これ、通れば勝ちです

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【アニメ雑談】セレプロを救いたい【SELECTION PROJECT】

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お疲れ様です。二郎です。

 

社会に揉まれすぎて上司にメールを出すときの書き出しの癖がついてしまいましたが僕は元気です。

 

さて、今回の話題ですが。

2021年10月から放送中のアニメ「SELECTION PROJECT」通称「セレプロ」についてです。

セレプロはKADOKAWAが展開するメディアミックスプロジェクトの一つであり、アニメと同時にコミカライズもされています。

この記事を書いている10/18現在3話まで放送されていますが、

ぶっちゃけ味を感じそうで感じないびみょ~~~~~~~~~な展開です。

肉まんかあんまんかピザまんか分からない「まん」を3口くらい食べたけど、口がまだ中身に到達していない感覚です。

まあこれは完全オリジナルのキャラクターで展開される新規IPコンテンツのアニメであれば通って当たり前の道なんで仕方のないことなんですが、(それでも1話から面白いゾンビランドサガとかいうアニメはなんだったんだ)

なんとなく見ていて満足感より不満感、違和感の方が勝ってしまうのが現状です。

ここまで聞くと「ただのアンチ活動乙」みたいに思われそうですが、僕はむしろセレプロを応援していきたい派です。わざわざ叩いたりけなすためにアニメを見たりはしません。

その姿勢で見ていても、好きポイントよりも目についてしまう問題点の方が目立つというわけです。

まだこの「SELECTION PROJECT」というコンテンツを好きにも嫌いにもなっていない状態なので、できれば好きになりたいという姿勢で、今後の展開次第で手のひらはいつでもひっくり返す準備ができている状態です。

そんなセレプロの現状について

客観的に見てどういうところが不満なのか。

コンテンツそのものが抱える問題とは何か。

どうすれば生き残れるか。

この3つのポイントに分けて解説していこうと思います。

※セレプロ3話までのネタバレを含みますが、むしろ見ていない方に「こんな話だよ」ってのを伝えるために書いてるので気にしないでください。

不満点

・登場人物の行動原理がつかめない

ストーリーものとして一番致命的な部分です。

セレプロは「9人のトップアイドルを目指すヒロイン達が、オーディションリアリティショー「SELECTION PROJECT」で全国のファンたちからの投票によって勝ち残っていく姿を描く」という趣旨のアニメです。

 

もちろん視聴者は9人のヒロインがどういう理由、志をもってアイドルを目指すのか、どういった強みがあるのかをつかんでいく必要があります。

2話までの時点では、各ブロックのオーディション前の楽屋での振る舞いや、それぞれのヒロインが暮らしてきた実家などからの門出のシーンでそれらが描かれていますが、まだ「どの子がどの地方出身でこういう見た目の子」くらいの認識しか持てないと思います。

その中でも、1話2話で中心となるのが、メインヒロインである美山鈴音(CV:矢野妃菜喜)と、彼女が北関東ブロックで対決することになる来栖セイラ(CV:大西沙織)とのやり取りです。

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劇中での「SELECTION PROJECT」とは、北関東、南関東、近畿、四国、北海道、中国、東北、中部、九州・沖縄の9ブロックから予選で1名ずつ勝ち上がり、その9人で本選を行いアイドルデビューを目指す一連のオーディションを指すようです。

1話ではこの予選の部分が描かれています。

メインヒロインの鈴音以外の8人はそれぞれのブロックで勝ち上がりますが、鈴音は歌唱審査において途中で転倒してしまい歌声が途切れ、セイラに僅差で負けてしまいます。(それでもなんで僅差なんだ…)

最後、打ちひしがれながら鈴音が帰路を歩くシーンで1話が終わり

「え!?このあと主人公どうなんの!?!?」

となります。

続く2話、アイドルになる夢を絶たれた鈴音のもとに、セイラが現れます。

セイラは「自分は今までレッスンを受けてきたがオーディションには落ち続けてきた」という自身の境遇と、「鈴音が歌唱審査で転んでいなかったら鈴音が勝っていた」という旨の話をします。

ここまで見ると、「ああ、セイラもこれまで頑張ってきたんだな…」という気持ちになります。たぶん視聴者のほとんどは僕含めて鈴音よりセイラを応援していたのではないでしょうか。

 

その後、セイラはSELECTION PROJECT本選を辞退します。

北関東ブロック予選1位のセイラが辞退したことにより、繰り上げで2位の鈴音が本選出場となりました。

は?

は?

セイラお前あんだけ「オーディション落ちてきた報われない努力家」アピールしてきたくせに、なんで受かったオーディション蹴ったんだよ!?!??!?!?!?

 

オーディションで2位だった鈴音の方が歌唱では勝っており、急遽アメリカに留学して彼女に追いつこうとするため辞退するようです。ほーん。

でもオーディションで勝者を決めるのって出場してる本人たちじゃなくて、あくまでオーディションを見てる視聴者の方であって、「負けたと感じたから辞退する」ってのはなんか趣旨にそぐわない気がします。実際劇中でも「セイラに入れたのに」と落胆するファンの声があります。

その理由に納得するというより、「じゃあお前何しに来たんだよ」感が否めません。

 

という風に、1話のラストでハラハラさせて、2話でよく分からん思考回路をした1位が本選蹴って主人公が本選に出るという脳内ハテナだらけの展開です。

とまあ、上でセイラが何がしたいのか分からないオーディション引っ掻き回しに来たバカみたいに書いてますが、一番悪いのは構成・脚本だと思います。セイラは悪くない。

おそらく上の流れは、単に「主人公が1話で予選を突破しちゃったら面白みに欠ける」みたいな理由で、2話への「引き」を作るために書いたんだと思います。

事実、1話の終わり方は衝撃的だったんで「2話が早く見たい!」とはなりました。

2話は別ベクトルで衝撃的だったわけですが。

公式サイトのキャラ紹介のページに、9人のヒロインと並べて同格みたいな扱いをされている点から察するに、

おそらくセイラは鈴音に最後に立ちはだかる壁的なポジションとして再登場するのだと思います。

そのために最初のオーディションで鈴音とのドラマを作っておく必要があったのだと思いますが、「それにしてももう少しうまく作れただろ」と思ってしまいます。

オーディションに出れないレベルの怪我をしてしまったとか、不可抗力的な要因で本選辞退ならまだ分かるんです。海外留学はマジで意味分からん。サイコロ振って明日の予定決めてるんか?

・司会キャラの振る舞いが見ていて不快

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今のところこのアニメではプロデューサーやマネージャー的なキャラクターはおらず、番組の司会進行として「小野大輔の声でオネエ口調のパンダのぬいぐるみ」という要素満載のキャラがいます。

こいつが、もううざい。

このキャラクターに嫌悪感を抱く人は多そうですが、「好き」って人はマジで0人だと思います。

別にオネエ口調だから嫌いとかじゃないんです。アイドルを真剣に目指してるヒロイン達に対して挑発的であったり、煽ったりするところがシンプルに見てて不快なんです。

まあもちろん、あえて視聴者にそういった気にさせる方策なのかもしれませんが。度が過ぎると視聴継続率落ちちゃうよね、っていう話です。

一応劇中世界で放映されてる人気番組のMC、という立場上仕方ないんでしょうが、もう少し見ていて気持ちのいいキャラクターにできなかったのかなあと思います。

あと小野Dはもう少し仕事選んで。

問題点

・オタクにリアリティショーは受けるのか

公式サイトのイントロダクションにおいて、「全国アイドルオーディションリアリティショー」と銘打たれているように、この作品は「リアリティショー」を舞台としています。

おそらく2020年に若い世代で人気を博した「NiziU」をデビューさせた日韓のオーディション番組「Nizi Project」をモチーフにしていると思われます。

J.Y.パークのようなアクの強いキャラのプロデューサーが製作総指揮を取っていたこともあり、普段アイドル番組を見ない層も沸かせていました。

ただ、NiziProject自体は(ショー的な部分もありますが)オーディション番組という形式であり、そこまで「リアリティショー」ではありません。

実際、日本国内で「リアリティショー」というと「テラスハウス」、最近では「バチェラー」のような「恋愛リアリティショー」の方をイメージされがちです。

これらに関しては「リアリティショー」を謳っておきながら台本ありきであったり、テラスハウスに関しては痛ましい事件もあったりとあまりいいイメージを持たれることは無いです。

そもそも「リアリティショー」を「アニメ」でやるってどういうことやねん。リアルじゃないじゃん。

コンセプトそのものがかなり矛盾しています

とはいえこういった挑戦的なテーマのアニメは他に類を見ないうえ、こういったリアリティショーを見る客層と、アニメを見るオタク層というのはほとんど被らないため、今後どういった受け止め方をされるか、というのは注目していきたいと思っています。

 

・『IDOLY PRIDE』と設定被っちゃった問題

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3話まで見たところ、21年の1月~3月に放送された『IDOLY PRIDE』(以下アイプラ)と被ってしまった設定があります。

列挙すると

・主人公、鈴音が幼少期病弱であった。(アイプラのメインヒロインの一人、川咲さくらも病弱であった。しかも心臓系の疾患という点も一致)

(11/6追記 また、6話にて胸に手術痕があることが発覚。川咲さくらと同じ設定である。)

・作中での伝説のアイドル「天沢灯」が過去に交通事故により亡くなっている。(アイプラの伝説のアイドル、長瀬麻奈も交通事故により亡くなっている)

・鈴音とライバル関係になる花野井玲那が上記の伝説のアイドル、天沢灯の妹である。(アイプラのメインヒロインの一人、長瀬琴乃も長瀬麻奈の妹である)

 

数としてはそこまで多くは無いですが、物語の根幹に関わってきそうな重要な設定であるため、アイプラを見た人にとっては「似ている」と感じざるを得ません。

別に「セレプロはアイプラのパクリだ!」と怒っているわけではありません。

アニメ一本作るのに企画や設定は数年前から作られることがざらですし、1月放送開始のアニメと10月放送開始のアニメの設定がたまたま似通ってしまった、というだけのことだと思われます。

ですが両方を視聴する側からすれば、設定が似てしまうとどうしても比べざるを得なくなります。

いまや全身アイプラ人間となった僕を、はたしてセレプロは満足させられるでしょうか。

改善案

ここからは「どうすればセレプロがもっと強くなるか」を考えていきます。

もちろんコンテンツの抱える「良さ」は人によって受け止め方が違うため、ここは完全に僕視点で良いと思う改善案のみを列挙します。

藤末樹作曲のメインテーマをもっとプッシュしてもいい

youtu.be

アニメ放映開始前に発表されたMVの楽曲に「SELECTION HEROINE」があります。

これ、めちゃくちゃ良い曲じゃないですか???

このセレプロという作品を知らない層にもとっつきやすく、キャッチーな曲調で個人的に非常に評価が高いです。

正直、僕はこの曲を聞きたくてセレプロを見てるまであります。

ですが残念ながらOP,EDは別の曲が起用されている上、3話時点で劇中歌としても使われていません。

また、今後の展開的に9人のヒロイン全員がユニットになって同じ曲を歌う、というのが見込めなさそうなので、劇中歌として使われる確率は低いと思われます。

 

なんか僕こういうの多いな。(Star Diamondが聞けると思ってスタァライト見たけどアニメで使われてなかった)

・クソパンダに報復して終わってほしい

完全に私情です。

でもまあオーディション番組という体制そのものに反発していくっていうストーリーになってくれた方が個人的に熱くて燃えます。

・「奇跡的な引き分けエンド」しないでほしい

オーディション最終対決で奇跡的に引き分け!とかされると、普通に冷めます。

そうです、アイプラ最終回のことです。

ちゃんと白黒はっきりさせれば少なくとも最終評価でアイプラを上回る可能性はあります。

 

はい、というわけでいかがでしたでしょうか。

だらだらと語ってしまいましたが、声優さんも新人~中堅あたりを手広く起用している(特に岩橋さんとか花井さんとか)こともあり、結構期待していたので、このままアニメが盛り上がらずに失速してしまうのはあまりにももったいない気がして、気が付いたら記事を書いてしまいました。

 

まだ神作にも駄作にもなりうる可能性を秘めたセレプロを、リアタイで見てみませんか?

毎週金曜日の夜、関東圏であれば22時台と結構早めの時間帯にやってるので、是非チェックしてみていただければと思います。

途中できついなと思ったら、アマプラでアイプラを見ましょう。

 

それでは。DIALOGUE+ツアー最終東京公演アリーナ席でお会いしましょう。