬灯のようにイベントを最初から振り返るというコンセプトは幕引きを始めている感を拭えません。

 

兆し 3.『カレンダー配布の終了or休止』

 

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モバマスでは2016年から、デフォルメされたアイドルが描かれたカレンダー壁紙を毎月配信してきました。「今月は自分の担当だ!神!やった!」と小躍りした方も少なくないのではないでしょうか。

このカレンダー、毎月25日前後になると来月分があらかじめ配信されていたのですが、2020年1月11日現在、未だに2020年1月カレンダーが配信されていません

4年間続けてきて50人以上のアイドルが描かれてきましたが、描かれていないアイドルもいます。また平等不平等の話に戻りたいわけではありませんが、今後9周年10周年を見据えるのであればこのタイミングで更新停止するのはかなり不自然に思えます。

カレンダー更新に関して運営は声明を発していません。唯一触れているといえるのは先ほど挙げた『今後の更新について』内の「ガチャ及び一部キャンペーンの実施回数の調整」でしょうか。しかし調整して偶数月だけ配信する、というのも考えにくいです。

暦を止める。ある意味もっともシンプルに終了を仄めかすやり方かもしれません。

 

兆し 4.『シンデレラ声優の相次ぐ結婚発表』

2019年末、アイマスだけでなく声優オタク界に激震が走りました。

始まりは12/28、シンデレラガールズ小早川紗枝役の立花理香さんの結婚発表です。

その翌日から、諸星きらり役の松嵜麗さん、城ヶ崎美嘉役の佳村はるかさん、相葉夕美役の木村珠莉さん、新田美波役の洲崎綾さん、城ヶ崎莉嘉役の山本希望さんが立て続けに結婚を発表しました。

確かに今年のアイマス声優界では、原由実さん、沼倉愛美さん、中村繪里子さんといったASの面々が結婚するという流れがありました。

声優さんの結婚自体は作品の、一人のファンとしてもちろん喜ばしいことです。

ですが年末年始に、それも同じコンテンツでほぼ同時期から活躍してきた6人もの声優が一斉に結婚を発表するというのは前代未聞です。

時期的に、ちょうど先の『今後の更新について』とも重なります。

 

「声優が6人結婚したくらいで、コンテンツが終わるわけない」とお思いの方もいるでしょうが、むしろ逆です。「コンテンツが終わるから、声優が6人も結婚したのだ」の方が因果関係的に成り立ちます。

アイマスアイドル声優コンテンツという側面をもっていることは周知の事実です。そして、そのライブ等における収益がコンテンツにとっての大きな原動力となっていることもまた事実です。

アイドル声優に求められるのは演技力や誠実さ、演技の幅広さだけにとどまらず、人気商売的な面も勿論あります。本気で声優と結婚できると思っている声優オタクはまずいないでしょうが、声優ファンの中には結婚発表をネガティブにとらえ、それを機に応援、追っかけを止めてしまうという人も少なからずいることでしょう。

アイマスのライブに来る人全員が全員声優ファンだとは思いません。アイマスのアイドルが好きな人、曲が好きな人、他のプロデューサーとの交流を楽しみたい人、様々な趣を持ったファンの中に、「担当している声優が好きで来た」という人もいます。

そう考えると、「ライブ運営的にはアイドル声優の結婚は不利益である。」ということになります。人の幸せを損得勘定に数えるというのは非常に不謹慎な言い方ですが、ヅァニーズの某国民的ユニットの某メンバーの結婚後のファンの行動が全てを物語っています。

運営側も「コンテンツが終わるまでは結婚しないでくれ」とはさすがに言えないはずです。ですが、終わりが近づいているので、今後の仕事、生活の安定などを考えて結婚に至ったと考えることはできてしまいます。

 

以上が僕がモバマスが終わるのではないかと感じるようになった兆しのすべてになります。

 

では、なぜこの「モバマスが終わる」話を総選挙前にする必要があったのか。

結論から言えば第9回の総選挙が例年通りに開催されるとは限らないからです。

あくまで僕の予想ですが、モバマスは早くて今年の3月に終わる可能性があります。3月というのは年度の切り替わり的に便宜を図っただけで、ずれることも十分あり得ます。

実際、グリマスは2月という中途半端な時期に終了していました。

もし仮に3月までにモバが終了すると仮定すると、第9回総選挙がモバから投票できず、デレステからの投票のみとなります。

つまり、モバとステを両方やっていた人からすれば、モバの分の投票権を失う、といったことになります。

勿論何かしらの措置が講じられることも予想できます。ステにおいて投票権を得るための機会増加は十分あり得ます。

しかしモバしかやっていないという人は、投票すらできなくなります。またデレステリズムゲームという性質上、ポチポチゲーのモバより相対的に投票権を得難いとも言えます。

中にはモバの終了と共にシンデレラを追うのを辞める人も出ることは想像に難くありません。

そして声優さんたちの相次ぐ結婚から、このシンデレラガールズも永遠には続かない、第190回総選挙なんてありえないと悟るべきです。ゲームは形あるものとはいえませんが、無限に続くなんてことはありえません。

その最後の総選挙が、意外と近くまで来ているのかもしれません。

 

これを最後まで読んでくれているシンデレラガールズのプロデューサーさんに問います。

貴方は、次の総選挙で、誰に投票するつもりですか?

担当が所属するユニットの代表に?

担当と仲がいいアイドルに?

ただ声が聞きたいアイドルに?

曲をあげたいアイドルに?

P付き合いで他担に?

それとも

シンデレラガールになってほしい、自分の担当に?

 

投票は「自由」です。「自由」だからこそ、後々、悔いが無いような選択をしたいものです。

 

では、本日はこのあたりで。

アイマス最高👏👏👏👏👏

【遊戯王】ドラグーン対策Part2~もうちょっと真剣に考えようね編~

新年あけましておめでとうございます。二郎です。本年もブログ共々よろしくお願いいたします。

先日アップしました「OCGドラグーンモンスターズの対策を考える」が想像を超えるアクセスを頂きまして、大変驚いております。

どういった理由かと探ったところ、Google等で「遊戯王 ドラグーン 対策」で検索をかけると、まさかの初ページに出てしまうという珍現象によるものと判明しました。「あまり大したことを書いてないのに、需要の高そうなキーワードを並べてアクセス数稼ぎしているな」と思われた方もいるでしょう。僕もそう思います。

お詫びとしては何ですが、急遽「前記事で紹介しようと思ったがあまりにも手間だしマイナーなドラグーン対策」をご紹介いたしますのでご容赦ください。

ドラグーンのスペック等については前回記事で一通り述べていますので割愛。

 マイナー対策No.1《闇の指名者》&ハンデス

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原作でラーを加えさせたやつ

モンスターカード名を1つ宣言する。宣言したカードが相手のデッキにある場合、そのカード1枚を相手の手札に加える。

出張系のドラグーンはほぼ、《真紅眼融合》からのデッキ・手札融合で出てくると思っていいでしょう。(最近ではドラゴンリンクの中でレベル6シンクロ《ドロドロゴン》から出し制圧効果だけ運用、というタイプもあるようですが)

つまり素材が墓地に行ってしまえばドラグーンは出てこれなくなります。

闇の指名者》で素材となるモンスターをサーチさせた後、《手札抹殺》《トリックスター・リンカーネイション》《マインドクラッシュ》等のハンデスカードで捨てさせましょう。

ドラグーンの融合素材は「ブラック・マジシャン」+「真紅眼の黒竜」またはドラゴン族の効果モンスターと指定されています。

《真紅眼融合》では黒龍を使用しなければならないのですが、ブラマジを残すとドラゴン効果モンスターとの融合手段を残してしまったり、《闇の指名者》で加えさせるカードは1枚なので2枚目以降の黒龍に対応できなかったりと、仕掛け損になることが想定されます。

ですので宣言するカードは《ブラック・マジシャン》にしておきましょう。

ドラグーンはドラゴン族でないので《龍の鏡》による墓地融合もできず安心です。(筆者は最初ドラゴン族だと思ってました)

え?ブラマジ2枚目があったらどうするって?

諦めましょう。

あと闇の指名者は無制限ですが、メインに積めるハンデスカードは規制されやすいので両方を引き込むのが難しいと判断し本編記事ではカットしました。

マイナー対策No.2《融合禁止エリア》

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出てしまった、太古のカード

お互いのプレイヤーは融合召喚をする事ができない。

まんまです。融合させません。

特殊召喚全体を封じられる《虚無空間》でも良いのですが、こちらは融合召喚のみを禁止する点、現在無制限カードである点、自壊効果が無い点で勝っていると判断しました。

唯一虚無に勝てない点があるとすれば、再録が少なく3枚揃えるのが難しい点でしょうか。

また、封じるのは「融合召喚」だけなので、《デビル・フランケン》や《やぶ蛇》のような特殊召喚は許してしまうので気を付けましょう。

僕のサラマンは融合したいのでこいつが入る余地はありません(隙あらば自分のデッキ語り)。

マイナー対策No.3《フュージョニストキラー》

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触手(アナコンダ)から出た奴には触手で対抗しろってね

このカードと戦闘を行う融合モンスターの攻撃力は、ダメージステップの間0となる。

ドラグーン対策カードの一つとしてよく挙げられているのが《ナイト・ドラゴリッチ》です。守備表示にして守備0にし戦闘破壊できます。しかし、対象範囲が「幻竜族以外」とあまりにも広く、【竜星】以外などで下手に運用するとこちらも機能停止に陥る危険性があり、本編記事では紹介しませんでした。

《ナイト・ドラゴリッチ》を入れるくらいなら僕は《フュージョニストキラー》を採用したいです。《クリッター》《黒き森のウィッチ》両対応し、なにより守備にして殴るドラゴリッチと違い、攻撃力を0にして殴れるので戦闘ダメージを与えられます。その数値なんと1400。《ダークゾーン》を張っておけば1900になります。

アナコンダの使用には2000のライフコストがかかるので、ドラグーン使いにとってライフ管理は非常に重要なはずです。ドラゴリッチでは与えられない戦闘ダメージを与えることによって、ドラグーンの喪失に加えて、ライフダメージにも対処しなければならないという板挟みの状況になり、与えられる精神的ダメージは10000をゆうに超えるでしょう。

いちおうドラグニッチは先出ししてもドラグーンを守備に出来るので、効果破壊されても1700ダメージで済みます。が、こいつはそういった芸当が出来ないので、ドラグーン後出しには4400ダメージを食らいます。

あとこいつもSTRIKE OF NEOS以来再録が無いので入手が難しいかもしれません。KONMAIさんレアコレでの再録待ってます。

マイナー対策No.4《ヘル・テンペスト

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遊戯王4大テンペストの一角

3000ポイント以上の戦闘ダメージを受けた時に発動する事ができる。お互いのデッキと墓地のモンスターを全てゲームから除外する。

僕の大、大、だ~い好きな害悪地雷デッキ【ヘルテントーチ】のキーカードです。

自爆特攻して3000の戦闘ダメージを食らえばデッキ・墓地のモンスターを除外して骨抜きにできます。相手がドラグーンを出す前に使えれば勝ち同然です。

注意点としては、自分も同じ目に合うので、相手に止めを刺すには専用の構築を考えなければならない点。そして戦闘ダメージを参照する都合上、先攻1ターン目に使えない点で本格運用は難しいです。

実は僕、このヘルテンデッキをかなり長いこと研究しています。最近きたヘルテン新規といえばご存知、《脆刃の剣》です。

ヘルテンの弱点といえば、デッキ除外をするために3000のライフダメージを追うため、後処理をきちんとしないと相手場の3000打点のモンスターに殴られてそのまま終了、という事態に陥りがちです。

その問題を《脆刃の剣》はかなりカバーしてくれます。受ける戦闘ダメージを相手にも与えるためライフ差が開かず、かつ2000以上のダメージを受けると自動的に外れるため、相手場の打点を下げられます。それまで3000ダメージを受けるために制限の《トーチ・ゴーレム》が主流だったのですが、相手場に自分のモンスターより1000高いモンスターがいれば良くなったので満たしやすくなりました。

いつから【ヘルテントーチ】の解説になったんだ?このへんにしときます。

 

こんなところでしょうか。また思いついたら追加していこうと思います。

では、よいOCGライフを!

 

【遊戯王】OCGドラグーンモンスターズの対策を考える【12選】(1/7追記あり)

お久しぶりです。二郎です。

今回は遊戯王のトピックです。

アイマスの近況では、ゆくM@SくるM@Sの15周年PVで泣き散らかしました。

さて、本題ですがこいつを見てもらいましょう。

デンッ

 

ドラグーンオブレッドアイズの画像

こいつ出しときゃ勝てる

先日発売されたLEGENDARY GOLD BOXの目玉《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》(以下「ドラグーン」と略記)ですね。

こいつがアナコンダから出せるだのうんぬんは、アナコンダの情報が出た時期から様々な場所で取り沙汰されているので割愛します。

今回取り上げたいのは、「ドラグーンを出された時、如何にして処理、対応するか?」です。

遊戯王wiki等に載っていなくとも、複数種類の採用でドラグーンを仕留める可能性を秘めたカードを紹介していこうと思います。

 1.「なぜ刷った」の答え

本題に入る前に、この年の瀬にKONMAIが、なぜこのようなあまりにも強いカードを生み出してしまったのかについて考察(という名目の推測)しようと思います。「うるせえ!御託はいいからとっとと対策教えやがれ!!」という早漏方は読み飛ばしてください。

あまりにも強いことを確認するためにテキストを確認してみましょう。

「ブラック・マジシャン」+「真紅眼の黒竜」またはドラゴン族の効果モンスター
①:このカードは効果の対象にならず、効果では破壊されない。②:自分メインフェイズに発動できる。相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。この効果は1ターン中に、このカードの融合素材とした通常モンスターの数まで使用できる。③:1ターンに1度、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、手札を1枚捨てて発動できる。その発動を無効にして破壊し、このカードの攻撃力を1000アップする。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベースより引用

まず、①の耐性が強すぎる。通称「マジェスペ耐性」と呼ばれるやつですね。

僕が最初効果を流し読みしてた時は、「まあ《精神操作》かなんかで無効効果打たせればええやろ(鼻ほじ)」みたいなことを思ってたんですが、《精神操作》は対象にとるんですよね。危なかった。

この耐性のおかげで戦闘以外で処理する手段が非常に限られます。

 

続いて②の効果。エラッタ前破壊輪(相手だけ)もしくはD-END、ヴォルカザウルスの効果ですね。

奇しくも《Dragoon D-END》とは「ドラグーン」、効果と被る点が多いですね。

しかもターン1どころか素材にした通常の数まで使える、という大盤振る舞いにもほどがある回数制限の仕方となっております。もちろん、「真紅眼融合」で出した場合は、必ず2回打つことが可能です。

この効果、先に並べたD-END、ヴォルカとは決定的に違う点が2点あります。

それが対象を取らない破壊である点と、効果使用ターンの攻撃制限が皆無という点。

自分は対象に取られないくせに、破壊効果は対象取ってこないんですよ。バイトにシフト外労働押し付けるくせに自分は定時に帰ろうとする僕の元バイト先の店長かお前は。

伸ばすなら伸ばすでお前も残れ。定時に帰りたいなら俺もシフトまでで切り上げさせろ。

話が変わってきましたが2つ目の相違点、これも凶悪が過ぎると思います。だって攻3000のモンスター1体並んでたら直接攻撃含めて6000ダメージ、2体なら9000、カード効果で抗おうものなら+1000、ヴァレルソード君が可愛く見えてくるよ。

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うそ~、わたし可愛い~?

もしドラグーン出されて1ターン耐えたとしても、そいつを自ターン中に処理できなければほぼ詰みです。

③の効果、これがもう辛い。

手札一枚捨ててあらゆるカードの発動無効。しかも打点1000永続上昇。

控えめに言ってムリ。

しかも発動無効なのでダメステにも好きなタイミングで発動可能。アストラムとも相打ち(正確にはアストラム効果無効→アストラム破壊時効果で対象取らずにバウンス)に持ち込める。

この効果、モンスターしか止められず、使うたびに打点が下がっていくアポロウーサちゃんが見たらどう思うでしょうか…?

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一時期この娘に団結の絆つけるデッキ組んでた

今のトップ環境を見ていると、展開系ではサベージ、クリマクス、ロアーのような範囲の広いカウンター系のカードを入れるのがほぼ当たり前です。メタビ寄りであっても神の宣告は3積みできますしね。

ただ、これらと比べて出す手間、コストがあまりにも軽いように感じます。何かコストに対する侮辱を感じます。

サベージはシンクロでありながらも墓地にリンクを必要とし、クリマクスやロアーのようなカテゴリでサーチの効くカウンター罠は発動する際、場にそのカテゴリのモンスターを必要とします。神宣は重いライフコストを必要とします。

その点ドラグーンは下準備ゼロ、こいつと手札1枚でカウンター態勢が整います。

ちなみにこのカード、「融合召喚でしか特殊召喚できない」等の召喚制限が一切かかっていません。

出すだけなら《やぶ蛇》や《デビル・フランケン》などでも出せます。その場合、通常モンスターを素材にしていないので②のヴォルカ効果は使えませんが、カウンター効果は使えます。そんな3000打点が立っているだけでも威圧には十分でしょう。

 

テキストのおさらいはこんなところ。では、なぜKONMAIはこんなカードを刷ったのか?

おそらくは第10期、リンク召喚及び新マスタールールの制定による売上減少が一つの原因であると思います。

9期末期のペンデュラムや十二獣でのインフレを抑えるために、リンク召喚は制定されました。しかし、今まで出来ていたことが出来なくなる、エクストラに余計なカードを入れないとエースカードが出せない、等の理由で引退者が続出。国内TCGシェアトップをDMに明け渡すこととなりました。リンクマーカーが複数並んでいないと機能しないモンスターもいたことから事実上のスタン落ちであり、持っていなければ勝負にならないとされる手札誘発も入手が難しいためポケカのように新規参入を増やすことにはつながりませんでした。

その後リンクヴレインズパックやブースターを通して、出しやすい、かつ次の展開へつなげやすい汎用リンク2が増えたことで、リンク召喚が加速化し、リンクデッキが台頭するようになりました。また、複数マーカーが無いと動かしにくいテーマを補強するリンク体も多く出ました。

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未だにリンクによって強化されていないテーマ、カテゴリは数え切れないほどありますが、あるカテゴリも以外にもリンク体が来ていません。

それこそ初代デュエルモンスターズの主人公とライバル、闇遊戯と海馬デッキの「ブラック・マジシャン」「ブルーアイズ」カテゴリです。

もちろん、カテゴリではなく大まかに見たデッキタイプでの強化は来ています。例えばブラマジであれば【魔法使い族】という括りで《魔導原典クロウリー》、最近では《神聖魔皇后セレーネ》がいますし、青眼は人気の高い【ドラゴン族】という括りで《天球の聖刻印》、《守護竜エルピィ》、《ドラグニティナイト-ロムルス》らがそれにあたるでしょう。

なぜブラマジ青眼のリンク体が出せなかったのか?答えは単純です。

「闇遊戯も海馬もリンクモンスターなんて使ってないから」です。

今まで闇遊戯や海馬が使っていないサポートカードは無数にあります。ですが、それはまだメインデッキに入るカードであったり、融合体の強化版であったりと、「デュエル中にカードを創造する」ことすら起こりうる遊戯王という作品を考えればまだ許容できるものでした。

ですが遊戯が海馬とのデュエル中に突然「俺は魔法使い族2体でリンク召喚!」などと言い出したらどうでしょう?感じ方は人それぞれなので押し付けることはしませんが、僕はちょっと嫌です。

青眼のシンクロ体、ブラマジのエクシーズ体なども存在していますが、それらが嫌であれば採用しない構築というのも考えられます。

ですがテーマを強化するリンクモンスターというのは、エースモンスターというよりは「デッキを回していくための潤滑剤」的な立ち位置にあり、シンクロやエクシーズに比べて簡単に出せる設計が多いです。

例えばの話、ブラマジを強化するリンク体が来るとします。おそらく、魔法使い族2体で出せ、リンク召喚成功時にブラック・マジシャン又はそのカード名が記されたカードをデッキから手札に加える、墓地に落とす、効果を適用する…などの効果が付くでしょう。

ブラマジデッキを組んでいる人からすれば喉から手が出るほど欲しいテキストになるでしょう。しかし、全てのブラマジデッカーが納得するとは限りません。だって、遊戯はリンクモンスターを使っていないのだから。ブラマジのエクシーズ体すら入れたくない人は、エクシーズ体を使わない、融合寄りの構築にすればいい。それと同じでリンクがあっても使わないという選択肢は無論あります。

けれどその世界線でそうしたデッキが対戦したあと、プレイヤー同士の対戦で次のような会話が起こり得ます。

「対戦ありがとうございました。ブラマジデッキだったようですが、新規のリンクは使わないんですか?」

「いやあ、ちょっとリンクは入れたくなくて」

「それでも、入ってた方が回しやすくなると思いますよ」

 そう、シンクロやエクシーズは入れても入れなくてもあまり変わりませんが、リンクは入るだけで異様に回しやすくなることが多いです。

リンク不採用というこだわりが、そのデッキを回す上での枷になるということです。

 

こういった事態が起き、原作や遊戯王DMファンからの批判が来ることを恐れて、リンク体は出せなかったのだと踏んでいます。

話を現実の10期に戻します。長いとも短いとも言い切れない10期も終わりが近づき、インフレと規制を繰り返した結果、遊戯王の売り上げはやや回復傾向にありました。

環境では展開系リンクとしてオルフェゴール・サラマングレイト・未界域・ドラゴンリンク。エクストラを使うメタビとして閃刀、サンドラ。メイン寄りメタビとしてトリックスター、オルターガイスト、真竜、サブテラーなど。9期末期と比べると実に群雄割拠の良環境になっています。

KONMAIは年末商戦に向けて、いわゆる「年末箱」に収録するカードを考えたことでしょう。遊戯王に限らず、TCG商品が売れるには「CSでも通用するような強いカード」か「強くはないが、そのTCGファンが欲しいと思うようなカード」の2つの条件のうちいずれかは必要となります。そういう意味では、ガチプレイヤーも、ファンプレイヤーも欲しがるカードを作らなければなりません。

ただ、売れ行きが回復したとはいえ、アニメVRAINSは打ち切りという形で終わったとされています。リンク召喚による1デュエルの中でのモンスター展開にかける部分が多くなり、1試合のターン数減少や、それに伴う合間合間のストーリーの短縮が全てを物語っていました。VARINSを見て遊戯王を始めてみたいと思う小学生は両手で数え切れると思います。

アニメ最新作の人気が芳しくない。となれば必然、歴代最高人気作、原点にして頂点、遊戯王DMの主人公闇遊戯のエースモンスター「ブラック・マジシャン」を大幅強化したカードを作ろうとなったのです。

とはいえ先述のとおり、ブラマジのリンク体で強化するわけにはいきません。ではメインデッキに入るカードを追加しよう、となりますが、メインの強化は9期にも行われています。これ以上はやや過剰といってよいでしょう。

その結果、ブラマジの融合体を、単体で超絶強化するしかなかったのです。

 

という、ドラグーンが生まれた経緯を妄想込みで語り散らかしてみました。

これを書いた意味はKONMAIへの批判も若干はありますが、同時に、《超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ》というカード自体には何の落ち度も、責任も無いということです。このカードデザイン自体は好きです。僕は年末箱を1箱開けて1枚も出ませんでしたが、遊戯王DMファンの一人としてはドラグーンの20thシクが出ても売らずに保管していたと思います。

ハリの記事でも似たようなことを書きましたが、ドラグーンを使う人、ドラグーンを使えない人、ドラグーンというカードそのものを非難するようなことは、一人のOCGファンとして、プレイヤーとして言ってはならないことだと考えています。

2.KONMAI立超魔導竜騎士大学、傾向と対策

またお前か、トリックスター

 僕は先日、都内の某ショップでの店舗予選大会で、実際にこのドラグーンを主軸としたデッキと対戦しました。僕は【融合軸サラマン】で挑みましたが0-2で敗れました。(エアプでこういう記事書くなんてどうかしてるぜ!)

 Twitterなどで普段から店舗大会優勝デッキを見ている人はご存知のとおり、結果を残しているのは【トリックスター】との混成タイプが多いです。

その理由を僕なりに考察してみると、

まず、エクストラにアナコンダとドラグーンを入れる都合、エクストラ枠が余りがちなデッキに出張しやすいです。この時点で、オルフェやサラマンのような展開系は除外されます。閃刀も、EXゾーンにドラグーンを出せれば強そうですが、アナコンダを使うとメインゾーンに出さざるを得ず、閃刀魔法が腐る点で相性は良くないでしょう。

次に、表側モンスターを2体並べやすいかどうかです。アナコンダをリンク召喚するには効果モンスター2体が必要となります。【サブテラー】はキーカードである《サブテラーの導師》につながる始動札が多いのが特徴ですが、展開力は乏しく、《サブテラーの妖魔》の効果処理としてサブテラーモンスターを裏側守備表示にしなければならない点で難しいでしょう。同様に、展開手段がアドバンス召喚に寄りがちな真竜も、真竜以外の展開札を用意しないといけません。

そうなるとオルターガイストかトリックスターかとなります。始動札で考えると、1月から《オルターガイスト・メリュシーク》が準制限になるオルターは《オルターガイスト・マルチフェイカー》につながるカードが5枚と厳しい一方、今回規制なしのトリスタで《トリックスター・キャンディナ》につながるカードは《トリックスター・ライトステージ》3枚と《テラ・フォーミング》含めて6枚。この差はかなり大きいです。また、オルターではマルチフェイカーの展開効果を使うとオルターしか出せない制約が付くのに対し、トリックスターではキャンディナからリリーベルまたはキャロベインをサーチすることでそのまま特殊召喚アナコンダに繋げることができます。

また、アナコンダ経由で出す場合2000のライフコストがかかります。公認大会の場合、エクストラターンに入った場合のLPの大小による勝敗等も考えると、この数値は決して無視できるものではありません。他の展開が容易なテーマと比べて、バーンの備わっているトリックスターアナコンダドラグーンを搭載するのにとても理に適っていると言えます。

まだ登場して一ヶ月も経っていませんが、大会で【トリックスター】と当たった場合、ほぼアナコンダドラグーンがあると思っていいと思います。

ちなみに僕が当たった方もこの【トリスタドラグーン】でしたが、アナコンダだけでなく《レッドアイズ・インサイト》による《真紅眼融合》サーチ、《真紅眼の飛龍》落しによるドラグーン蘇生と、かなりドラグーンを出すことに特化した構築になっていました。【トリックスター】の必須パーツが少ない点もこういった特化構築が組みやすい理由の一つでしょう。

(そういえばトリックスター君さあ…オルフェゴールが環境出始めてからもトロイメア展開に加担してたよねぇ…?)

 出されてからでも、間に合うのかッ!?

さ~あようやく本記事の本題、メインディッシュです。

相手にドラグーンを立てられた場合、どう処理するのが正解か?

早い話、デッキによってはきちんと対策を講じていないとマジで詰みます。

 

現状、着地してしまったドラグーンを手札消費1枚で処理する方法はほとんど存在していません。

何しろこいつ自身に発動無効効果が備わっているため、耐性をすり抜けるようなカードを発動したところで無効にされ、打点上昇に加担してしまうのがオチだからです。

対策カードNo.1《冥王結界波》

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負けるな~、ハデキュア~!

EXTRA PACK2019でニビル、ジャッカロープと同じウル枠でハズレ扱いだったこいつが、まさか高額買取リストに並ぶとは…つくづく遊戯王って面白いですよね。

僕はEXTRAを2箱開けたのですがウル枠結果がリダン、ビッグフット×2、そしてシクのこいつでした。最初カードラッシュで100円くらいの買取で泣きそうでしたよ。

このカードの発動に対してモンスターの効果は発動できない。①:相手フィールドの全ての表側表示モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベースより引用

モンスター効果をチェーン発動できない、という点でドラグーンのカウンターを無視して効果を無効にできます。対象耐性と効果破壊耐性は永続効果なので、無効にしてしまえば《サンダー・ボルト》でも《ダイナレスラー・パンクラトプス》でも破壊することができます。

注意すべきは、このカードの発動時に封じられるのはモンスター効果のみである点。おそらくドラグーンを使う側もこのカードを十分に警戒してくるはずです。スタンバイフェイズに《魔封じの芳香》、《王宮の勅命》などで魔法対策を敷いてくることは十分考えられます。

対策カードNo.2《超融合》

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遊戯と城之内君の絆のカードを、十代とユベルの絆(を結んだ)カードで取り込もう!

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。①:手札を1枚捨てて発動できる。自分・相手フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ - カードデータベースより引用

先述の相手の魔法対策をすり抜けられるのが、やはりこの《超融合》になります。

スタンバイ魔封じ、勅命に対してこのカードをチェーンすることであらゆる耐性、カウンターを無視して素材にしてしまえます。

問題は場の融合素材とエクストラに仕込む融合召喚先の確保です。相手がアナコンダでドラグーンを出している場合、融合召喚先は《沼地のドロゴン》または《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》、《捕食植物ドラゴスタペリア》あたりになるでしょうか。ただ、相手が素引きした《真紅眼融合》からドラグーン単騎で番を渡してきた場合、自分場に闇属性がいないと使えません。とはいえ、アナコンダルートも考えるとあまり入るデッキを選ばない対策だと思えます。

戦士族主体のデッキであれば、《真紅眼融合》で特殊召喚したモンスターはカード名が《真紅眼の黒龍》扱いとなることを利用して、《真紅眼の黒刃竜》にしてしまうこともできます。戦士主体でなくとも、エクストラ枠をさらに使いますが非同名2体で出せるリンク2《剛炎の剣士》を採用することで単騎ドラグーンも処理できます。

注意点として、手札コストが要るためやはり1枚では処理しきれない点。また、このカードもアナコンダでデッキから打つことが出来ますが、その場合効果を適用するだけなので、「チェーン出来ない」ルール効果は無視され、アナコンダの効果発動にドラグーンのカウンターが飛んできます。とはいえこれはドラグーン側からすれば無視できないマストカウンターであるため、おとりとして発動、無効にされればアナコンダ特殊召喚不可誓約もかからないのでその後に展開し、アストラム、ヴァレルソードなどで戦闘破壊を狙うのも十分考えられます。

対策カードNo.3《サイバー・ドラゴン》&《キメラテック・メガフリート・ドラゴン》

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こうしてみるとGX出身カードって容赦ないカード多いな

サイバー・ドラゴン」モンスター+EXモンスターゾーンのモンスター1体以上
自分・相手フィールドの上記カードを墓地へ送った場合のみ、EXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。このカードは融合素材にできない。①:このカードの元々の攻撃力は、このカードの融合素材としたモンスターの数×1200になる。

サイバー・ドラゴン】寄りになりますが、《サイバー・ドラゴン》または場でサイバー・ドラゴン扱いとなるモンスターを用意できればメガフリートの融合素材とすることでようやく手札1枚で処理できます。本家《サイバー・ドラゴン》ならば召喚権を残したまま処理できるので、巻き返しを狙いやすいでしょう。

こちらも魔封じ勅命をすり抜けられますが、ドラグーンがEXモンスターゾーンに出ている場合に限られ、アナコンダから出たドラグーンには対処できません。アナコンダで出ていることを前提とする《超融合》とはある意味対極のメタカードといえるでしょう。

え、サイドラ着地時に《虚無空間》を打たれたらどうするって?

諦めましょう。《サイクロン》も無効にされます。

また、20年4月からのマスタールール適用下ではEXゾーンでなくメインモンスターゾーンに融合モンスターを出せるので、今から3か月限定の対処法となることには気を付けましょう。(まあ4月にアナコンダドラグーンが生きてるとは思えないけど)

対策カードNo.4 懐獣

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①:このカードは相手フィールドのモンスター1体をリリースし、手札から相手フィールドに攻撃表示で特殊召喚できる。②:相手フィールドに「壊獣」モンスターが存在する場合、このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できる。③:「壊獣」モンスターは自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。④:相手が「海亀壊獣ガメシエル」以外の魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、自分・相手フィールドの壊獣カウンターを2つ取り除いて発動できる。その発動を無効にし除外する。

リリィィィィィスッ!!!!説明不要ッッ!!!!

とはいえ一応解説しておきます。現代遊戯王では強固な耐性を備えたモンスターが登場する度に、サイドからこの懐獣たちが駆り出され、シンゴジラも彷彿とさせる無人在来線爆弾アストラムやヴァレソで殴り殺すのが常態化している節があります。

とはいえドラグーンが効果モンスター2体から簡単に出せることを考えると、サイドでなくメインに2枚は差しておいていいのかな、とは思います。

1月から《妨げられた壊獣の眠り》が無制限になりますが、対象を取らないとはいえ破壊効果なのでドラグーン自体は処理できません。

対策カードNo.5 《皆既日食の書》、《闇の護封剣》
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①:フィールドの表側表示モンスターを全て裏側守備表示にする。このターンのエンドフェイズに、相手フィールドの裏側守備表示モンスターを全て表側守備表示にし、その後、この効果で表側守備表示にしたモンスターの数だけ相手はデッキからドローする。

 

このカードは発動後、2回目の自分スタンバイフェイズに破壊される。①:このカードの発動時の効果処理として、相手フィールドに表側表示モンスターが存在する場合、そのモンスターを全て裏側守備表示にする。②:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、相手フィールドのモンスターは表示形式を変更できない。


ドラグーンを戦闘以外で突破するとなると、「対象を取らない除外」「対象を取らない墓地送り」「対象を取らないバウンス」のいずれかになるでしょう。とはいえ、そうした効果を持つカードは発動にカテゴリ等の条件、コストもかかることが多いうえ、ドラグーンのカウンター効果をチェーンされるため無駄骨になりやすいです。

「なに、強いことが書いてあるのなら、裏返してしまえばいいじゃないか」

ジョ、ジョー〇ター卿!!??

そう、「対象を取らない表示形式変更」ならば、発動条件もなく手札1枚消費で済ませることが可能です。これが可能な魔法カードは、《アースクエイク》(表側守備)《皆既日蝕の書》《闇の護封剣》が該当します。(闇護封は試合中に裁定変わるかもしれんが)

特筆すべきは《皆既日食の書》です。これは他の2枚と違い速攻魔法、スペルスピード2であることから、ドラグーンの発動無効効果にチェーンすることが可能です。

ドラグーンを守備にすることで、発動無効効果を通しても守備力は変化しないため、攻撃力2500を超えるモンスターで戦闘破壊に持ち込むことが出来ます。また裏側にすることで対象耐性及び効果破壊耐性付与の永続効果も外れるため、あらゆる手段での除去が可能となります。未だに準制限ですが《ダイナレスラー・パンクラトプス》での戦闘、効果破壊両方に対応します。

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裏にしちまえばこっちのもんだぜ!

このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、このカードは手札から特殊召喚できる。②:自分フィールドの「ダイナレスラー」モンスター1体をリリースし、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。この効果は相手ターンでも発動できる。

また、《皆既日蝕の書》の相手ドローデメリットに関しても、ドラグーン使用側からすれば《真紅眼融合》の誓約上ドラグーン単騎の盤面になりやすく、アナコンダを経由したところでアナコンダはリンクなので裏守備にならず、ドラグーンさえ処理してしまえば1枚も引かせずに番を終わらせることが出来ます。11年前に刷られたカードがこんなとこでピンポイントメタになると誰が想像したか…。

ただし、裏向きにする際、ドラグーンのカウンター効果は名称ターン1ではなく1ターンに1度という点には気を付けましょう。

例えば、カウンター効果にチェーンして《皆既日蝕の書》を発動し裏守備にしたドラグーンに打点が2500以下の光属性で戦闘し、ダメージ計算前に《オネスト》を打っても、その時点でドラグーンは表向きになっているので、再度カウンター効果を発動されてしまいます。

ジョー〇ター卿になって対応しても、3部のDI〇並みにしぶといので油断しないようにしましょう。

対策カードNo.6《百万喰らいのグラットン》

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このカードは通常召喚できない。自分の手札・フィールド・EXデッキからカード5枚以上を裏側表示で除外した場合のみ特殊召喚できる。①:このカードの攻撃力・守備力は、裏側表示で除外されているカードの数×100アップする。②:このカードはモンスターゾーンに存在する限り、リリースできず、融合・S・X召喚の素材にもできない。③:1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。その相手モンスターを裏側表示で除外する。

エクストラに頼らなければ気軽に3枚採用できるカード。効果を一回打たせる前提ですが、対象を取らない裏側除外により、蘇生を封じることが出来ます。エクストラ消費は荒くなりますが名称ターン1でないので2体並べてゴリ押してもよさそうです。

対策カードNo.6.5《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》

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かっこいい絵違い欲しい…欲しくない?

「サラマングレイト」モンスター+リンクモンスター
①:このカードが融合召喚に成功した場合に発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、素材としたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値の半分だけアップする。②:このカードが元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に1度、発動できる。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ倍になる。③:「転生炎獣ヴァイオレットキマイラ」を素材として融合召喚したこのカードと戦闘を行うモンスターの攻撃力はダメージ計算時のみ0になる。

これは決して汎用ではありませんが、僕のサラマンデッキのエースモンスターなので紹介したいだけです。皆さんこのカードをサラマン対策の超融合用で出すモンスター扱い(今だとアースゴーレムの方が主流?)してるかもしれませんが、こいつはこいつで合わせるカードと合わせればワンパンでゲームエンド級の性能を持ってるんですよ!!??

まあその話は使用デッキ紹介として次回か次々回あたりにでも

じゃあこいつをどうやって出すのか?決まってるだろこっちもアナコンダだよ。

手札にサラマン1体いればフュージョンオブファイア落としてアナコンダと融合してこいつになれます。

アナコンダの攻撃力は500なので①の効果で確実に3000打点を超えられます。

①の効果発動にドラグーンのカウンター効果を打ってくる可能性もありますが、サラマンは展開上99%墓地に《転生炎獣ベイルリンクス》が落ちます。

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サラマンのストラク2箱買った時、こいつのシク売ったら一箱分返ってきた思い出

レベル4以下のサイバース族モンスター1体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「転生炎獣の聖域」1枚を手札に加える。②:自分フィールドの「サラマングレイト」カードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる。

キマイラの①効果は無効になりますが、破壊はベイルリンクスを除外することで免れます。そうすると打点は2800のままですが、キマイラの②の効果により、ドラグーンはカウンターを打つと必ず打点が上がっているため、打点は2倍で5600になり上から殴り殺せます。カウンター2回までなら素の打点で足ります。また、先述の方法で守備表示にした場合も、素の打点で戦闘破壊できます。

注意点としてはダメステまでにカウンターを打たせておかないと、ダメージ計算時の打点倍化を止められるので何としても打たせる必要があります。

こうして考えるとドラグーンメタ最強候補ってキマイラでは?

ここまで書いててどうして負けたのか、プレイングの浅さで泣きそうになります。

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出される前に手を打とう

と、ここまで「相手にドラグーンを出された場合の対処方法」について論じてきました。表示形式変更等も含めればもっと多くのカードが該当しますが、ほとんどのデッキに入りやすく返しのターンですぐ打てるカードを厳選しました。

遊戯王はサイドチェンジがあるため、1戦取られても対策を徹底すれば2本取り返すことも不可能ではありません。

ここからは、自分先攻の場合に使う、あるいは伏せておくことでドラグーンを出させないようにするカードを紹介します。

 

対策カードNo.7《禁止令》

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できればストラクで再録されたのを使うのが望ましい

カード名を1つ宣言してこのカードを発動できる。①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、宣言されたカード名を元々のカード名とするお互いのカードに以下を適用する(この効果の適用前からフィールドに存在するカードには適用されない)。
●フィールドに出す事ができない。
●カードの発動及び効果の発動と適用ができない。
●通常召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
●攻撃及び表示形式の変更ができない。
●素材を必要とする特殊召喚のための素材にできない。

こいつを使うときの注意点はたった一つ。カード名をちゃんと覚えておくことです。

 

僕は一応サラマン使いなので、《原始生命態ニビル》対策としてこのカードを入れていました。先ほどの【トリスタドラグーン】との対戦2戦目で、ウルフにロアー、守備バグースカと最高の盤面を作れる手札の上、《禁止令》までありました。

僕はさらに先月の公認大会で、似たような最高の盤面を1ターン目で作り上げたところ、【トリックスター】相手にニビルで更地にされたことがあります。

その記憶が蘇り、僕は召喚4回目で手を止めて禁止令発動。

宣言、《原始生命態ニビル》

結果、ドラグーン立てられて負けました。

対戦後、「あの時ニビル握ってました…?」と聞くと

「無かったです」

ドラグーン宣言してたら勝ってたかもしれねえぇー!!!!

とはいえ自分も他のプレイミスがあったりしたので一概にそれだけが原因ではないのですが。

《禁止令》はドラグーンに限らず、環境のデッキを熟知してさえすれば、サイド2戦目以降相手デッキのキーカードを止められるので、下手すれば《抹殺の指名者》以上に強力なメタカードになりえます。

というわけで《禁止令》でドラグーンを止める人は

「ちょうまどう りゅうきし-どらぐーん おぶ れっどあいず」

の読みをちゃんと覚えておきましょう。

なお、アナコンダ宣言では手札からの《真紅眼融合》に対応できず、《真紅眼融合》宣言ではアナコンダ効果に対応できません。《真紅眼の黒龍》宣言でもデッキ融合は許してしまうので必ずドラグーン宣言にしましょう。

(ちなみに、《真紅眼融合》で出したモンスターは《真紅眼の黒龍》扱いになりますが、ドラグーンを宣言していればそもそもドラグーンの融合召喚自体ができないので《真紅眼融合》の発動及び効果適用ができない、という裁定を12/29に事務局に確認しました。)

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対策カードNo.8《大捕り物》

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①:相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターのコントロールを得る。そのモンスターは自分フィールドに存在する場合、攻撃できず、効果を発動できない。そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される。

環境デッキのサイド常連の一角です。ドラグーンに対しては対象耐性があるため効きませんが、アナコンダ着地時にアナコンダを奪うことでデッキ真紅眼融合を阻止できます。

精神操作が1月から準制限になるので、こいつにもそのうち規制がかかるのではないかとも思いますが、アナコンダドラグーンのことを考えるとしないで欲しいですね。

 

対策カードNo.9《No.41 泥酔魔獣バグースカ》&《混沌の戦士 カオス・ソルジャー》

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これになりたい

レベル4モンスター×2
このカードのコントローラーは、自分スタンバイフェイズ毎にこのカードのX素材を1つ取り除く。取り除けない場合、このカードを破壊する。①:攻撃表示のこのカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。②:このカードがモンスターゾーンに守備表示で存在する限り、フィールドの表側表示モンスターは守備表示になり、フィールドの守備表示モンスターが発動した効果は無効化される。

ランク4を立てられるデッキなら入れ得なカードです。強制守備表示と効果無効は永続なので、立てられた後でも発動を介しませんが、レベル4を2体並べるのを止められないように先に出しておく方が牽制になるでしょう。ドラグーンは融合モンスターなので問答無用で守備になりカウンター効果も使えず、守備2500を晒します。とはいえ、永続効果は適用されるので、効果破壊でなく戦闘破壊を狙っていくことになります。パンクラを出しても 一緒に寝てしまうので、攻撃力の高いリンクで殴るのがいいでしょう。

おすすめのリンクはやはりバグースカと非同名2体で出せる《混沌の戦士 カオス・ソルジャー》でしょうか。

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「ブラマジはリンクになれないが俺はなれたぞ!」

カード名が異なるモンスター3体
①:レベル7以上のモンスターを素材としてリンク召喚したこのカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。②:このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、以下の効果から1つを選択して発動できる。●このカードの攻撃力は1500アップする。●このカードは次の自分ターンのバトルフェイズ中に2回攻撃できる。●フィールドのカード1枚を選んで除外する。

効果発動なしで殴って除去でき、また状況に応じて追加効果も発動できます。

対策カードNo.10《ブラック・ガーデン》&《強者の苦痛
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筆者は閃刀対策で本気で黒庭を入れたことがある―46へぇ―

①:「ブラック・ガーデン」の効果以外でモンスターが表側表示で召喚・特殊召喚される度に発動する。そのモンスターの攻撃力を半分にする。その後、そのコントローラーは、相手のフィールドに「ローズ・トークン」(植物族・闇・星2・攻/守800)1体を攻撃表示で特殊召喚する。②:フィールドの全ての植物族モンスターの攻撃力の合計と同じ攻撃力を持つ、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。このカード及びフィールドの植物族モンスターを全て破壊する。全て破壊した場合、対象のモンスターを特殊召喚する。

 

①:相手フィールドのモンスターの攻撃力は、そのモンスターのレベル×100ダウンする。

これも禁止令と同じように先張り系になります。《強者の苦痛》適用下ではレベル8のドラグーンの打点は2200まで弱体化するので、攻守問わずパンクラで殴り倒せます。

黒庭は先述のドラグーンにボコされた日に帰りの電車の中で思いつきました。張っておけば、アナコンダからのドラグーンでこちらには攻800のトークンが3体(ドラグーン着地時にはアナコンダの誓約が働くためトークンは生成されないが攻半減は適用される)、ヴォルカ効果とダイレクト全部食らっても総ダメージ2550、手札から真紅眼融合なら総ダメ1500、返しのターンにサラマンで黒庭を剥がしてキマイラで殴れば4000以上のダメージを期待できる!!という【黒庭転生】というデッキを思いつきましたが安定しなさそうなので諦めました。サラマンに黒庭ラインいなさすぎ。

 

対策カードNo.11《浮幽さくら》

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うさぎは男説があるみたいだが、さくらに竿がついてても私は一向にかまわんッッ!!

このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、このカードを手札から捨てて発動できる。自分のEXデッキのカード1枚を選んでお互いに確認する。その後、相手のEXデッキを確認し、選んだカードの同名カードがある場合、その相手の同名カードを全て除外する。この効果は相手ターンでも発動できる。

展開系でない、メタビ系のデッキに採用しやすいカード。

とはいえ3枚積みすると、2枚目以降が腐ることもあるので採用枚数に気を付けたいですね。余ったらシンクロ素材やハリの素材にしてしまってもいいでしょう。今度の年明け再録弾で新規絵込みで収録されるみたいですし、絵柄的にも持っておきたいですね。

ただ、このカードの為にドラグーン採用するくらいなら、助平心でドラグーンを出せるギミックを搭載してもいい気がします。そしてドラグーン狩りがドラグーン使いへ…。

対策カードNo.12《神の通告》

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①:1500LPを払って以下の効果を発動できる。
●モンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。
●自分または相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。

いまや3枚積みできる神告シリーズでドラグーン対策に最も適しているのは通告でしょう。アナコンダの発動に打ってもよし、手札の《真紅眼融合》から出たドラグーンの効果にチェーンするもよし(無効にできるのは発動した効果のみで永続は無効にならないので破壊できません。どうしても通したい効果があるときやバーンを1500以内に留めたい時には有用です。1/2追記)。スペルスピード3なのでモンスターのカウンターも効きません。ドラグーン以外でも広い効果モンスターメタとして機能します。

ただし、フリーチェーン以外の罠については《トリックスター・ライトステージ》の効果で発動を封じられる危険があるので、一枚伏せて安心するのは禁物です。

(以下20/1/7追記)

対策カードNo.13《守護神官マハード》

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わがしもべ

遊戯のエースモンスターが闇落ちしたかのような性能になってしまった今、奴を救えるのは彼しかいません(過言)。そう、ブラック・マジシャンの原点《守護神官マハード》です。闇属性と戦闘する場合に打点が倍になる永続効果なので、カウンター効果2回までなら戦闘破壊に持ち込めます。

ドローした時、自身の効果で特殊召喚…と行きたいところですが、この特殊召喚発動を伴うため、ここにカウンターを打たれると普通に返り討ちに合います。一応、破壊されると場所を問わずに後続《ブラック・マジシャン》を呼び出せる効果もありますが、そのためにブラマジを採用するのは事故の危険をはらむためブラマジデッキ以外ではオススメできません。「あわよくば一枚で処理できるマストカウンター枠」としての採用が丁度いいと思います。

2体のリリースが必要なアドバンス召喚と考えるとやや重く感じますが、最近の「展開力と引き換えにEX展開を縛る・効果の発動を縛る」カテゴリなら意外と出せたりします。

マハードをドローしたときに「来いッ!我が僕、マハード!」と遊戯さんのモノマネをすることで、ドラグーン使いの対戦相手が乗ってくれれば、カウンターを打たれずに出すことも出来るような気がします。

ちなみに「ドローした時、~発動できる。」なので、「○枚ドローし、△枚捨てる。」などの、ドロー後に他の処理を挟む効果では発動タイミングを逃すので注意しましょう。9期初出のカードでタイミングを逃すって結構珍しいですよね。

劇場版の特典カードでしたが昨年の豪華再録パックに収録されたため、比較的安価に購入できるはずです。

強大な力を得過ぎたモンスターを、その始まりとなるモンスターが討つって、個人的にはなんかエモいですね。

(追記ここまで)

一度処理したくらいで安心するな!!

「やったぞ…ドラグーンを倒した…!」

様々な対策を施せば、ドラグーンを墓地送りにすること自体は意外と乗り越えられるハードルである。

だが、一度処理した程度で安心しきってはいけない。

筆者の負けパターンの一つを記しておく。

それが、相手墓地の《真紅眼の飛龍》見落としによる逆転負けである。

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前述のとおり、相手のデッキはトリックスターであったが、《レッドアイズ・インサイト》も用いて手札に積極的に《真紅眼融合》を引き入れていくタイプであった。そのインサイトの発動コストとして落としたのがワイバーンであったが、俺はこいつを「ははあ、融合素材にした黒龍をいざという時に壁にする気だな」と高を括る。

そして立てられるドラグーン。苦しみながらも、何とかドラグーンを倒して番を返すことに成功する。だが、サラマングレイトを場に残していたことが災いし、相手のアナコンダから超融合によってアースゴーレムにされてしまう。

死に物狂いで手札のガゼル効果を起動させ緊急の壁に。落とすのはサラマンの蘇生を狙える永続魔法、転生炎獣の意志。このターンをしのげればまだチャンスはある…!

だが相手はガゼル蘇生によるさらなる墓地肥やしを警戒してか殴らずに番終了。

これならまだ勝てる!と思うのも束の間、スタンバイに《センサー万別》を発動される。やめろ、それはサラマンに効く。

いやまだだ、まだ相手の場にはアースゴーレムが一体、まだ耐えられる…!

だがまだ殴ってこない、自分の墓地にはフォクシーが要るため、ガゼルをどかすとフォクシーの効果によりセンサー万別を破壊しながら蘇生されることを恐れているのだ。

これなら先に魔法罠除去札を引ければ—

「エンドフェイズ、墓地のワイバーン効果、対象ドラグーンで」

えっ!!???

そうかワイバーンお前、蘇生できるの「レッドアイズ」カテゴリだったな。

その時の自分の手札には奇しくも《墓穴の指名者》が。

伏せてさえいればワイバーン効果にチェーンで対象不在にできたのに…!

こうして2戦目も敗北を喫したのである。

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これは完全にワイバーンの効果解釈ミスによるプレミオブザイヤー2019であった。

指名者、とりあえず伏せとけ

 

以上が、デッキ構築の上でのドラグーン対策になります。

ドラグーン搭載デッキにも「弱点」はあるッ!

 

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遊戯王動画史に残る名言(城下町デュエル リリースV・HERO VS 破械エーリアン より)

と、ここまで歴代遊戯王の中でも最強クラスのカード、ドラグーンを使ったデッキへの対策を語ってきました。

とはいえ、ドラグーン及びそれらを取り巻くカードも完璧ではありません。ドラグーンを使わずに勝つなら、その間隙を突く必要があります。

筆者は実際に対戦して負けましたが、以下に感じた弱点を記しておきたいと思います。

①.意外に手札の消費は荒い

ドラグーン自体は手札消費1枚~2枚で出せますが、カウンター効果を使うには手札が1枚必要となります。それも考慮すると実質毎ターン1枚の手札消費の維持コストを払っている、と考えて差し支えないでしょう。

つまり、ドラグーンを立てている以上、相手の勝ち筋はドラグーンに頼りっぱなしになりやすいという点です。

手札補充カードも《強欲で貪欲な壺》で素材を除外してしまうとドラグーンを出せなくなりますし、《強欲で金満な壺》ではドラグーンそのものが落ちる可能性があるため採用しにくく、ドローソースよりもサーチカードを多く入れている印象でした。それもあって、インサイトワイバーンといったレッドアイズサポート寄りの構築になっていたのかもしれません。

また、そうした点から見ても手札誘発を打たれた回数も少なく、2戦を通して1回サンライトウルフにさくらを打たれた程度(致命傷)でした。

今になって考えると、ニビルとも相性が悪いような気がします。相手場のトークンを破壊して大ダメージを与えられれば強いですが、盤面にドラグーンと手札にニビル1枚となると、ニビルを捨てると大量展開を許しかねませんし、ニビルで一掃するとドラグーンもリリースされてしまい制圧力が弱まってしまいます。

「手札1枚と引き換えにカウンターをする」という性質上、手札誘発はあってもうらら増Gヴェーラーあたりであまり多くは積んでないと考えていいかもしれません。

②.事故のリスクもある。

真紅眼融合による手札・デッキ融合を狙う以上、デッキにブラック・マジシャンと真紅眼の黒龍は必須となります。そうなれば必然、素材を素引きしてしまう可能性もあります。

レッドアイズに寄せれば黒龍は複数積みしても良さそうですが、ブラマジ複数採用は事故のリスクが高まるため1枚に抑えておきたいところでしょう。

ドラグーンデッキにとって一番厳しいのが、素材が手札に来てしまうことでしょう。レベル7である以上壁にもできず、手札コストとして切ってしまうとドラグーンの融合も狙えなくなるため、残さざるを得なくなります。

(余談ですが、先日出場した大会にて、【月光】にアナコンダドラグーンを出張していたと思しきデッキの対戦を観戦していたのですが、初手に黒龍とブラマジ、真紅眼融合なしという初手現場を確認しています。その後《センサー万別》によって複数展開を封じられてドラグーンを出せないまま終わっていました。)

③.神系カウンター罠は相性が悪い

やはりアナコンダによる2000のライフコスト、ドラグーン単騎になりやすいことから盤面を崩し展開されるとライフレースで負けやすいという点からもライフコストを必要とするカードは相性が悪いように思えます。

逆にいえば、上述のキマイラなどで序盤に6000以上のダメージを与えライフを2000以下にすることで、アナコンダによる融合を封じることもできます。

 3.終わりに―Welcome to this crazy time このイカれた時代へようこそ―

最後にお話しするのが、このドラグーン周りが次回の改訂で規制されるかどうかという点です。

そもそも次回改訂の時点で新たなマスタールールに切り替わるため、大幅な制限の見直しが予想されます。

それとは無関係に、あまりにもこれからの3か月で著しい結果を残してしまった場合、規制がかかることは十二分に考えられます。

僕自身アナコンダドラグーンを組もうと思わないのは短い間しか使えないだろうと構えているからです。

とはいえ規制するとなった場合どこを封じるでしょうか。主要パーツのアナコンダ、ドラグーンは4月時点で登場から半年も経たないのでまだノータッチでしょう。

おそらくはコンボの中核を担う《真紅眼融合》《レッドアイズ・インサイト》あたりが制限・禁止までいってもおかしくないと思います。

また、KONMAI恒例のオモシロ改訂的にはトリックスターとの混合構築に目を付け、《トリックスター・キャンディナ》《トリックスター・ライトステージ》を制限に縛るといったことも考えられます。実際、原因は異なりますがTCGではライトステージは7月から制限に指定されています。

 

ここからやや余談

先日、遊戯王OCGの競合相手デュエル・マスターズにおいて、1月から「BAKUOOON・ミッツァイル」というカードが殿堂入り(=デッキに1枚しか入れられない)になると発表されたのは記憶に新しいかと思われます。

デュエマに全く疎い自分の耳にも入ってくるほど強いそのカードは、「出せば勝ち」「ミッツァイルにはミッツァイル」「ミッツァイル・マスターズ」とも揶揄されました。

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明らかに「悪いことするゼ」って顔してるよね

自分の中では必要悪的な存在としてハリファイバーと重ねていましたが、今となっては完全にドラグーンで塗り替えられてしまいました。遊戯王を楽しむプレイヤーとしても、「ドラグーン出せば勝ち」「ドラグーンにはドラグーン」「遊戯王OCGドラグーンモンスターズ」となってほしくはありません。

これからもプレイヤーみんながルールを守って楽しくデュエルできるOCGであってくれることを、僕は期待しています。

ラッシュデュエルには、正直あまり期待していませんが、アニメは見ておこうと思います。

では、長くなりましたが今回はこのあたりで。

夢見りあむは諸刃の剣なのか?

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はじめに

どうもお久しぶりです。二郎です。

前回は遊戯王でハリファイバーについて記事を書きました。あのあとカドショで箱買いしたら見事ハリを当てるのに成功。書いたら出る。

そんなことより今回はアイマスについてのお話です。本当は遊戯王についても語りたいことがわんさかあるのですが、「遊戯とアイマス記事を交互に書く」というマイルールを自分で作って自縛しているので書けていません。契約破棄も視野です。

今回の主題はシンデレラガールズ、いわゆるデレマスについてのお話です。

ええ、お察しのとおり「お気持ち」です。

夢見りあむにソロ曲がくることに関してです。

1.薪の上のシンデレラ

まず夢見りあむについて情報をまとめます。

夢見りあむは2018年のシンデレラ6thライブ千秋楽にて発表された、桐生つかさ以来4年ぶりに実装されることとなった新規アイドル7人組の一人です。

山形出身で都会の流行を勘違いしている辻野あかり、ゲーム配信者ながらファッション性のある砂塚あきらに続いて登場した彼女のキャラはドルオタ炎上しやすいゆとり世代あと巨乳。今ならピンク髪謎センスTシャツもついてくる

ヤバい要素トッピング全盛りかよ…おなか壊しそう(小並感)

ビジュアル的にもキャラ的にも特徴的な彼女は、見事にオタクたちの心をつかむことに成功。

そして迎えた第8回シンデレラガールズ総選挙、未央Pと加蓮Pの激しい札束バトルが繰り広げられる中…夢見りあむは全体3位属性2位という好成績を残します。

(なぜりあむが3位にまで上り詰めたのか?の考察は本記事の主題からずれるので別の機会にしようかと。)

そして彼女はデレマス総選挙上位入選者の恩恵たる上位曲及びボイス実装が確約されました。

ここまで書いてて情報確認のためにpixiv大百科記事と照らし合わせてるんですが、そもそも公式が今までの総選挙結果を残してくれていないって相当な欠陥だと思いました。

また、彼女が3位に選ばれた際のセリフも衝撃的で、今までの総選挙に関わったユーザー全員を敵に回しかねない攻めた内容でした。ちょっと書くのもはばかられるので見たい方はご自分でどうぞ。

とはいえ彼女の「誤解されやすく燃えやすい」(ソフト・アンド・ウェットやわらかく、そして濡れている

っぽい)というキャラクターからすれば、こうした形になるのは頷ける。いや頷くしかないでしょう。

ここまで書いてきましたが僕としてはりあむは嫌いではありません。むしろ好きな方です。何より他マスにおける亜利沙、みのりさん、三峰のようなドルオタキャラがようやく来たか!と小躍りしてましたからね。(久川姉妹といい7th新規組はシャニにキャラ要素負けしないよう設定された可能性が…?)

そして先日、7thライブ名古屋公演が取り行われ、日本を代表するDJアーティスト、DJ KOO氏のサプライズ登場もあり大成功に終わります。そして発表された二日目の新情報では…

早坂美玲藤原肇夢見りあむのソロ曲がCINDERELLA MASTERに収録決定!

やってくれたな、おい

2.シンデレラ一週目ソロ曲出すの遅すぎ問題

正確には「遅くなった」が正しいですが。

シンデレラガールズにおける一週目ソロ曲は大きく二つに分類できます。

それはCINDERELLA MASTER(以下CM)と呼ばれるシリーズに収録されるかかです。

先に否の方についてさっと説明すると、アニデレの劇中曲を収録したCDに収録されたもの、漫画形式のメディアの単行本特典CDに収録されたものが該当します。

実はこの時点でかなり明確な差があります。それはボイスドラマ「目指せ!シンデレラNO.1!」の有無です。これはアイドルがラジオ番組で様々なお題に挑戦していく、というものでCM第9弾までは収録されているアイドルのみの登場となり、担当声優さんの演技力をじっくり堪能できる出来となっています。

一応漫画特典CDには曲だけでなくボイスドラマが収録されていることがあるので、「目指せ!~」の埋め合わせと見ることもできます。

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(°人°)<えっ、じゃあ木村夏樹さんはどこでボイドラ聞けますか…?

そう、現在なつきちだけはアニデレの劇中歌CDにソロが収録されたため、「目指せ!~」やその代替となるボイドラが一切無いのである。

なんてことだ、CMの説明に入る前に既にこんな格差に触れちまうなんて…

 

CMの説明に移る。CMもさらに3つに分けられる。だがあくまでこれは僕自身が考察の為に共通項を見出して分割したものであるため、公式的に定義されたものではない。

CM初期(1弾~6弾):2012年4月~2014年4月 約2年で計30曲

初期ボイス実装組、アニデレを見ているならストーリーの主要アイドルというと分かりやすい。約4~5か月に一度、5枚をリリースしていた。

CM中期(7弾~9弾):2015年2月~2016年3月 約1年で計15曲

総選挙及びボイスオーディションでボイス獲得組。アニデレ放映とほぼ同時期にリリースされ、ほとんどがアニメに出演。期間は短いがペースは初期とほぼ変わらず。

CM現代期(10弾~13弾):2017年3月~2020年春 約3年で計12曲

この頃から何かがおかしくなり始めた。

13弾の詳しい発売時期は未定だが、3年かけて初期・中期ペースの3分の1にも満たないスピードである。それも約13か月に一度という驚異的な遅さで。

また、中期までは5枚がそれぞれ単独のCDとして発売されていたが、この頃から3枚1セットの形式を取り始める。(バーターというほかない)

恐ろしいことに、近年ではこの「一年にCM3枚」が定着しつつあるのだ。

また、デレマスのアイドルがキュート、クール、パッションに分けられる都合上、それぞれに一枚ずつという絶望である。

おかしいだろ

なぜなのか

まず、CM中期とCM現代期の間には約1年間のブランクが存在する。

もちろん運営も日本コロムビアも油を売っていたわけではない。この時期はまさにデレステユニット曲黎明期である。

Tulipに純情Midnight伝説、サマカニにハイファイと、今なおセトリを盛り上げる「強い」曲を収録したSTARLIGHT MASTER(以下SM)を矢継ぎ早に生み出していた。

さらには既にCM中期までにソロを持っているアイドルの2周目ソロまで含めるという太っ腹っぷり。

さて、そうして躍進するデレステであるが、ゲーム内イベントの曲の制作ペースははっきりいって異常であった。

イベントは約1週間+数日。一ヶ月でアタポン→LIVE GROOVE→LIVE PARTY or キャラバンとサイクルすることを考えても1ヶ月で2曲は出していた。

だが、CDの発売ペースは1ヶ月に1枚、収録できるイベント曲は一曲のみ。そうなると必然的にラグが生じる。とはいえ発売されるSMはかなり好評で、オリコンランキング10位以内入りは日常的な光景となった。

 

(ここからは多分に僕の妄想部分を含みます。)

 

そこでデレ運営もここぞとばかりにCMを出そうと躍起になったに違いない。

だが、コロムビアからは「SMも毎月出すんだからCM枠減らして。あと一本化すればチャート入りやすいから3枚1セットにしようね^^」

「ぐっ…苦しい条件だが…飲むしかあるまい…」(大槻班長)

コロムビアは完全オタク向けのLantisと違い、JPOPから演歌まで幅広いジャンルを取りそろえるレーベルである。シンデレラ以外にもCD販売のリソースを割かねばならない、というよりシンデレラに割けるリソースが限定されているのだ。

コロムビアの思惑通り、3枚1セットのCM10弾はオリコン3位というCM最高順位を記録する。

しかし、そんなデレ運営&コロムビアを待ち受けていたのは意外な競合であった。

最大の敵は己自身。自分の弱点は自身が一番分かっている。イメージするのは常に最強の自分。

目には目を。歯には歯を。アイマスにはアイマスを。

そう、2017年春からアイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ、通称ミリシタが配信されたのである。

とはいえ当時のミリシタはデレステに比べると荒い作りや実装曲数の少なさ(というかデレステのペースが化け物)が影響し現在ほどの高い評価を受けていなかった。

とはいえミリシタ側にも強みがあった。

それは「実装曲数では負けているが、ストック曲数では勝っている」という点。

ミリオンはシンデレラから1年遅れでスタートし、2年遅れでリズムゲーの配信にこぎつけた。だが、シンデレラ以上にコンスタントにCDを発売しており、多数のユニット曲だけでなく全アイドルにソロを2曲持っている状態を作り上げている。

夏にはミリシタ新規アイドルのソロ曲を含めた3週目ソロシリーズM@STER SPARKLEの制作・販売が開始。MS1はオリコン最高2位を記録する。

ローリング△さんかくが入ってるならそりゃあ強いわ

その後もミリシタ初のユニット曲が収録されたCDもランキング入りするなど、勢いを強めていく。

そして、ミリシタ配信後初となる周年ライブでは、2日間で参加できなかった1名を除く38人が全員新ソロ曲を披露。また、当時まだCD未発売であったイベント曲をライブ前に音楽サイトで配信し、オタクたちのライブ前予習の手助けもしていた。

デレのソロに関してはさかさに振っても仕方がないが、新曲のライブ前配信は新イベント曲が出てもCD発売が1年以上先という状況下でCD未発売曲をセトリに並べるデレとは一線を画していた。のちにこのライブ前曲配信はデレも行うこととなる。(溜まってんなぁオイ)

いくら大本が同じバンナムとはいえ、スポンサー兼パブリッシャーたるCDレーベルが違う以上デレも対策を打ち出すことになった。刷新したCMも売れてはいるが、10弾11弾12弾でオリコン最高3位→4位→6位とまさかの346ミラクを起こしてしまう。

今こそ、CM枠を増やしてくれ、コロムビア...

「ユニット曲ばんばん増やそう。あと新規層も入れるように新アイドルな^^」

ぐっ…苦しい条件だが(以下略

こうして2019年から新アイドル7人と共にデレステでLIVE CARNIVALが開始。アタポン、GROOVE、PARADE、CARNIVALと新曲用イベント4積みというポケカDMもびっくりなリズムゲーが出来上がり、CMは相も変わらず3枠なのであった。

一応、2017年にデレはSEASONSという四季を主題に据えたユニット曲CDシリーズも出しているが、その季節縛りが仇となりイベント曲においそれと起用できないというジレンマに陥っている。とんでいっちゃいたいのイベはまだですか?

3.「今でしょ!」…本当に今なのか?

さて、前項ではCDという観点からシンデレラを追ってきたが本題に戻る。

夢見りあむのソロ決定についてだ。

シンデレラガールズの声付きアイドルは前項でも少しふれたように、「初期ボイス組」と「中期組」「それ以降」に分かれる。

だが、それ以外の声付きで、ソロの無いアイドルも多く存在している。

4年前にアニデレに声と共に出演しているにもかかわらず、ソロの無いキャラが10数名。

何もアニメだけが基準ではない。初期ボイス組以外で、サービス開始当初から応援され続け、やっとの思いで声を手に入れたアイドルも多くいる。

「3位だからソロを得るのは当然」という声も勿論知っている。分かっている。だが一度総選挙について考え直してもらいたい。

総選挙結果で約束されているのはあくまでボイスと、上位によるユニット曲活躍の機会増加である。ソロが必ず付くとはどこにも書いてない。

活躍の機会増加にソロ曲も入るって?なら第6回で3位だった藤原肇ちゃんは今回2年越しにソロが来て、第7回で僅差で4位の鷹富士茄子さんにはつけない?

やや一人で熱くなってしまったので、夢見りあむにソロを付けようとする理由についても触れておく。

言うまでもないが、が付き炎上話題になるためだ。

炎上してもいい。だって、そういうキャラだから。

今まさに、僕がこの記事にしているように。

確かに話題性を狙うならこれほど絶好のタイミングは無い。

コロムビアもサイ(コパス)ゲームスもバンナムも資本主義の中で生きる企業だ。利潤追求への余念がない。

顧客の信用に関する話をしても「嫌ならやめればいい」の一言で済まされそうなので避けるが、

りあむを炎上させるには少なくとも燃料、すなわち「他に付くかもしれなかったPaアイドルのソロ曲」が必要なのだ。

雫ちゃん、鈴帆しゃん、あやめ殿、笑美ちゃん、薫ちゃん、その他にも声付きソロ無しPaアイドルを薪として燃えている。

だがそうして得た利益は果たして持続しうるだろうか?

りあむを燃やして得るものも多いが、りあむを燃やすために失うものも少なくないのでは?

僕の予想する未来は二通りである。

 

1つは、りあむを燃やすための燃料を属性関係なく運び込み、飽きられればより過激に燃やしていく「パチパチどこまでもエスカレート」タイプ

2つ目は、りあむが飽きられたと察するや否や、次のアイドルへとシフトしていくタイプ

 

 どちらにせよって感じだ。

記事タイトルを回収したい。夢見りあむは「諸刃の剣」なんて代物じゃない。

このままだと「諸刃で付け焼き刃の剣」だ。

 

4.それでもソロはやってくる

とはいえ今回の名古屋公演では嬉しい知らせもあった。

1日目で発表された佐々木千枝のソロ曲が漫画U149特典CDに収録されることが決まったことだ。

今後、拓海やふじりなのように漫画特典でソロを出す方向に向いていく、それは素晴らしい…がよくよく思い直してみよう。

現在シンデレラガールズでCD特典がつけられている漫画コンテンツはWWD、U149、After20の3種。うちWWDは連載終了しているためCD特典を付けられるのは残り2種。単行本発刊ペースを見るにそれぞれ年に2冊といったところか。

もしこれからの特典CD全てにソロを付けたとして、年6~7曲ずつ増えていく?

否、漫画にはそれぞれ「ニーズ」がある。U149に兵藤レナさんのソロを付けても、After20に遊佐こずえのソロをつけては意味がない。まあこれはそっくり交換すれば問題なさそうだが。

それを考慮すると、漫画展開の仕方があまりにも両極端すぎるのだ。

ご存じのとおりシンデレラのアイドルを「身長149㎝以下」「二十歳以上」の括りで覆いきることは出来ない。

そう、シンデレラはキャラ数に対して圧倒的にコンテンツ不足なのだ。

ぶっちゃけニーズの異なる漫画作品を倍に増やしても覆いきれるか、というところである。

また漫画だけに頼る必要はない。今はメディア飽食の時代だ。動画配信サービスでの展開もいいだろう。現に、spinoffなんかはそれだ。(某ウマゲーなんかゲーム配信されてないのにVtuberでギリ耐えてたりするぞ)

ここで辿り着くのが「ぶっちゃけコラボに割いてる余裕なくね?」

名古屋公演終了後、twitter上ではDJ KOO氏のサプライズ登場を手放しで喜ぶ様が多く見られた。その後、波が引くように散見されたのが「DJ KOOを呼ぶなら他の子の出番増やしたら」という意見だ。

もちろん後者は盛り上がったライブを見ていない在宅勢を中心に発生したもので、「DJ KOO氏の出番はあくまで演者の着替え時間中であった」との報告により、再度twitterアイマス最KOOの波に揺られた。

 

これを踏まえて僕からはこう言いたい。

「1回のライブにDJ KOO氏が来て盛り上げるのと、漫画コンテンツ増やしてソロ曲放出の機会が増えるの、どっちがいい?」

「あとCM(コマーシャル)に起用された山下真司の立場は?」

 

もちろんライブ演出にかかるお金とコンテンツにかけるお金がダイレクトにつながっているわけではないのも承知だ。

だが、りあむもKOO氏も、その場限りの付け焼刃に思えてならないのが本音だ。

 

5.最後に-Last Kiss-

ここまで付き合ってくれたオタクいるかー?えらいぞー。

ずっとタラタラと書いてきたがアイマスを、デレマスをやめるつもりは毛頭ない。まだ俺の推しは薪になってないからな。

あとほんのささやかなお願いとして、りあむにソロが来るからって、ソロが来ないと嘆く人を煽るのはやめてくれ。

そういうの吐き出してる人見たら、黙って見守るか、見ていられなかったらリムーブでもブロックでもしてくれた方がいいじゃない。わざわざ吐いてる人の側行ってストロングゼロ飲むなんて、趣味悪いよ。

 

じゃ、今日はこの辺で。