これ、通れば勝ちです

アニソンの話したり遊戯王の話したりします。

【麻雀】麻雀カスお嬢様 徹底解剖

あんまりおひさしぶりじゃないです。二郎です。

 

今回は遊戯王でもアイマスの話でもないです。

麻雀の話をします。

 

最近、麻雀というゲームの躍進ぷりがすごいですよね。

先週から麻雀プロ大会であるMリーグが開幕しましたし、

昨年あたりから中国ソシャゲ大手であるYostarが日本麻雀を基にアプリ化した『雀魂』を展開するなど、

少し前までのような「雀荘で」「タバコ吸って」「酒を飲み」「金をかけて行う」といったマイナスイメージが大分払しょくされ、e-sportsめいた側面がフューチャーされてきており、麻雀ロングプレイヤー(?)の僕としても嬉しい限りです。

僕のTwitter上のタイムラインにも麻雀アプリのスクショがよく流れてくるようになり、実際に麻雀を始めたというフォロワーさんや「実は麻雀出来るんだよね」といった方がひょこひょこ顔を出してきております。

 

さて、Twitter上でよく見かける連携サイト「診断メーカー」において、こんなものがあるのをご存知でしょうか。

shindanmaker.com

ちょうど今から1年ほど前、格ゲー界隈を中心に「お嬢様言葉で文句をいう」といった文化がバズりました。今では「ゲーミングお嬢様」のような一コンテンツとして成立しており、漫画展開までされています。すごいですね。

そんなお嬢様黎明期において、便乗してさまざまな「お嬢様」が生まれました。それを見ながら「俺もなんか作ろっかな」と思いましたが、自分は協力型のオンラインゲーム等はストレスの原因にしかならないと感じ一切やったことがないので除外され、それでいてある程度認知されているゲームって…

 

あ、麻雀だ。

 

と思い、大学で麻雀サークルの活動をしている際に聞いた煽りの言葉や、天鳳を打っている際に思ったことなどを素材としてお嬢様転生させた結果、この麻雀カスお嬢様が生まれてしまいました。

麻雀つながりの身内の間で楽しめたらいいな、くらいの軽いノリで作ったので、満足して適当に放置していました。

すると今年の五月ごろ、診断メーカーで遊んでたら珍しく通知が入っていたので何事かとみてみると、

なんと1万人くらいの方が雀カスお嬢様を回していました。

1万人が回したということはほぼTwitterにおいてバズったと同義なので、内心小躍りしておりましたが、同時に

「なぜこのタイミングで…」とも思いました

いろいろ分析をしてみると、やはり近年幅を利かせている麻雀アプリ「雀魂」において、インターネットで(いろんな意味で)見ない日はないVTuberの方が宣伝に携わっており、そこでアプリ利用者が急増→利用者の中で雀カスお嬢様が発掘される→みんな麻雀カスお嬢様になる

といったプロセスを経て、このような事態になったのだと解釈しています。

伸び方は5月中旬がピークであり、(それでも診断メーカー全体でデイリー50位以内に食い込むという功績を残しています。まじか。)そこからスピードは落ちているものの、やはり麻雀というゲームが好きな方のリピーターが多いようで、先月には4万人を突破しました。感謝。

 

さて、ちょっとした自慢が終わったところで、本記事についてですが、麻雀カスお嬢様の全ネタ解説を行っていこうと思います。

「ネタの面白い部分をわざわざ解説する」、というのはそれだけでもつまらないことなんですが、すでにゲームをするお嬢様という概念がかなり浸透してしまい、目新しい面白さはほぼ無くなっていると感じています。

そこでうちのお嬢様に託された使命が「後身の育成」です。TLを覗くと、麻雀をやっていても勝てないとつまらない、といった声を聴くことがあり、そういった層に麻雀の面白さ、奥深さを知ってもらう手段として、お嬢様を解剖することにしました。

というわけで、麻雀というゲームをある程度分かっている人には退屈かもしれませんが、この記事は「麻雀初心者向け」となっております。

また、それぞれの解説において、個人的な経験、私見に基づくものが多数ですが、「自分の打ち方と違うな」と思う部分があっても、「二郎はこう打つんだな」とご了承いただけると幸いです。

では、いってみましょう。

 

待ち牌編

三面張が単騎待ちに負けるなんてありえないですわ!!!!!!!

・基本的な三面張は、例えば34567の形から2-5-8で待てるので最大11枚の待ちを確保できるわけですが、それで意気揚々とリーチかけて、最大3枚しかない単騎待ちが先に上がるって意味が分かりません。しかも大体単騎待ちってドラ抱えてたりチートイだったりして点数高かったりするからさらに質が悪い。

「カンチャンに負けるなんて~」にしようか迷いましたがカンチャンは最大4枚待ちになるんで、より理不尽度の高い単騎待ちにしました。

じいや、わたくしの待ちが全山とはどういうことですの!?!?!?

・お嬢様の待ちが全山ってことは、お嬢様はその局で一生上がれないってことでして…

全山っていっても色々ありまして、「自分以外その牌に誰も触れてない」だったり「嶺上牌の中が宝石箱状態」だったりします。字牌で待ってたりするとよくありますね。

ネト麻だと局ごとに山を開けて見られないんで、ちょっと納得がいかない時、ありますよね。(そうか?)

ま、まあ…裸単騎なんて…はしたないですわ…///

・なんか一個くらいえっちネタを突っ込もうとして無理やり入れました。

「白=パイパン」とかも考えましたが、お嬢様がそんな言葉を知っているはずがないのでやめました。

お筋ひっかけなんて卑怯者のすることですわ!!!

・そうですわ!

※「」…テンパイ時の待ちが両面待ちであると仮定した安全牌選びの定石。

例えば5mが通っているならば

3m4mによる2-5m待ちと、

6m7mによる5-8m待ちは、

フリテンでない限りあり得ないため、2mと8mが通りやすいということ。

逆にこの定石を利用して、例えば5mを切っておきながら1m3mによる2m待ちをすることで2m切りロンを誘引させることができる。これを「筋ひっかけ」という。

筋の理論を知っているだけで初心者脱却ともいえるが、この理論は裏を返せば定石を知らない初心者には通じにくいという側面もあるので過信は禁物。

お筋にひっかかるなんてちょろいですわ~~~!!!

・手のひらクルクルクル~~~~!!!!

筋ひっかけはかかると不快だけど、当てると気持ちいいよね。

ちなみに僕は5切って2で待つリーチはさすがに露骨すぎるので、ダマで5を切って次の巡目でリーチかける派です。

3萬9萬が通っているなら6萬も通るはずですわ!!!

・そうですわ!(2回目)(そして通らない)

これも筋の理論です。再び待ちを両面だと仮定した場合ですが、

3mが通っているなら3-6m待ちはなく、

9mが通っているなら6-9m待ちもないため、

6mを待ちに含む両面待ちは考えられず通りやすいという考えです。

先ほどの「5が通ると2,8が通る」のが「表筋」と呼ばれるのに対し、こちらは「中筋」と呼ばれます。

もちろんこれを利用した「中筋ひっかけ」というのも存在します。

ちょっと昔の話ですが、僕が3着のオーラス、トップと2万点差ついていた状態で、

355677m、と持っていました。

4mと6mを受け入れられる良形ですが僕は早い段階で3mを切りました。

というのも、ある程度の得点を狙いに行かなければ2着以上の浮上はないので一盃口を確定させたかったからです。

その後、他のメンツがそろい55677mだけが残ってリーチをかけました。

カン6m待ちという狭い待ちですが、運よく9mを引いて切ったので、オリに徹しようとしたトップが中筋を追って6mを切ったところ、自分に放銃、運よく裏が乗って12000点となり逆転トップを果たした、ということがあります。(隙自語)

その時トップを奪われてしまった方の気持ちを汲んで、お嬢様にさせていただきました。

9萬しか通っていませんが6萬も通る気がしますわ!!!

・そうかなぁ?

先ほどの中筋理論…のようですが、9mが通っていても3-6mの可能性は残っています。「片筋」と呼ばれていますがあまり信用してはいけない奴です。マジで。

3枚壁は通るはずですわ!!!!!

・そうですわ!!(3回目)(そして通らない)

※「」…同じ種類の牌が4枚しかない麻雀において、複数枚が自分の手と河などから見えている場合に使える理論。

例えば自分の手の中に4pが2枚、河に1枚ある場合、

4pを使う両面待ちである

3p4pによる2-5p待ち

4p5pによる3-6p待ち

を他家が行うには残る1枚の4pを持っていなければ成立しないため、2pと3pが通りやすくなる、といった考え方です。

このような「4pが3枚見えているときに2p3pを通す」ことを3枚壁と呼びます。

(5pと6pに関しては5-8待ちと6-9待ちの可能性を考慮して除外されます。)

すごく論理的に見えますが、あくまで「持っている可能性が比較的低い」という仮定をしているだけなので、振り込むときは振り込みます。そして大体点数が高いです。

100%信用していいのは4枚壁だけです。

また熟達してくると、ある程度壁ができてからリーチをかけたり、4p4枚壁すらも貫通する「2pを含んだシャボ(後述)待ち」を仕掛けられたりします。

そして、ある程度使われていない牌が見えてくる局後半になればなるほど3枚壁を信用してはいけないとされています。

逆に全く牌の全容が見えない状態で早いリーチを仕掛けられた際には、2枚壁を信じて切るしかないこともあります。そして振り込みます。


おシャボ待ち!?!?!?!?

・なんで…そんな非効率な待ちを…

シャボ待ち…3面子を作り、2対子を手中に含めることで、その対子にした2種の牌を待ちとすること。「バッタ」とも呼ばれる。

例:123m678s77p西西西中中→7pと中のシャボ待ち。

麻雀初心者はなぜかシャボ待ちをしたがる人が多いです。

おそらく役満である四暗刻の存在から「暗刻は強い!」みたいなイメージがついたのでしょうが、暗刻は基本的に3つ以上無いと弱いです。

何が弱いって、両面待ちは6m7mの2枚から最大5m4枚+8m4枚の最大8枚を待ちにできるのに対し、

シャボ待ちは4枚使って最高で4枚しか待ちにできません。

ただ、シャボ待ちをするなというわけではないです。

「上手いシャボ待ち」ができるようになろうという話です。

例えば先に挙げた123m678s77p西西西中中、これはかなりいいシャボ待ちで面前なら即リーです。

なぜなら中は1枚だけあっても使えないので切られやすいという点と、リーチ後に4pが切れれば筋を追って7pが出てくる可能性が見えるためです。123-789と字牌と使ったシャボはかなり避けづらいです。

それでも待ちが4枚しかない都合上、他家の手で使いきられることも少なくないので、やはり両面待ちは正義。

勿論トイトイとかツモ四暗刻のときは嫌でもシャボ待ちになります。

 

ダマ/リーチ判断編

三面張ならフリテンでもおリーチしますわ!!!

・枚数が残ってたら普通にしますね。

単純に三面張は枚数が多いので、点棒がちょっと欲しいなって時はリーチ一発ツモ狙いでかけることはあります。

追っ掛けリーチが来るとしにます。


山残り4枚だから一発海底狙いでおリーチしますわ!!!!

・普通はしないです。

まあでもリーチ一発ツモ海底だけで満貫と考えると結構ロマンありますね。残り4枚なんで鳴きによる妨害も宣言牌以外はないでしょうし。

絶対に山に残っているという自信があるならしてもいいかもです。

貴方がおリーチしたということは、わたくしのツモ番が増えるということですわよ~~!!!

・割と正しい。

リーチはかけると役が付き、一発や裏ドラがつくこともあるのですが、何よりのデメリットとして「手変わりができない」すなわち「降りることができない」という点があります。

つまり自分がリーチをかけた状態で他家がテンパっている場合、自分のアガリ牌を引くまでは他家に牌を提供し続けるという状態に陥るわけです。

もちろんそれはお互いにいえることですが、そうした5分5分の勝負となった時に、有利なのはどちらでしょうか。

考え方は様々あるでしょうが、

・上がった際の点数が高く

・いざとなったら降りられる

方が圧倒的に有利だと思います。

そういう意味でも、「待ちが狭く」「アガっても点が低そうな」手ですぐリーチをかけるのはかなり悪手です。

 

両面待ちならテンパイ即リーですわ!!!!

・場合によっては正しい。

山に眠っている公算が多く、ツモれる自信がある際は正しいです。

ただ、上手い人同士の卓だと、少なくとも通る算段のなさそうな牌は基本切られないため、ツモのみに頼らざるを得なくなります。そしてうまいことアガリ牌を使い切った手で追っ掛けられて一発で振るまでがテンプレです。

逆に、両面で張ったからといって、局の終盤で残り枚数2枚などでは、ただリー棒を吐き出して終わる可能性があるので、ダマあがり狙いかノーテン罰符をもらって終わる方が良かったりします。

 

七対子テンパイですが、皆様がお出しになりそうな牌を引くまでダマですわ!!!!

・やっべ、赤引いたとき狙いの5しか残ってねえ。とりあえず5切って、出てきそうな1枚切れの字牌or1,9引くまで待とう。

チートイはリーチかけなくても上がれるのでダマでもつよい。

 

ダマで満貫ということは、おリーチしてツモいたしましたら跳満ということですわ!!!

・結論:ダマ満貫直取りの方が強い

麻雀って、最終的に100点でも多く点棒を持ってた人が勝つゲームなんですよ。つまり、上がった点数の高さよりも、他プレイヤーとの点差をつけることを意識するといい、という話です。

例えば、東一局全員25000点の状態から子の跳満ツモ3000-6000を上がると、

自分:37000点、他家19000、22000、22000

となります。親だった人とは18000点の差がついていますが、それ以外の人は15000点差です。

もちろん点数的には自分が非常に有利なのですが、他家の視点に立ってみましょう。

まず22000の人から。

この人たちはなんでもいいのでとにかく上がれれば、それだけで2着に浮上できます。仮に1000点の手を上がって23000、あとは親番が来るのを待って、5800の手を2回もしくは親満貫を一回上がれれば34900点ほどになり、1着が見えてきます。

親被り19000点の人ですが、実は3着4着との点差はたったの3000点、タンヤオドラ2やタンピンドラ1のような3900点程度の手を上がれれば2着に浮上、あとは残り一回の親番を大事にできれば22000の人と同様まだ逆転の目はある、という状態です。

 

ではダマアガリ満貫8000の場合を考えましょう。

ダマ満貫の強い点はツモ以外にロンによるアガリが期待できるという点です。

ダマ8000を上がったとします。すると点棒状況は

自分33000 他家25000,25000,17000

振らなかった25000はそこまで厳しくないでしょうが、問題は17000です。先ほどの跳ツモされた状態と異なり、1000点2000点3900点のアガリ一回では3着浮上すらできません。

要は振り込んでしまうと、トップや2着になるためにその負債をカバーする分のアガリ点が、他家より必要となるため一気に不利になるのです。

麻雀は、「点を取って1位になる」ことよりも「他家を点棒的に不利な状況に追い込む」ことを考えた方が勝ちやすいゲームだったりします。

あとリーチかけると基本他家から警戒されますが、ダマだと他家が切る牌全部ツモってるといえますからね。

鳴き編

麻雀は面前で進めるものと、お父様がおっしゃってましたわ!!!

・初心者はすぐ鳴いてはいけませんわ!

※ここでいう「すぐ鳴く」に役牌ポンなどは含みません。

「鳴き」のメリットデメリットを挙げると

メリット

・早く手が作れる。

・他家の捨て牌を利用できる。

・一発を消せる。

デメリット

・面前に比べて点数が安くなりやすい。

・上がろうとしている役を見抜かれると必要牌が出されにくくなる。

・リーチに弱い。(安全牌の確保が難しい)

・ツモが役にならないため、確実に役を作らなければならない。

 

と、とても無視できないほどのデメリットを抱えることになります。

早い鳴きをしていいのは、

「自分の配牌からアガリ手の最大値・最小値を判断し」

「点棒状況からどれほどの点数にするかを考え」

「他家がどれくらいのスピードで手を作っているか」

を把握できる段階になってようやくといった感じです。

 

少なくとも、点数計算を覚えていないのならば面前で手を進めてリーチをかけた方が無難まであります。

おリーチがかかっているのに明カンをなさるなんて正気ですの!?!?!?

・お願いだからマジでやめてくれ

例えば白3枚を持っている状況で他家からリーチがかかり、他家から白が切れたとします。

あなたはカンしますか?という話です。

ここは十中八九「カンしない」が正解です。

「カンをする、したい」という方は大抵、白が新ドラになって満貫になるかもしれない。などといいます。

まずもって、その確率は滅茶苦茶低いです。

また、新ドラが増えるということは同時に裏ドラが増えるということでもあります。

裏ドラの恩恵を受けられるのはリーチをかけて上がった人だけです。当然、白を明槓したあなたは受けられません。

この時点で既にリーチ者とアガリ点の期待値という点で大きく差がついています。

また、白を鳴いたということは、「アガる算段がついた」「白で役が確定している」ということを他家に教えていることになります。要は、あなたもリーチをかけたと同然ということになり、あなたへも振らないように警戒されます。

もしリーチ者に対して強気に出るとしても、ダマの白のみで他家からの1300点以上のアガリ+リーチ者の1000点で十分だと思います。また、もしリーチ者に通らなさそうな牌を持ってきたとしても、白は通っているので3巡は安全を買うことができます。

そういう面で見ると、このような状況では「白は鳴かずに、面前ダマで構える」「白を安全牌ととらえる」が最適解だと思います。


その赤5はポンさせていただきますわ~~!!!

・私の手が1翻高くなりましたわ~!

しょうがないだろ。切った側からしたらいらないんだよ。

2-5待ちの人がいたら目も当てられない状況です。僕は早い段階で34落とします。


貴方、背中が煤けてましてよ。

能條純一の麻雀漫画『哭きの竜』の主人公、竜のセリフのパロディ

現在でいう『咲』のようなインチキ異能麻雀漫画の先駆け的作品。

具体的には圧倒的な点差がついた状況でポンとカンを繰り返し、カンドラを乗せて大物手を作って逆転…という対局者からしたらたまったものじゃない闘牌を繰り広げます。

そんな竜が勝ちを確信している相手にいう死刑宣告的な名セリフが

ー「あンた、背中が煤けてるぜ」

です。

鳴きを繰り返すのを咎められた際などに使えますね。


どうしてわたくしのカンチャン待ちをおカンなさるのですか!?恥を知りなさい!!!

・まれによくある。

リーチ中に他家から暗槓が入り、「しめしめ、これで裏ドラが増えるぞ~」などと思っていたら

「それ俺の唯一のカンチャン待ちやん!!!!」

となり、上がり目が完全に消えて流局を待つしかなくなる虚無の始まりです。

一応一枚見えのカンチャンで予防できますが、起こりうる確率と待ち枚数が1枚減ることを鑑みても実践的ではないです。

やはり両面は正義。

 

3鳴きしてノーテンなんて麻雀のルールを知りませんこと!?

・親の明らかな染め手を警戒して、他家が降り打ちしていたら、全員ノーテンで終わってしまい「は~~~~?」となるやつです。

親のテンパイ流局は1000点1500点支払ってもう一局、となるので子からしてもありがたいことがあるのですが、せっかく降りたのに親が張ってすらいないとキレそうになります。というかキレていい。

僕は親父から「親が2鳴きしたら基本テンパイ」と教わりました。

 

どうせ形式おテンパイですわ~~~!!!!

・3段目の河で突然、「123」や「789」のような鳴きを入れてきた場合は、ノーテン罰符を払うことすら難しい点棒だったり、どうしても連荘せざるを得ない親の状況で形式テンパイ(役はないが形上だけでテンパイをとること)を狙いに行く可能性が高いです。

とはいえ、鳴き一気通貫の可能性や河底で振り込むこともあるので警戒を怠らない方がいいでしょう。

 

点数計算編

一発ツモなのに裏が乗りませんわ!!!!1000-2000でしてよ!!!!

・子のリーチ・一発・ツモ 30符は1000-2000です。

裏が1枚でも乗れば2000-4000(3900)だったんですけどねえ。1000-2000は親からしてもそんなに痛くないことが多いので有効打とならないことが多いです。

とはいえリーチかけないでツモのみ300-500、リーヅモのみ500-1000よりはマシなんで、前向きにとらえましょう。

 

じいや!!2翻70符ツモの点数を教えてくださいまし!!!!

・点数計算、基本30符ラインと40符ラインとチートイとピンツモだけ覚えれば9割平気。

実戦だとヤオチュー牌(一九字牌)の暗槓子が32符なので、そこに面前ロン30符と2役で起こったりします。

メモ代わりに70符ラインを記しておくと

 

子(カッコ内はツモ)

1翻2300(600-1200)

2翻4500(1200-2300)

3翻8000(2000-4000)(符ハネ満貫)

1翻3400(1200all)

2翻6800(2300all)

3翻12000(4000all)(符ハネ満貫)

 

となります。

60符や80符は、30符40符をそのまま倍でいいので覚えやすいんですが、70符は固有な上に出現頻度も少ないのでとっさに聞かれると数秒かかります。

さらに覚えにくいものとして110符ラインがありますが、これは70符以上に出ない上、カンをしてほとんどドラが乗らないという特殊な状況下は(カンドラを採用しないルールなら起こりうる)まずもってお目にかかることはないでしょう。どうせ3役で満貫になるので。

1人で雀荘に足を踏み入れる場合、30符や40符の計算はすぐ出来て欲しいところですが、70符や110符に関してはみんなあまり覚えてないので調べたり聞いたりしても怒られることはないと思います。

 

愉悦編

他家のラス親を九種九牌で流すのはたまりませんわ~~~!!!!

・ネト麻だとあまりなじみがないですが、雀荘だと1半荘の回転率を上げるために九種九牌、四風連打で親の流れ流局となるルールが採用されています。

九種九牌…1巡目配牌ツモの時点で、全13種ある一九字牌のうち9種類以上が含まれている場合、これを宣言して配牌を見せることで流局扱いとするルール。9枚以上ではなく9種類以上なので要注意。見せずに続行しても良いが、宣言できるのは1巡目のみ。TCGでいうところのマリガン。親の連荘扱いとするか親流れとするかは最初の取り決めによる。

四風連打…1巡目の全打牌が全て同一の風牌(「西西西西」や「北北北北」など)だった場合に流局となるルール。プレイヤーの意志に関わらず強制処理として流局となるが、最後の打牌者となる北家に間接的に委ねられているともいえる。親の良配牌時は四風連打を考えて一打目風牌は避けられることが多い。こちらも親の連荘扱いとするか親流れとするかは最初の取り決めによる。ちなみに三元牌の四連打(「中中中中」など)が起こっても特に何も起こらずに続行される。

僕がいた大学の麻雀サークルでも「なぜか」このルールが採用されていたため、親の第一打で風牌は避けるという風潮が生まれていました。

四風連打は親がケアすることで回避できますが、九種九牌に関してはどうしようもないので理不尽度を加味してこちらを選びました。

ちなみに僕は配牌で10種以上、字牌が6種以上あれば国士を目指します。

 

ドラ三元牌ポンで満貫確定たまりませんわ~~!!!

・役牌ドラ3、この世で一番簡単な満貫の作り方です。

自分の手元にくるとウッキウキですが、相手にやられると非常に虚無でこちらの手に満貫以上の手がない限り降りざるを得ません。あってもたいてい降ります。

中途半端なタイミングで切って鳴かせた奴が悪い。パオにしろ。

パオ大三元と四喜和にのみ適用されるルール。この2役が確定する最後のポン(大三元だと3種目、四喜和だと4種目)をさせたプレーヤーに対し、アガリ時得点の半分以上を負担させるというもの。要は「お前のせいで役満確定したから責任取れ」。ロンアガリだと放銃者と確定者で折半払い、ツモった場合は全額確定者の支払いとなります。

まあ基本最後の牌切った時点でロンになることが多いのであまりないです。

 

ただの千点が皆様のリー棒で四千点になりましてよ~~!!!

・安いノミ手で上がろうとしたら、連続でリーチがかかって三軒リーチ、降りるかどうするか…と悩んでいたらリーチ者からアガリ牌がビューーーーーーン!!!!!!

「ロン!!!中のみ1000てん!!!!」

麻雀やってて一番声を大きくしてよい1000点アガリだと思います。

実質1000-2000なので、お得。

 

やはりリーチ七対子ドラドラ裏裏でまくるのは気持ちいいですわ~~~!!!!!

・そうですわ!!!!!(4回目)

ドラ対子って、難しいですよね。

ガリ役があれば2翻増えて嬉しいんですが、どうやって役を作っていくかが問題なんです。タンヤオにしようにも一九が多すぎると必要な牌が多くなってしまいますからね。

それに喰いタンにしたところで、赤5を引きまくらない限り3900から8000点どまりで、要求点数に達しないこともあります。

「ドラ2枚を使いつつ、跳満を目指せる手」

それが最終手段、七対子です。

リーチチートイドラドラで5翻、あと1枚以上のドラで跳満に到達します。

また7種の牌を使っているので裏が乗る確率は単純に考えて7/34≒約20%。勝負をかけるには十分な確率です。

また単騎待ちであるため不利なようにも思えますが、逆にスジ引っかけや使いにくい字牌で待つこともできるため、ロンアガリを狙ってトップからの直撃や、一発放銃を狙いやすいという特徴もあります。

困ったら七対子、作り得です。

 

白と中をお鳴きになったようですけど…残りの發2枚はわたくしが持っていましてよ~~~!!!

・そう…

まあ2種鳴いてる人に切らない方がいいよね。さっきのパオルールもあるし。

2種鳴いた人がいる状態でもう一種持ってくると地獄ですけど、2枚重ねてしまえばアタマにできるのでアガリを狙いつつ、役満を封じ込めることができるので嬉しいですよね。

それでも發と何かのシャボ待ちで妥協小三元の可能性もあるので気を付けましょう。

 

絶望編

わたくしが親の時にパネツモはおやめになって!!!!

・マジでやめて欲しい。

同じ12000でも4000オールの方がいいですよね。他2家と点差が開かないんで。

なんで悪いこと何もしてないのに3000点差がついてしまうんでしょうね。ちょっと麻雀運営に電話します。

大学のサークルの後輩が「僕が親の時だけめっちゃ跳ツモされる」とよく言っていたのでお嬢様にしてみました。

 

下家が見え見えのお染め手でらっしゃるのに、どうしてその色をお切りになるのですか!?!?

・死にたいのですか!?

たまにいますよね。染め手の人にその色を無限に提供し続ける人。

で、そいつ自身は振らずに他の人が放銃したり、ツモられて3000-6000親被りをされたり…

こういった人を「爆弾製造者」と呼んでいます。

点棒が少ない人は染め手にいくことが多いので、他家との点差をつけるためにわざと鳴きそうな牌を切るというプレイングもあるのですが、引き際を弁えないと放銃してしまうリスクもあるので注意が必要です。

 

もう四暗刻でおまくりする以外ありませんわ…。

・オーラスの時によくあります。

点棒が1000点未満、他家はみんな3万点近い点棒を持って熾烈なトップ争いをしてるのに、どうして俺だけ…

2着3着を狙おうにも、点差が離れすぎていて役満を目指さないとラス確定アガリしかできない…

国士無双は配牌によって狙いに行けたり行けなかったりするのですが、理論上どの配牌からでも目指しやすいといわれる四暗刻にしました。

 

貴方がお切りになった4枚目の中でわたくしの国士無双が終わりましてよ!!!!

・そうですか。

国士をやるときは残り枚数に気を配らないといけませんね。

 

ここで赤5を引くなんて聞いてませんわ!!!

・リーチをかけた後でしょうかね。

意気揚々と1-4両面待ちで構えていたら、他家からの追っ掛けリーチ、お願いだから、振り込むにしても一発だけは避けたい…

「どうしてここで赤5を持ってくるんだよおおおおお!!!!!(藤原竜也)」

リーチ者の河を見て現物じゃなかったらもう、死です。

 

他家にドラをポンされたのでオリますわ!!!!

・正解

満貫以上は確定してますからね。振って8000のマイナスを食らうよりかは流れて罰符を払うか、ツモられて2000のマイナスで納める方が無難です。親の際は4000のマイナスを食らうことになるので降りるかどうかはかなり考えどころです。

 

じいや、わたくしの黒棒を用意なさい。

・お嬢様、ついに箱テン(点棒マイナス、トビ、ドボンとも)でございます。

黒棒雀荘における点棒のやりとりで、持ち点がマイナスになった際のやりとりを円滑にするために使われる1万点棒のこと。

ちなみに雀荘の自動卓に初めて座る人はどの色が何点なのか分からないので、雀荘経験者が教えるまでがテンプレです。

最もポピュラーな配色は、白…100点。緑...500点。青…1000点。黄…5000点。赤...10000点。

 

残り1000点切ったのでリーチがかけられませんわ…

・頑張れ。

僕はこの前雀魂やってたら、東ラス900点からトップ取れました。

あきらめない精神は”大事”。いきなりトップは目指さず、まずは3着浮上から目指しましょう。

 

河に3面子揃いましたわ!!!麻雀の才能があるみたいですわ!!!!

・そういうゲームじゃねえからこれ!

配牌イーシャンテンで待ってたりするとこうなりがちです。そして他家からのリーチであぼーん

 

どうしてわたくしの手牌が12枚しかありませんの!?!?!?

・あの方手牌が12枚しかありませんわ!!!少牌ですわ!!!!!

少牌…実際の対局で起こる事象。ツモり忘れなどが主な原因。発覚してもチョンボ扱いにはならず、アガリ放棄という形で続行される。自分で気付いても平静をふるまって流局を目指そう。

多牌…こちらは逆に手牌が切り番以外で14枚になる事象。切り忘れが主な原因。こちらは少牌と違い、発覚するとチョンボの対象となるので、自分の多牌に気付いたら平静を装って流局を目指し、対局者の多牌は指摘してあげて罰符をもらおう。下手に2枚同時に切るのもチョンボ対象になる。地味に他家のテンパイに対して若干降りやすくなるという微細なメリットも存在する。

 

さっきから一九字牌しか来ませんわ!!!!!

・国士をやろうにももう5種落としてますわ!!

流し満貫を目指しましょう。

流し満貫…流局時に、一人の河の牌が一九字牌のみだった場合に、その家の満貫ツモアガリとして扱うルール。ローカル役っぽいが意外に採用されている。早い巡目で狙いに行ったり、他家にバレたりすると成立しにくい。自分の河から鳴かれてもいけないし、自分が鳴いてもいけないのが基本ルール。

筆者は免許合宿中で連れと麻雀しまくった際に、その合宿中だけで2度流し満貫をアガったことがある。

 

3巡目からイーシャンテンでしたのにもう河が3段目にお突入ですわ!!!

・麻雀向いてませんわ!!!

親の時だとさらにきつい。配牌で絶対上がれると思ったのに、待ちも悪くないのに…

 

貴方!5巡目でダマッパネなんてありえませんことよ!!!!!

・5巡目ダマ満貫もイヤなのにダマ跳満とか犯罪ですよ。

さすがにそこまでは警戒してられないので、当たってしまったら頑張ってラス回避に切り替えましょう。

 

親倍に振ったのでノーテンお罰符でも飛びそうですわ~~~!!!

・東一局の親リーに強気に出ると、たまにこうなります。

 

この席全然良い手が来ませんわ!!!次の半荘は替えますわよ!!!

・あんまり意味ない。その日の自分の運がないだけだったりする。

 

まだ東ラスなのに、おトップの方と3万点差とはどういうことですの!?!?!?

・逆に考えるんだ、まだ南場があって3万点差しかないと考えるんだ・

親番ずっと続けてる人がいると起こりがち。

 

そろそろ親番をおやめになったらいかが?

・確変状態に突入した親を止められるものはいない。

頑張って早い1000点手で流そう。今なら芝棒もついてくるぞ。

 

もう南三局で親番もありませんが、ハネツモ2回でおまくりできますわ!!

・24000点差以内ならまだ諦めませんわ!!!!

 

おリーチしてから待ち0枚に気付きましたわ!!!!

・まだギリあるだろ…と思ってリーチをかけたら、ドラ表示牌を見落としていたり、他家のチーの中に見えていて0枚のパターンがたまにあります。

リーチ前の枚数確認、重要。

気付いても顔に出さずに堂々としましょう。

雀魂はテンパイすると残りの待ちを表示してくれるので便利ですが、アレに慣れると自分で確認する癖がつかなくなるので要注意です。

 

私怨編


赤入りなんてタンヤオ有利のクソゲーですわ!!!!

・大学入るまで赤なしルールで遊んでいた僕が実際に放ったセリフ。

だってさあ、タンヤオは作りやすいけど点が低くて、チャンタは作りにくいけど点数が高いっていう麻雀のバランスをぶち壊してるじゃん。

赤入りだとタンヤオドラ3が簡単に飛んでくるから赤を引けるか引けないかの運要素が高くなります。

そういう意味でも麻雀の「競技性」を考えるならば、赤は入れない方がいいのかな~と未だにこぼしています。

赤入りと赤なしは、別のゲームです。

 

ダブ東ドラ2で12000は分かりますが、ダブ南ドラ2で8000は納得いきませんわ!!!!

言語化はしにくいんですが、結構この考えを共有できる後輩は多いです。

おそらく「ダブ東は東場の親だけができる手なので点数が高くて当たり前、12000になってもおかしくないので警戒してしかるべき。」という考えと、

「点差が付いてきた南場に入ると点数を稼ぐために必要のない字牌がすぐ切られるので南がポンされやすく、南家はそれだけでボーナス1役付き、同じ子であるにも関わらずほかの子よりも満貫が作りやすくなるので不公平だ」という考えが合わさって生まれたお嬢様です。

 

貴方のお鳴きのせいでツモ番がずれましてよ!!!!!

・流局狙いで降り打ちをしているとき、「あと数巡で流局、絶対通る牌を2枚握ってるから安心だ~」などと思っていると、他家から鳴きが入ってツモ番が増え、河底を回されることがたまにあります。

新たに安全牌を開拓しなければならないのか、残る2枚を切って河底牌が安全であることにかけるか…

とにかく不意に河底を回されるのだけはマジで怖いです。

 

わたくしの親を安手でお流しになるなんて…お覚悟はできてらっしゃいますの?

・満貫確定手を流されたら精神的にキツいです。

よく僕が麻雀を教える時に言うのが、「親が12000で上がれる手を自分の1000点で流せば、実質13000点のプラスだ」という、安手にも意味があるという理論です。

もちろん親の鳴きから12000が確定してテンパイしていそうな際は、下手に突っ張らずに降りる方が賢明ですが。

 

おダブリーしましたのに他家に和了られるなんて意味が分かりませんわ!!!!

・ダブリー、それはスピードとの勝負。

ダブリー判断は本当に難しいです。待ちが両面以上あればノータイムでかけますが、カンチャンだとかけるかどうか未だに迷います。

待ちが良くなるまで待ってもいいんですが、それだとただのリーチと変わりませんからね。

そもそもダブリーできる状況自体滅多に起こらないので、どうあがいても結果論に終わってしまう感はあります。

その時の自分がツモれるかツモれないかで判断しましょう。

 

おリーチのみの手が裏3で満貫なんておかしいですわ!!!

・雀魂でよくみる。

なんであのゲーム裏3が簡単に乗るんですかね。

いや普通の麻雀でも裏3乗せられると意味わかんないですけど。

とにかく意味が分からない。こっちはちゃんとタンピン作ってんのに理不尽すぎるだろ。


チンパンジー

色盲だから赤5でも切りますわ~~~!!!!

・自分の手の中に入らないならただの5と同じです。

陽気なようで内心では振り込まないことをただただ祈っています。


おリーチしましたが気分が乗らないので先に裏ドラを見ておきますわ!!!!

・僕が身内と対人でやるときによくやる鉄板ネタです。

「こうしておくと点数計算が早くなるだろ」とか言ってますが大体乗ってないです。

初対面の人とやる際はただのマナーが悪い人になるのでやらないようにしましょう。

山を崩して3000オールの方が安かったですわ!!!

・12000以上のを放銃をした際に使えます。

倍満や役満確定の手が見えている際に山を崩して9000のマイナスで納める行為は実践的ともいえますが、本当にやると打つ友達を無くしたり、出禁になったりするので潔く振り込みましょう。

 

安牌が無いときは、おツッパに限りますわ!!!

・ダブリーや早いリーチに対して降りようとしても、どうせほとんど危険牌ですから、気にしないでいらない牌を切っちゃえってことです。

当たったら知らん。

 

ドラ切りリーチは振っても安く済みそうですわ!!!!

・正しかったり正しくなかったり

ドラを切らないと出てこなさそうな筋ひっかけリーチであれば、満貫未満の手であったりはします。

ただ、場合によってはドラによる1役より三色による2役を取ってドラを切るという判断をするときもあるので、高い時は高いです。

 

緑一色を目指すときは5索から切りますわ!!!!

・清一や混一にシフトすることを考えましょう。

大体緑狙いで5索を切ると、次に赤5を引いてきます。わあい。

テンパイしたことは何度もあるんですけど上がったことは未だにないです。

緑一色…ソーズの2,3,4,6,8と字牌の發のみで構成された役で、文字通り緑以外の配色が含まれない綺麗な役満

マンズだと数字の合計が100以上の清一色だと役満になる「百万石」、ピンズだと2345678をそれぞれ2枚ずつで役満とする「大車輪」といったローカル役があるが、なぜか緑一色だけがポピュラーに採用されている。

 

配牌で一九が3枚ずつありましたら九蓮宝燈一択ですわ~~~!!!

・あとは2~8を一枚ずつ揃えるだけですわ~!

それが難しいんだよ。

九蓮宝燈役満の一つで、マンズソーズピンズのいずれかで

1112345678999に1~9いずれかを加える面前清一色の牌姿で成立する。

例として1112245678999だと、3-6-9と2で面前清一色ガリとなるが、3の場合のみ九蓮宝燈が成立する。

1~9すべての牌で待てる1112345678999の形から上がった場合は「純正九蓮宝燈」としてダブル役満とするルールもある。

 

配牌で字牌対子3組ありましたら字一色一択ですわ~~~!!!

・もしダメそうでもホンイツやトイトイも見れるので勝ちですわ~~~!!!

 

配牌で3対子ありましたら七対子3シャンテンですわ~~~!!!

・対子場(同じ牌が重なりやすい偏りが生じている局のこと)ならけっこうすぐ張れます。

 

東一局なら何をしてもいいとばあやが言ってましたわ!!!

・本当か?

これは本当にそうかは分からないんですが、大学の同期がよく言ってたのでお嬢様にしました。


天鳳

2着確ですわ!!!

天鳳(最も有名なネット麻雀)の段位戦では2着でもわずかにポイントがプラスになるので勝ちに入ります。

 

天鳳なら3着でも勝ちですわ!!!

天鳳の段位戦は上に行くにつれて、トップになったときに貰えるポイントよりもラスを引いたときのマイナスの方が大きいので、一度ラスを取ってしまうと一回のトップではそのマイナスを埋めきれなくなってしまいます。

ですが3着だとプラマイゼロ、時間を浪費しただけになりますがラスほどのマイナスにはならないので「3着でも勝ち」という天鳳プレイヤーは多いです。

ただ、このセリフを言うのはたいてい対人の時です。

 

その他編

三色同順を見すぎてはいけませんわよ!!!!

・わざわざピンフ両面待ちを捨ててまで三色にしなくてもいいと思う。

あと鳴き三色はたまにやるけど片アガりになりやすいのでつらい。



セレブたるもの、300点でも1万点棒で払いますわ~~~!!!

・おつりがめんどくせえよ。

ネット麻雀だとそこら辺の支払いがデジタルで済むのですが、対人だと4人全員がある程度1000点棒と100点棒を持っていた方がリーチや支払いがスムーズに行えるので、点棒の支払い方にもある程度気を配ることが多いです。

例として、子のタンピンツモドラ1の1300-2600の支払いが発生した場合に、親が500点棒を持っていない場合は、

1000点棒3本で100点棒4本のお釣りをもらうよりも、

1000点棒3本に加えて100点棒1本を支払い500点棒1本のお釣りをもらう方が、卓上に置かれる点棒の本数が少なくなるので良いとされます。

(自動卓では点棒が中に入るのを特に忌避されるため)

じいや、お手洗いに行きますので代走を頼みましてよ!!!

・たぶんこれじいやの方が強いパターン。最初からじいやでいいんじゃないかな。

代走雀荘では対局中に催した際、卓の進行が滞らないように店員さんに代わりに打ってもらうことが許されている。店員さんもそれなりに麻雀に精通した人であることがほとんどなので、守り中心に無難に打ってくれる。

行きつけの雀荘でセット打ち(金を賭けないほう)をしていたら、「ちょっと二郎君代わり入って」ってフリー(金券賭けるほう)打たされたことがある。ビビッて三面張のピンフでダマで上がったら「固いねぇ~」って言われた。いや人の金かかってんのにリーチかけらんないでしょ。

 

いかがでしたでしょうか。

全部で69通りの雀カスお嬢様を見て頂きました。

当時は「パターン増やした方がいいだろ」と思って69通りは少ないなと感じましたが、こうしてみると結構ボリュームありますね。

 これを見て、少しでも麻雀の面白さ、理不尽さを知ってもらえたり、興味を持っていただけたら、幸いです。

もう少し画力があったら、これを元ネタにしてpixivとかに漫画あげられたのになぁ、などと思っています。

作画してくれる方、いつでも募集中です。

 

それでは、今回はこの辺で

雀カスの方は天鳳でまたお会いしましょう。

 

~雀魂は馬鹿みたいに満貫連発されるのが嫌でやめました~

二郎

【ミリオンライブ】オペラセリア煌輝座を聴いてください。【CDレビュー&紹介】

みなさんお久しぶりです。二郎です。

今回は、私が常駐しているコンテンツの一つである、「アイドルマスターミリオンライブ!」のCDについて紹介していきたいと思います。

 

今回ご紹介するのは、でん

 

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THE IDOLM@STER MILLION THE@TER WAVE オペラセリア煌輝座」

 

です。

「煌輝座」と書いて「きらめきざ」と読みます。おしゃれですね。

 

どういう風の吹き回しなのか

今までミリオンのCD紹介はほとんどしてこなかったんですが、今回ばかりは紹介したい理由があります。

それは、アイマスのCDシリーズとは、「コンテクストの上に成り立つコンテンツ」という固定概念があったためです。

「横文字ばっか使いやがって何言ってんだ」と思われるかもしれませんが、要するに「アイマスのCDを買う層というのは、アイマスを知っている層である」という前提の話をしています。

アイマスを知っている人は、もちろんアイドルたちが歌うCDを買います(当たり前だよな?)。逆に、アイマスアイマスアイドルも知らない人はアイマスCDを買おうとは思いませんし、仮に買ったとしても存分に楽しめないでしょう。

要はアイマスCDを楽しむには「そのアイドルがどんな経験を経ているのか」「どういった思いでアイドルになったのか」などを知ることが第一関門といえます。

 

ですが、その固定概念をミリオンライブはぶち壊しました。

 

アイマスに関する知識が無くとも楽しめる」CDシリーズを展開し始めたのです。

 

アイマスCDとは

そもそも、アイマスのCDとはどういうものなのでしょうか。

 

大きく二つの要素に大別できます。「楽曲」と「ボイスドラマ」です。

楽曲はもちろんそのCDで新録となる、目玉の要素です。全てのアイマスCDに収録されています。場合によっては楽曲のみの収録となるCDも少なくありません。

ボイスドラマは、先の楽曲を歌唱したアイドルを中心に展開される物語で、おまけ的な要素ですが、同時に公式的な見解を含みながら著作権の都合上ネット上での共有がほぼ不可能という性質をもっています。

1曲300円弱で音楽が半永久的に聞ける現在、1枚約1500円+税のCD1枚を買うとなった場合、このボイスドラマには残りのほぼ1000円分の価値があるといっても過言ではないでしょう。

アイマスのボイスドラマはさらに2分化できます。「アイドル同士のやりとり」「劇中劇」の二つです。

 

「アイドル同士のやりとり」は、字のごとくアイドル達がアイドルとして会話や企画、会議する様子を楽しむものです。ミリオンライブのLTPシリーズ等では、劇場でのライブのトークパート風であったり、シャニマスのCDシリーズでは、ユニットごとのとある一場面を描いたりなどして、ゲーム内のコミュとはまた一味違った奥行きを味わえます。

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特筆すべきはシンデレラのCINDERELLA MASTERシリーズにおける「目指せ!シンデレラNO.1」でしょう。ソロCDシリーズに収録されているもので、そのアイドルが1人でラジオに出演しているという形式でクイズ等に挑戦する様子を声優さん一人で演じ切っています。最強の一人芝居です。

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黒沢ともよさん当時17歳ってやばくね?

「劇中劇」はアイマス世界においてアイドルたちが演じる舞台やドラマのストーリーを追っていくものです。そこでは「アイドルが演じている」といったストーリーに不要となるメタな要素は全て省かれ、完全にそのパートだけで閉じ切った世界観が作られています。

 

特にこの劇中劇に力を入れているのがミリオンライブというシリーズです。

 

劇中劇ガチコンテンツ、それがミリオン

すでに2016年に「THE@TER ACTIVITY」というシリーズ企画が始動し、劇中劇を主題にしたCD展開をしています。

その後も「THE@TER BOOST」「THE@TER CHALLENGE」と2弾、3弾が続いていくのですが、これらの企画の弱点として「ユーザーの投票結果を反映する」点が挙げられます。

1作品ごとに5人の役が提示され、その役にふさわしいと思うアイドルに投票していくのですが、同コンテンツ内でもアイドル内の人気格差により、同じアイドルが何度も選ばれたり、一度も役をもらったことがないアイドルが出てしまうなどしばしば論争の種にもなっており、ミリオンライブの汚点の一つと扱うユーザーも一定数います。

そこでミリオン運営が取った方策が、「シアター組の全アイドルが均等に劇中劇に出演するCDシリーズを展開する」というものでした。

こいつらやりやがった。一人も手放してねえ

「MILLION THEATER GENERATION(通称MTG,ウィザーズアンドコースト社とは一切関係ない)」シリーズ内で展開されたこれらの企画は非常に好評であり、また同時に発表された楽曲群も良質でした。

ライブにおいても、6thライブの時点で全楽曲が披露されています。なのですが

その中でも一作品だけ、「異質」ともいえる扱いを受けた劇中劇ユニットがありました。

それが「夜想令嬢 -GRA&CE NOCTURNE-」です。

 

ミリオンライブ、味を占める

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ジャケットデザインがバカ良すぎる

吸血鬼と吸血鬼ハンターの苦悩、葛藤を描き出した今作は、MTG内劇中劇シリーズの先駆けとして打ち出された作品でしたが、「一発目にこんな濃いの持ってくる!?」とビビり散らかしたのを未だに覚えています。

アイマスは知ってるけどミリオン詳しくないって人には「どうして俺たちを殺そうとするんだ」で伝わると思います。あれの元ネタです。

 

 

で、この作品がどういう風にライブにおいて特別だったかといいますと

実際にミュージカル形式で歌唱しました。

 

は?????????????

 

まじです。僕も福岡6thの現地で見ました。

もちろん30分近くあるボイスドラマストーリーを全部網羅したわけではありません。が、ドラマを聴いた人も未試聴の人も夜想令嬢の世界観にどっぷり浸かり込んでしまうほど完成度が高かったです。

運営にとっても挑戦の一手だったと思います。何より声優の歌唱を目当てに客からライブチケット代を集めているのに、ミュージカルを見せる。一歩間違えたら訴訟もんです。

ですがそんな心配もよそに結果は非常に好評、批判意見もほとんどなく、僕としてはミリオンライブの、アイマスライブの新たな可能性を見た気がしました。

いっそ終始ミュージカルのライブがあってもいいんじゃないか…?とすら思ったほどです。

 

オペラセリアを聴いて

そろそろ「オペラセリアの話は?」と思われる方も出てくる頃でしょう。ごめんなさい。オタクな僕の悪い癖です。

オペラセリア煌輝座は「MILLION THEATER WAVE」シリーズ内で展開される11作品目です。本シリーズではMTGのように劇中劇しばりは無く、ユニットごとのアイドルたちがラジオや営業などで奮闘する様子が描かれています。

そう、劇中劇しばりはないはず、だったのですが

劇中劇をやらないとは、言ってないんだなあ

このオペラセリア煌輝座のボイスドラマは全て劇中劇です。

それも宝塚を彷彿とさせるアイドル4人が「男役」を演じる、という形式のミュージカル風ストーリーとなっています。

 

 

現時点でミリオンライブ劇中劇シリーズ最新作となる本作は、個人的に「ミリオンライブ劇中劇の集大成」といえると思います。

また、6thライブでミュージカルを披露したミリオンが、最初からミュージカル風の劇中劇を差し向ける。

これはつまり、(昨今は情勢的に厳しいですが)「次の周年ライブで”やって”やるから覚悟しておけよ」という運営からのメッセージだと、僕は捉えています。

 

ストーリー&登場キャラクター解説

これから聞く方がネタバレを踏まない程度にストーリーとキャラ解説、個人的所感を述べていきたいと思います。拙いですが僕の絵もおまけでつけます。

正確な舞台は述べられていませんが、楽曲名等から判断して君主制時代のフランスだと思われます。そこでの王立士官学校が舞台となっています。

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「必ず、証文を取り返してみせるわ」

アシュリー・ノリス

演:北沢志保(CV:雨宮天)

本作の主人公です。父親が土地を保有するための証文を有力貴族ヘリック家にだまし取られたため、それを取り返すために、ヘリック家が顔を利かせている士官学校に入学して証文を取り返す機を窺います。

主要4人のうち彼だけ女性であり、性別を偽って女人禁制の士官学校に入学しています。(性別検査ガバガバすぎない?)

士官学校潜入以外に証文取り返す方法あるんじゃない?」とお思いの方もいるかもしれませんが、彼女は入学前に「ありとあらゆる方法でヘリック家に近づくも、バレて捕まりかけている」わけです。あなたが思いついた方法、彼女は全部やって全部失敗に終わっています。

ですが頭が悪いというわけではなくむしろいい方で、入学試験でトップを取るなどしています。じゃあなんで失敗しまくったんだ

とにかく証文奪取を最優先に行動するため、色んな意味で「男勝り」なキャラです。顔と頭が良くて失うものが何もないまさに「無敵の人」です。

 

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「というか…あの…その格好で近づかれると…目の行き場が…」

ハーヴェイ・バーティ

演:田中琴葉(CV:種田梨沙)

アシュリーより上の最高学年の総代で、彼女と同じ寮の部屋で暮らしています。とあるラッキースケベアクシデントによりアシュリーが女性であることを知ってしまいます。その際のどぎまぎした反応があまりにも名演であったことから、本CD発売後、Twitter上に「童貞田中琴葉概念」なるものが生まれています。(あと単純に種田さんの少年声が良い)

非常にまじめな性格であると同時に、同室のアシュリーのことを気に掛ける優しい男です。無害な童貞です。

後述するオスカーにはよく振り回されています。

本当は医者になりたかったそうです。

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「もしやお前、お兄様を狙っているのか!?何者だ!!」

アリエル・ハワード

演:徳川まつり(CV:諏訪彩花)

アシュリーの同学年ですが、入学時トップを取られたことなどを理由に彼女を目の敵にしてきます。

また、後述するオスカーの従弟でもあり、彼を敬愛し常に「お兄様❤」と付き従っています。

ただ、単なるブラコンBLキャラだと舐めてると危ないです。

僕の中で、本作品で一番ブッ刺さったキャラクターです。

今「ミリオンライブで誰が好きー?」と軽々しく聞かれようものなら、担当アイドルを差し置いて「アリエル・ハワード…」と口を滑らせそうになるレベルでヤバいです。

 

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「でも学校では、『お兄様』はやめてくれと言っただろう」

オスカー・タルボット

演:桜守歌織(CV:香里有佐)

「お前だけ声の作画が違いすぎる」

「ガチのイケメン連れてくんのやめろ」

「お前絶対校内の生徒一人以上食ってるだろ」

「ハーヴェイ食っただろ」

上は全て僕がドラマを聴きながら漏らした感想です。

ま~~~~~~じで顔と声が良い。配役天才。最高。

アシュリーが士官学校に入るきっかけとなる、証文を騙し取ったヘリック家の息子ですが、ある理由から母親の性であるタルボットを名乗っています。

ハーヴェイとは同学年ですが2回以上留年をしています。それでも校内の生徒からはその厚い人望から慕われています。たぶん何人か抱いてます。

アリエルがよく突っかかるアシュリーに一目置いているようで、ことあるごとに首を突っ込んでくる重要人物、もといトリックスター的な存在です。

おそらく今後、香里有佐の青年声オファーが絶えないことになるでしょう。なるといいな。なってくれ。

 

とまあ、こんな感じの面々が織りなすストーリーです。

あとは、あなた自身の耳で聞いていただきたいです。

実はここまで、それぞれのキャラが演じるアイドルの情報を極力出さないように紹介してきました。

僕はCDを手に取った時点で4人のアイドルの特徴について把握していたので、「このアイドルにそのセリフ言わすのかあ」のような楽しみ方ができていたのですが、同時に、「そのアイドルを知っているがために」見落としている部分があるかもしれません。

そのため、できればミリオンのアイドルをほとんど知らない状態の人に、このオペラセリア煌輝座を純粋に聞いてもらって、その感想を聞きたいな、などと思っています。

 

 

聴いたらこんな感じになると思います。たぶん。 

 

そんなオペラセリア煌輝座は、全国のCDショップ、通販サイト等で絶賛発売中!!!!!!!!!!!たったの1500円+税!!!!!!!!!!!!

 

買って聴いてね!!!!!聴いたら僕に教えてね!!!!!

 

じゃ、またね!!!!!

 

おわりだよ~(〇・▽・〇)

 

二郎

【遊戯王】ガゼルとエクシードの運用法、合ってる?【注意喚起】【転生炎獣】

どうもお久しぶりです。二郎です。

前置き

最近は私が愛してやまないデュエル動画チャンネル『城下町チャンネル』さんがニコニコ時代の開始から9周年を迎えたということで、祝福のMAD動画を作って上げるなどしていました。

※音量注意です。


みんなも城下町、見よう。(毎回言ってる)

さて、本日は僕が長いこと握っているデッキ、【サラマングレイト】通称転生デッキに関するお話です。

先日某所の公認大会において、サラマングレイトデッキの方とミラーマッチになりました。

サラマングレイトミラーはかなり考えることが多くなります。相手のフォクシーが蘇生しないよう聖域を貼らない、リンクヒータに奪われないよう墓地リソースの重要度を下げる…等の緻密なプレイングが要求されます。

相手のターン、サラマンデッキのデバッガー1枚からの展開が始まりました。

親の顔より見たデバッガー初動〜もっと親の初動を見ろ〜
①デバッガー召喚。効果でガゼルサーチ。
②デバッガー1体でベイルリンクスL召喚。聖域サーチ
③聖域発動後、ベイルリンクス1体でベイルリンクス転生L召喚。

ここまでは問題ないです。次の発言でおったまげました。

相手「手札のガゼルチェーン1、パラレルエクシードチェーン2で効果発動。何かありますか?」

僕「え?」

相手「え?」

僕「あのう…それルール上できませんよ?」

裁定解説

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上記③の処理時、確かにガゼルの特殊召喚効果発動条件『「サラマングレイト」モンスターが自分の墓地に送られた場合』と、パラレルエクシード(以下パラレルと略記)の『このカードが手札に存在し、自分がリンク召喚に成功した場合』は両方成立しており、
どちらもタイミングを逃さない『場合に発動できる。』テキストであるため両方発動できるのでは?と思う方もいるでしょう。

正直、これらのテキストと遊戯王の基礎ルールだけ学んでいたら僕もやってしまうと思います。

何しろ上のムーヴがまかり通ってしまう場合(実際にはできませんが)、
ガゼル着地後の墓地落とし効果とパラレル着地後の同名リクルート効果が同時に発動、
通したい効果をチェーン1、無効にされても妥協できる効果をチェーン2と組むことで、
《灰流うらら》や《PSYフレームギア・γ》の無効系手札誘発からチェーン1で発動した効果を確実に通すプレイングが可能となってしまいます。

ですが、遊戯王には次のような裁定が存在します。

Q.手札に「トラゴエディア」と「冥府の使者ゴーズ」が存在する時に、直接攻撃によって戦闘ダメージを受けた場合、それぞれの効果をチェーンして発動し、両方とも特殊召喚する事はできますか?


A.直接攻撃によって戦闘ダメージを受けた時に「トラゴエディア」と「冥府の使者ゴーズ」が手札に存在する場合でも、その両方を特殊召喚する事はできません。
「トラゴエディア」か「冥府の使者ゴーズ」、どちらか1体のみ特殊召喚できます。
2017-03-24

www.db.yugioh-card.com

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画像が小さくてゴーズのテキスト読みにくいので、一応テキスト置いときます。

自分フィールド上にカードが存在しない場合、相手がコントロールするカードによってダメージを受けた時、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。この方法で特殊召喚に成功した時、受けたダメージの種類により以下の効果を発動する。●戦闘ダメージの場合、自分フィールド上に「冥府の使者カイエントークン」(天使族・光・星7・攻/守?)を1体特殊召喚する。このトークンの攻撃力・守備力は、この時受けた戦闘ダメージと同じ数値になる。●カードの効果によるダメージの場合、受けたダメージと同じダメージを相手ライフに与える。

さて、ここからがKONMAI語の難しいところです。上の裁定から読み取らなければならない『本質』は次の暗黙ルールです。

『手札から特殊召喚する効果を含む誘発効果は、(プレイヤー1人につき)同一チェーン上で1枚しか発動できない。』

上で取り上げたガゼル、パラレル、トラゴ、ゴーズの4枚の特殊召喚効果は、いずれも誘発効果に分類される効果です。

基本的に、誘発効果とは「召喚・特殊召喚に成功した場合」や「フィールドから墓地に送られた場合」のような、特定タイミングでしか発動できないスペルスピード1のモンスター効果の分類を指します。

ですが昨今の遊戯王では「墓地に送られた場合に発動できる」モンスターを素材に「特殊召喚に成功した場合に発動できる」モンスターを出し、任意の順番でチェーンブロックを組むことができるという状況が少なからず見られます。

(ただし強制効果テキスト「場合に発動する」等の場合は必ず任意効果テキストより前にチェーンを組まなければならないという原則もあります。)

そういう面で見ると、最近の遊戯王は「スペルスピード1.5」(=スペルスピード1でありながら、特定のカードとの同時発動により任意にチェーンを組める。非公式な自分の中での造語です)に相当する誘発効果が多いと感じます。

ですが、同じ「手札から発動できる効果」でも「スペルスピード1」と「スペルスピード2」には大きな差があります。

スペルスピード2は「(発動条件さえ満たされていれば)任意のタイミングで発動できるカード」であり、カウンター以外の罠、速攻魔法、誘発即時効果を持つモンスター、の3種が該当します。

現在では「増殖するG」や「灰流うらら」、「幻創龍ファンタズメイ」のような手札から発動するモンスター群を「手札誘発」と総称しており、対戦において耳にする機会も多いです。

しかしGやうららは誘発即時効果、ファンタズメイの特殊召喚は誘発効果であるため、正確には異なる効果分類です。
ガゼルもパラレルも「手札で発動する」というくくりで見れば「手札誘発」です。ですが、Gうららのようにスペルスピード2の誘発即時効果分類ではありません。

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勝手な類推ですが、先のガゼルパラレル事件はこうしたスペルスピードの読み違えによって起きた悲しい事件だったのでは、と思います。

また、2018年、2019年に登場した2枚のカードで起こる状況を、10年以上前のカードの裁定を元にして解決しなければならない、
という裁判における判例法主義のような現状を、もう少し現代のカードにシフトしてもいいのかなと思います。

よく使われる最新のカードに限って公式サイトのQ&A集が空っぽで、昔よく使われたが今はあまり見ないカードに限って充実している、というのは最近参入した遊戯王プレイヤーなら一度はあるのではないでしょうか。

とりあえずルールに少しでも不安を感じる方は、最新の公式ルールブックを買って一通り目を通してみるのがいいと思います。
1000円弱で裁定に強くなり、ルールミスに気付けるようになるなら安いものだと思います。
(もちろん、過度に対戦相手のルールミスを指摘してジャッジキルに持ち込んではいけません。
カードゲームは対人で行われる以上、コミュニケーションが必要不可欠なゲームです。
ある程度の間違いやうっかりを見逃しながら、自分の純粋な「勝ち」に向かっていけるのが、真のカードゲームうま太郎なのではないでしょうか。)

まあ、冒頭に紹介した対戦で、僕はルールミスを指摘しながら負けたクソ雑魚ですが。

とりあえず全国の転生使いに言いたいのは、
「手札のガゼルとパラレルでチェーン組んで発動はできないぞ!!!!」
ということです。

念のため、8月9日付でのOCG事務局への裁定確認メールのスクショを張り付けておきます。

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もちろん冒頭の展開の続きで、例として手札からパラレルエクシードのみを発動、
ベイルリンクスのリンク先に特殊召喚し同名リクルート
2体でデュガレスをX召喚し効果使用、
デュガレスとベイルでサンライトウルフL召喚、
ベイルが落ちたので手札のガゼル効果発動。特殊召喚して墓地肥やし…

のように動けるため、パラレルエクシード自体の投入価値はあまり変わらないと思います。


では、突然ですがここで裁定クイズです。

最近よく見るカードに関する類例です。

Q.相手が5体以上の召喚・特殊召喚を行ったメインフェイズ中、EXデッキから特殊召喚されたモンスターが存在している場合、自分の手札から「教導の騎士フルルドリス」の①の特殊召喚効果にチェーンして自分の手札の「原始生命態ニビル」の①効果を発動できる?

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THINKING TIME....















A.できます。

これに「え?だってさっき手札から同一チェーン上で1体しか出てこれないって言ったじゃん!」
と思った方はまだ効果分類の認識が甘いです。

「同一チェーン上で1体しか出てこれない」のはスペルスピード1の誘発効果に分類される効果に適用されるルールであり、スペルスピード2である誘発即時効果による手札からの特殊召喚においては適用されません。

今回の場合フルルドリスもニビルも誘発即時効果に分類されるため、チェーンを組んで発動し、相手の盤面を更地にしながら自分場に実質3000打点のモンスターを2体並べられるというわけです。

実際にこの動きを行う場合の注意点としては、
相手が優先権を放棄したタイミングでフルルドリスの効果発動、その後一旦相手にクイックエフェクトの優先権を渡し発動確認をした後でニビルの効果をチェーンする、といった形になるので、
ノータイムで「チェーン1フルルドリス、チェーン2ニビル」ができるとは限らないことに留意しましょう。

また、誘発即時による手札からの特殊召喚は、誘発効果による手札からの特殊召喚効果にチェーンを組むことも可能です。
例として(ほぼデッキ構築として難しいですが)、
サラマンを素材にベイルリンクス特殊召喚成功時に
(相手のQE発動確認後に)ガゼル特殊召喚効果発動、
(相手のQE発動確認後に)チェーンする形でフルルドリス特殊召喚効果発動、
という風にして手札から2体並べることも可能です。

おまけ

それにしても、なぜここまで転生のパラレル普及率が高いのか…
取材班はその秘密を求めて、アマゾンの秘境へとGoogle先生に助けを求めた…

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とりあえず一番上の某ードラボのブログでも見てみるか…

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なるほど…フォーマッドスキッパーねぇ…俺は入れないけど

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ん…?
んん……!?!?

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それが!!!!できないって!!!!言ってるんじゃい!!!!!!!!!!!!!!!

ということで長々と連ねてきましたが、ここに来てまさかの”真犯人”が見つかってしまいました。

某ードラボさんは秋葉原遊戯王公式店ともいえるサテライトショップに携わっていたり、某遊戯王オフ会にも出店してくださったりと信頼のおける店だと思っていたのですが、ブログでまさかのルールミスを掲載してしまうとは、個人的にやや残念です。

まあ、これからもリアル店舗は使いますけどね。

ということで今回のもう一つの教訓『カドショの紹介ブログすら”疑え”』でした。

それではまた~。

【遊戯王】ヌメロンホープゼアルへの対抗策を考える【ヌメロン】

生きてま~~~す。二郎です。

 

アイマス765ASのライブが詳細発表前にポシャってしまい、ミリシタ3周年くらいしか楽しみが無くなってしまったので、しばらく遊戯王沼を中心に潜んでいこうと思います。

(TwitterでミリオンLIVE生配信実況しないとは言ってない)

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遊戯王沼に潜む俺(ぶっちゃけサラマンに刺さるから禁止にしてほしい)

というわけで今回も遊戯王のお話です。

本日のお題はこちら。どん

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こいつへの対策です。

2015年月刊遊戯王Vジャンプ応募者全員サービスパックのカードに何をいまさら、という感じはしますが、今週土曜発売の新パック「COLLECTION PACK 2020」に登場する新テーマ「ヌメロン」によって先攻手札消費1枚からホープゼアルが立ってしまうことが判明してしまったため、YP達が戦々恐々としています。

まあ先攻で立てられて、後攻で魔法、罠、モンスターのカード効果を一切発動できないというのは同じカードゲームを遊んでいる気分になれないため、発売日以降の環境では最低でもサイドからホープゼアルを処理する手段を搭載しておく必要があることには違いありません。

(おっと、ドラグーン君の悪口をいってしまったかな?)

例によって長いんで、流し流し読むことを推奨します。

 

そもそもヌメロンって何するのよ

突き詰めると《ヌメロン・ネットワーク》と《ヌメロン・ダイレクト》の2枚です。

カード画像については公式の転載不可のものしかないため、こちらからご確認ください。

また、あくまでも判明しているテキストは2020年6月17日現在のものであり、発売時点で変更される可能性がないことはないことも書き添えておきます。

まずコンボの中核となるフィールド魔法《ヌメロン・ネットワーク》について

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに、発動条件を満たしている「ヌメロン」通常魔法カード1枚をデッキから墓地へ送って発動できる。
この効果は、その魔法カード発動時の効果と同じになる。
(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、
自分フィールドの「ヌメロン」XモンスターがX素材を取り除いて効果を発動する場合、
X素材を取り除かずに発動する事もできる。

(遊戯王カードWikiより引用)

この(1)効果によって発動されるのが通常魔法《ヌメロン・ダイレクト》になります。

(1):自分のフィールドゾーンに「ヌメロン・ネットワーク」が存在し、
自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。
EXデッキから「ゲート・オブ・ヌメロン」Xモンスターを4体まで特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに除外される。
この効果の発動後、ターン終了時まで自分は1回しかモンスターを召喚・特殊召喚できない。

本来であれば、ダイレクトの効果によって並んだNo.1~4のゲートオブヌメロンの共通効果(というか4体とも同じ効果しか持っていない)によって、相手モンスターの攻撃力を超えるまで自爆特攻&全体攻撃力倍加を繰り返してビートする、というのが想定されたのでしょうが、よりにもよって1回の特殊召喚を許してしまったがために、同じランクの「No.」Xモンスター×3からホープゼアルが出てしまうといった寸法です。

もっと非情になれよKONMAI

 

 また、星1闇悪魔モンスター《ヌメロン・ウォール》の存在により、ネットワークはデッキから直接発動することも可能です。

星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):「ヌメロン・ウォール」以外のカードが自分フィールドに存在しない場合、
手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。
手札・デッキから「ヌメロン・ネットワーク」1枚を選んで発動する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、そのダメージステップ終了後にバトルフェイズを終了する。

汎用的なフィールド魔法サーチである《テラ・フォーミング》《盆回し》に加え、自身をリリースしてフィールド魔法をサーチし「自分フィールドにモンスターが存在しない」発動条件を維持することができる《惑星探査車》をガン積みしていると仮定すれば、《ヌメロン・ネットワーク》にアクセスできる枚数は自身を含めて11枚、《ヌメロン・ウォール》を手札コスト1枚でリクルート可能な《ワン・フォー・ワン》も含めると最高13枚初動という驚異の枚数になります。

これは最低でも1枚以上が初手に来る確率は約88%となり、ドローソースも視野に入れれば事故はほぼないといえるでしょう。

また、昨年春に発売されたアルミラージくじプレミアムパック2020にて、ヌメロンと非常に相性が良いドローソース《希望の記憶》が登場しています。

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Amazonでみたらウルトラで900円近くだった。

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。①:自分フィールドの「No.」Xモンスターの種類の数だけ、自分はデッキからドローする。

(遊戯王オフィシャルカードゲーム カードデータベースより引用)

ヌメロン4体を展開後に、希望の記憶で4ドロー!ホープゼアル!といきたいところですが、1ターンに5体以上出すとニビルに引っかかる可能性を考えて、3体3ドローに抑えるのが無難でしょう。

使う側から考えるホープゼアル

では、そんな10枚以上の初動が約束されたデッキから登場するホープ・ゼアルのテキストを熟読していきましょう。

光属性 ランク0
戦士族 エクシーズ / 効果
攻撃力? 守備力?
同じランクの「No.」Xモンスター×3
ルール上、このカードのランクは1として扱う。このカードは手札の「RUM」通常魔法カード1枚を捨て、自分フィールドの「希望皇ホープ」モンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。①:このカードのX召喚は無効化されない。②:このカードのX召喚成功時には、相手は効果を発動できない。③:このカードの攻撃力・守備力はこのカードのX素材の数×1000アップする。④:相手ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このターン相手は効果を発動できない。

 

注意すべきは、④の効果は現代遊戯王に跋扈する「発動・効果を無効にする」いわゆるパーミッション効果ではないという点です。

一見同じように見えますが、その使い方は大きく異なります。

 例として、ドラグーン君と比較してみましょう。

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「リリーサー居ないから許して」許しません!!!!

(前略)

 ③:1ターンに1度、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、手札を1枚捨てて発動できる。その発動を無効にして破壊し、このカードの攻撃力を1000アップする。

 ドラグーンのような効果は、「無効にしたい効果の発動」に直接チェーンして発動する必要があります。

ホープゼアルの場合、「効果の発動」にチェーンして④効果を発動しても、既に発動した効果およびチェーン発動された効果は無効にならないという《深淵に潜む者》で有名な裁定が下っているため、相手の動きを封じるには優先権が回り次第即発動が求められます。(唐突な伏線回収)

 

相手ターン開始時から相手メインフェイズまで、お互いにカードを発動していない場合の優先権の移り変わりは以下の通りです。相手がクイックエフェクト(速攻魔法や手札罠等のスペルスピード2で発動できるカード、以下QE)を発動できる優先権を赤字、自分のQE可能な優先権を青字で示します。

 

―ドローフェイズ開始―

相手のドロー

①ドロー直後の相手優先権

②ドローフェイズ終了前の自分優先権

―ドローフェイズ終了・スタンバイフェイズ開始―

③スタンバイフェイズの相手優先権

④スタンバイフェイズ終了前の自分優先権

―スタンバイフェイズ終了・メインフェイズ開始―

⑤メインフェイズの相手優先権(QE以外も発動可能)

 

(よく「スタンバイに増Gで」って言いますけど「ドロー後に増Gで」でも問題ありません。特筆して差が無いのでドローフェイズ優先権のやり取りは省略されがちですが、一応スタンバイ前にも優先権来るよということを示すために書きました)

 

上のように、どんなに頑張ってもルール上優先権を先に得るのはターンプレイヤー=相手となるので、で発動されたQEは必ず通してしまうことになります。

とは言ったって、最強のホープゼアルを処理できるようなQEがそうそうあるはずが…

 

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僕はサイドラインフィニティが嫌いなのでこのイラストは好き(歪んだ愛情)

あったわ

対策カードNo.1《無限泡影》

自分フィールドにカードが存在しない場合、このカードの発動は手札からもできる。①:相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする。セットされていたこのカードを発動した場合、さらにこのターン、このカードと同じ縦列の他の魔法・罠カードの効果は無効化される。

Twitterで「ヌメロンからホープゼアルが出せるぞおおおうおおおおおお!!!」となっていた矢先に、そこかしこから「いやそれ泡影1枚で終わるべ」と釘を刺されまくっていました。確かにぃ~↑

 

基本的に、泡影1枚あればほぼ解決します。ここからはホープゼアルを相手取る後攻側だと想定します。(視点コロコロ変わってメンゴ)

 

 まず、先述のように先打ち前提となる発動封じ効果である以上、相手に優先権が回ったタイミングでゼアル効果が使われます。

それにチェーンして泡影を打つだけです。神宣のようなカウンターが飛んでこなければ相手の場には攻守0のXモンスターが一体です。効果も使えます。あとは煮るなり焼くなり。

仮にスタンバイで先打ちしてこなかった場合、こちらからの泡影先打ちも効果的です。

チェーン1:無限泡影→チェーン2:ホープゼアル と組まれ、逆順処理によりホープゼアルの発動封じ効果は通してしまうものの、ホープゼアルの攻守は効果無効により0となるため、適当なモンスターを通常召喚して戦闘破壊に持ち込めます。

この辺のプレイングはデッキが通常召喚に重きをおくか、特殊召喚に重きを置くかによって変わってくるでしょう。

 

 とはいえ、40枚の中に3枚しか入れられないカードにすべてを託すというのはあまりにも無謀です。《無謀な欲張り》の盗賊っぽいおっちゃんも「やめとけ」というレベルです。

ですが、さすがは1万種を誇るTCG遊戯王。探そうと思えばホープゼアルの処理手段は結構出てきます。

 

対策カードNo.2《ダイナレスラー・パンクラトプス》

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コレクターズレア再録おめでとう(激遅)

地属性 レベル7 恐竜族
効果
攻撃力2600 守備力0
このカード名の、①の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、②の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、このカードは手札から特殊召喚できる。②:自分フィールドの「ダイナレスラー」モンスター1体をリリースし、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。この効果は相手ターンでも発動できる。

遊戯王10期が生んだサイドラ系モンスターの最高峰。

後攻なら緩い上に「発動を伴わない」特殊召喚、高い打点、フリチェ破壊。現代遊戯王のインフレが生み出したモンスター(ダブルミーニング)です。

効果を一度使ったゼアルは攻守2000なので、戦闘破壊を狙っていけます。

また、相手にターンを返し、性懲りもなくヌメロンネットワークを起動させようものならフリチェ破壊でネットワーク効果を不発に終わらせられます。

唯一の欠点はみんなが使いすぎて準制限になってしまったこと。(ホープゼアル対策で無制限になるかと思ったけど戻らなかった)

 

対策カードNo.3《ミストデーモン》

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見た目攻2700くらいありそう

闇属性 レベル5 悪魔族

効果
攻撃力2400 守備力0
①:このカードはリリースなしで召喚できる。②:このカードの①の方法で召喚されている場合、エンドフェイズに発動する。このカードを破壊し、自分は1000ダメージを受ける。

パンクラと同様、ゼアル効果使用後に戦闘破壊を狙っていく上でおすすめのモンスターです。

悪夢のリリーサードラグーン時代、店舗代表が欲しかった僕はサラマンのサイドにこいつを積んでクソガキクラウソラスをぶん殴ってました。(それでもなお勝てなかった模様)

ゼアルの効果が適用されている場合、デメリットとなるエンドフェイズの自壊&バーン効果も発動しなくなるため逆にシナジーが生まれています。遊戯王っておもしれー。

なお、《光神機-桜火》でも似たような動きが可能ですが、ミストデーモンの方が再録回数が多く集めやすいです。ストレージをちょろっと探せば闇ストラクRで採録された奴が入ってると思います。 

対策カードNo.4《PSYフレームギア・γ》

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投げられて嫌な誘発第6位くらい。顔が腹立つ

 光属性 レベル2 サイキック族
特殊召喚 / チューナー / 効果
攻撃力1000 守備力0
このカードは通常召喚できず、カードの効果でのみ特殊召喚できる。①:自分フィールドにモンスターが存在せず、相手モンスターの効果が発動した時に発動できる。手札のこのカードと自分の手札・デッキ・墓地の「PSYフレーム・ドライバー」1体を選んで特殊召喚し、その発動を無効にし破壊する。この効果で特殊召喚したモンスターは全てエンドフェイズに除外される。

 無限泡影と同じく、ゼアルの効果発動にチェーンして無効にでき、なおかつ破壊も行えます。他の手札誘発と異なり墓地に行かないため、伏せられた《墓穴の指名者》《抹殺の指名者》等を無力化できる点も強いです。

自分の盤面には《PSYフレーム・ドライバー》とセットで残るため、星8で汎用シンクロしたり、《水晶機巧-ハリファイバー》等のリンク召喚素材に使ったりできるので展開系のデッキでは優秀な対策札となるでしょう。

欠点は《PSYフレーム・ドライバー》だけが初手に来ると地獄を見ること。まあそれを差し引いても強いんですけどね。

またダイレクトの発動条件に合わせられる自主退場効果付きのモンスターであるため、ヌメロンゼアル側の防御札として入っている可能性も考えられます。その場合《抹殺の指名者》で抜かれる可能性もあるので気を付けましょう。

対策カードNo.5《エクシーズ・オーバーディレイ》

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エストロークきゅぅぅぅん!!!

このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。①:相手フィールドのX素材を持ったXモンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスターのX素材を全て取り除き、対象のモンスターを持ち主のエクストラデッキに戻す。その後、取り除いたX素材の中にモンスターカードがあった場合、そのモンスターを墓地から可能な限り相手フィールドに守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは1つ下がる。

何だこのピンポイントメタカード!?!?

4枚目以降の無限泡影、かつゼアルの除去を行える最強マイナーカードです。

素材5枚のロンゴミアントに唯一対抗できるカードの1枚でもあります。

無限泡影やPSYフレームギア・γと違い、こちらは後攻ターンプレイヤーの優先権が来てすぐ、つまり必ずドロー直後に打たなくてはなりません。

1文目のチェーン不可の文章により、エクシーズメタ版の《超融合》みたいな感覚でカウンターを気にせず打つことができ、ゼアルをデッキバウンスさせます。

その後、X素材をすべて蘇生させる、といった文言がありますが、《ヌメロン・ダイレクト》によって特殊召喚されたゲートオブヌメロン達は「X召喚扱いではない特殊召喚」で場に出ているため、蘇生制限を満たしていません。

つまり蘇生の処理は行われず、ゼアルがEXデッキにサヨナラバイバイするだけとなります。

ゼアル効果を封じつつ除去もこなせ、かつ召喚権もスロットも割かないという点では至高のホープゼアルメタといえるでしょう。

また、このようなマイナーカードを使った時点で「こんな意味わからんカードを使ってくる遊戯王博物館に勝てるわけがない…」と思わせて、意気消沈からのサレンダーまで狙うことができます。汎用カードである無限泡影にはできない芸当です。(本当か?)

ちなみに僕がこのカードを知ったきっかけは以下の動画です。(オーバーディレイの登場は8:18~あたりから)

 

 (ルールミスとかはあるけど)めちゃくちゃ面白いから、城下町デュエルを見て。

 

オーバーディレイの欠点ですが、誰がどう見てもわかる通り、

ヌメロンゼアル以外のデッキにはほぼ無力ということです。

「先攻で真竜皇ザビースト立ててくるジェネレイドに対しては少しだけ対抗できるかもしれない…?」程度。

 

さて、ここまで「後攻自分ターンでどう処理するか」を考えてきたわけですが、

現代遊戯王たるもの、先攻相手ターンから妨害を構えるのが当たり前です。

 

ここからは相手ターンのゼアル展開を妨害するための手札誘発を考えていこうと思います。

まず、現環境でメインから積まれやすい手札誘発としては、《増殖するG》、《灰流うらら》、《エフェクト・ヴェーラー》あたりでしょう。

ですがヌメロンゼアルに対してこれらの誘発は正直刺さりにくいというのが本音です。

 

まず増G、ヌメロンゼアルが先攻で行いたいことは「ヌメロンダイレクトでゲートオブヌメロン3体供給からのホープゼアル」が主なので、必要特殊召喚回数は2回です。

Gを通したところで、無限泡影(とオーバーディレイ)さえ引かれなければ他のカードは発動できないも同然なので、あまり痛くありません。またハンド・アドバンテージの差も、《希望の記憶》を引けていれば埋めることができます。

 

一見刺さりそうなうららに関してですが、確かに《テラ・フォーミング》や《惑星探査車》あたりは止めることができます。しかし《ヌメロン・ウォール》《盆回し》は手札に加えるではなく直接発動orセットであるため、うららの効果適用外となってしまいます。

また、テラフォや探査車を止めたところで、アクセス手段が豊富である以上、2枚目を使われる可能性も十分にあります。

 

ヴェーラーに至っては何も仕事がありません。展開そのものにモンスター効果が関係なく、ホープゼアルの効果は自分ターンで使うものだからです。《ヌメロン・ウォール》に打ったところであちらもフリチェでリリース発動するため利きません。閃刀のレイちゃんみたい

 

ですので、これらに頼らない誘発による対策も必須となってきます。

墓穴の指名者?そんなの気合いだよ気合い

 

対策カードNo.6《幽鬼うさぎ》

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男の娘だとしても可愛い。ちょっとくさそう

光属性 レベル3
サイキック族
チューナー / 効果
攻撃力0 守備力1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:フィールドのモンスターの効果が発動した時、またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。フィールドのそのカードを破壊する。

 《ヌメロン・ネットワーク》から《ヌメロン・ダイレクト》効果を発動しようとした際にチェーンで処理できます。ネットワークがフィールド魔法である以上、効果処理時に存在していなければ効果は不発となり、効果に使用制約がある以上2枚目以降も腐らせることが可能です。

仮に《ヌメロン・ネットワーク》を張られた後に手札から《ヌメロン・ダイレクト》が発動されたとしても、自分ターンで効果を発動したホープ・ゼアルにチェーンすれば発動封じはかかるものの処理自体は可能です。

対策カードNo.7《ノーマテリア》

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メカクレはいいぞ^~

 地属性 レベル1
天使族
効果
攻撃力0 守備力1000
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドにカードが存在せず、相手がモンスターの特殊召喚に成功した場合、このカードを手札から捨て、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。このターン、そのモンスターはリリースできず、融合・S・X・リンク召喚の素材にもできない。

 EXTRA PACK2019でニビルとともに上陸した海外先行手札誘発っ娘です。

ニビルと違いボードアドバンテージにつながらないので微妙扱いされてきましたが、ヌメロンゼアルの対策札としてようやく日の目を見れそうです。

ただし素材不可制約を1体にしか付けられない都合上、ゲートオブヌメロンを4体展開された場合はゼアルが出てしまいます。

ニビルケアの3体か、ノーマテリアケアの4体か、ヌメロンゼアル使いにとっても難しいところでしょう。悩め、若人よ。そしてそのデッキを崩せ

地味に召喚獣のアレイスター→アルミラージ→セキュア・ガードナーの王道展開をアルミラージで止め、厄介なメルカバーを封じることもできます。手札にヴェーラーやドラグマがいる?それはあきらめましょう。

 

対策カードNo.8《ディメンション・アトラクター》

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Q.ディメンションアトラクターは男性ですか女性ですか A.調整中

闇属性 レベル6
魔法使い族
効果
攻撃力1200 守備力2200
①:自分の墓地にカードが存在しない場合、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。次のターンの終了時まで、墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。この効果は相手ターンでも発動できる。

こちらもEXTRA PACK2019でニビル、ノーマテリアとともに来日した海外産です。

やはり海外では増Gが禁止である以上、代わりとなる先攻大量展開の対策札を出す必要があったのでしょうね。

2ターンの間お互いにマクロコスモス状態を作り出します。

 《ヌメロン・ネットワーク》のコピー効果による発動コストとして『「ヌメロン」通常魔法カード1枚をデッキから墓地へ送』る必要があるため、墓地へ送れない状況=除外されてしまう状況にしてしまえばダイレクトを間接的に止めることができます。

欠点としては手札からのダイレクトには対応できないこと、マクロ状態が次のターン終了時=後攻自分ターンまで続いてしまうため、デッキによってはアンチシナジーとなってしまうことです。またレベル6なので自分ターンに各種素材にすることも難しいです。

その代わりにヌメロンゼアル以外にも墓地を利用する展開系デッキ(それこそサラマンとか)に刺さるので、汎用性としてはそこそこです。

 

対策カードNo.9《浮幽さくら》

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EXを刈り取る形をしているだろう?

 闇属性 レベル3 アンデット族
チューナー / 効果
攻撃力0 守備力1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、このカードを手札から捨てて発動できる。自分のEXデッキのカード1枚を選んでお互いに確認する。その後、相手のEXデッキを確認し、選んだカードの同名カードがある場合、その相手の同名カードを全て除外する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 自分のEX枠が余っていたら、こちらもホープゼアルを投入して、ゲートオブヌメロンが並んだ瞬間にさくらちゃんで除外してしまいましょう。できたらめっちゃ気持ちいいと思う(小並感)。

もし万が一、相手のEXにホープゼアルがなく、純粋なゲートオブヌメロンデッキだった場合は相手を疑ってしまった自分を恥じましょう。そしてその対戦相手は絶対にいい人です。是非友達になりましょう。その後同じデュエルでホープゼアルが出てきた場合はジャッジを呼びましょう。(サイチェン後は普通にEXの中身が変わる可能性あり)

もちろんホープゼアルが抜けたからといって、《無限起動要塞メガトンゲイル》や《召命の神弓-アポロウーサ》になる可能性はあるので油断は禁物です。

対策カードNo.10《原始生命態ニビル》

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海外環境だとメイン3積みされてるらしくて恐ろしい

光属性 レベル11 岩石族
効果
攻撃力3000 守備力600
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。①:相手が5体以上のモンスターの召喚・特殊召喚に成功したターンのメインフェイズに発動できる。自分・相手フィールドの表側表示モンスターを全てリリースし、このカードを手札から特殊召喚する。その後、相手フィールドに「原始生命態トークン」(岩石族・光・星11・攻/守?)1体を特殊召喚する。このトークンの攻撃力・守備力は、この効果でリリースしたモンスターの元々の攻撃力・守備力をそれぞれ合計した数値になる。この効果は相手ターンでも発動できる。

先ほどから何度も言及されている彼です。ニビルです。

相手が5体の展開をしなければ発動できませんが、《惑星探査車》からのネットワークサーチを行う場合はゼアルまでに必ず5体展開するために狙い目となります。

こうしてみるとEXTRAPACK2019ってヌメロンへの布石だったのかもな…

対策カードNo.11《機巧蛇-叢雲遠呂智》

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機巧シリーズの中で一番好き。

闇属性 レベル8 機械族
効果
攻撃力2450 守備力2450
このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。①:このカードが手札・墓地に存在する場合、自分のデッキの上からカード8枚を裏側表示で除外して発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。②:自分のEXデッキからカード3枚を裏側表示で除外し、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊する。

オルフェを地味に支え続ける良カードです。

デッキリソースを食いますが、ホープゼアルの手が及ばない先攻相手ターンでも特殊召喚できる点、効果発動後のゼアルを打ちとれる点、除去効果を持つという点ではかなり優秀な部類です。

 

対策カードNo.12《教導の騎士フルルドリス》

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名前からして絶対女の子

光属性 レベル8 魔法使い族
効果
攻撃力2500 守備力2500
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:EXデッキから特殊召喚されたモンスターがフィールドに存在する場合、自分・相手のメインフェイズに発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。自分フィールドに他の「ドラグマ」モンスターが存在する場合、さらにフィールドの表側表示モンスター1体を選んでその効果をターン終了時まで無効にできる。②:自分の「ドラグマ」モンスターの攻撃宣言時に発動できる。自分フィールドの全ての「ドラグマ」モンスターの攻撃力は500アップする。

定期通常ブースター最新弾からも対策が出ていました。

EXモンスターメタとなる新テーマ「ドラグマ」のカードですが、【ドラグマ召喚獣】等ですでに採用実績があり、「展開できるヴェーラー」「3000打点のヴェーラー」「ごはんをいっぱい食べる娘からサーチできるヴェーラー」などと称されています。(半分くらい嘘です。僕がそう呼んでるだけです。)

効果無効はターン終了時まででゼアルに打っても意味はないですが、素打点が2500あり、オロチと比べてリソース消費もないことから採用しやすいカードといえます。

 

「相手の特殊召喚時に手札から出る攻2000超のモンスター」は数多くいるのですが、ゼアル召喚時には効果発動が封じられるため出せなくなります。

かといってゲートオブヌメロンが並んだ際に出しても、《無限起動要塞メガトンゲイル》のような攻撃力を上回るモンスターを出されてしまえばひとたまりもないので、召喚時発動展開系のモンスターは今回は省いてあります。

その点、オロチやフルルドリスはフリーチェーンで相手ターンに出せるのでいいですね。

しかし自分場に出る都合上、無限泡影やPSYフレームギア・γを使えなくなる点には注意です。(まあ処理はできますが)

 

自分が先攻、ヌメロンゼアルが後攻となった場合についてですが、《魔封じの芳香》や《王宮の勅命》のような魔法カードメタが刺さると思います。

ネットワークの破壊さえできればかなり有利になるので、《サイクロン》に準ずるフリチェ魔法罠破壊も有効です。そういう意味ではペンデュラムテーマに通じるところがあります。

 

と、あらかたの対策札は一通り出たと思います。

やはりドラグーンと比べると耐性が弱いので、様々な弱点を突いて対処することができそうです。というかドラグーンの耐性が強すぎるんだよ。

 

では、ここからは【ヌメロンゼアル】が組まれるとしてどういった構築になるのかを考えていきます。

ボーダーメタビの進化版【ヌメロンゼアル】

ゼアル1体だけなら先述のように様々な対策が講じられます。が、問題は伏せられているであろう相手のバック、罠カードについてです。

【ヌメロンゼアル】の特徴として《希望の記憶》による3ドローないし4ドローが大きな脅威です。正直うららを投げるならここだと、個人的には思います。

ゼアルを出してしまえば展開ができない以上、ゼアルを守るためのカードは罠カードか、手札誘発に依存します。

真っ先に対策札として考えられるであろうパンクラについては、《虚無空間》のような特殊召喚メタ系の永続罠で対策されるでしょう。制限カードですが、4ドローの前では引かれる確率がかなり高まります。

無限泡影についても、《神の宣告》に代表されるカウンター罠で無効を食らう可能性があります。スペルスピード3のカウンター罠に関しては、後攻で対処できるカードは《レッド・リブート》程度しかなく、無限泡影とリブートを両方抱えるというのはかなりの引きが要求されます。

また、戦闘破壊をケアしろと言わんばかりにホープゼアルは光属性です。

攻撃表示光属性との戦闘時に聞きたくないセリフ永遠の第1位「ダメステいいですか?」の恐怖の再来です。ダメステよくねえよ。

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忘れないよ~初めての夢~♪

もし僕が【ヌメロンゼアル】を組む側に立ったとしたらオネスト3積みします。

 

《インスペクト・ボーダー》による効果を封じての罠ビートは10期の間を通して散見されていましたが、ボーダーへのアクセス手段がほぼない、ドロソを強貪・強金等に頼らざるを得ない等の点からボーダーを引ければ強いが引けなければジリ貧という安定性に欠けている感が否めませんでした。

ですが【ヌメロンゼアル】はこれらの点をほぼすべて克服しているといえます。豊富なネットワークへのアクセス手段、希望の記憶という強力なドロソ、かなりの安定した戦果が期待できるのではないでしょうか。

 

10月制限でホープゼアルが禁止になるか否かは、YPのみなさんの頑張り次第だといえます。対策をしっかりすれば生き永らえ、天下を取られれば牢獄行き。

なんか矛盾してる気もしますが、「将来性のあるデッキ」を握り続け、磨き続けていきたい層のデュエリストとして、僕ができるのはここまでです。

 

「所詮たった一生 盛者必衰

漂う世相も一辺倒

何の標もない路傍に

咲いて上等の人生譚

通す仁義なんて無い時勢と

儚んで往生って勘弁

道なき道もまた一興

さぁ"無限泡影"を乱れ舞って」

 

THE IDOLM@STER THE@TER ACTIVITIES 02収録 侠気乱舞/ジュリア(愛美),周防桃子(渡部恵子),大神環(稲川英里),木下ひなた(田村奈央),福田のり子(浜崎奈々) より(一部改変)

 

 では

【遊戯王】4月新制限をギリギリで予想してみる【制限改訂】

どうも。二郎です。

本日は2連チャンでもう一本、遊戯王OCGの2020年4月からの制限改訂を予想していきたいと思います。

改訂の度に予想はしていたのですが、それをこうした形で上げるのは初めてなので気を引き締めていきたいと思います。

というか前回の発表日的に今日来る可能性が高い時点で全然引き締まってないけどね!

ゆるゆる極まりないね!

だらだら書くのもあれなので、先に予想を挙げます。

 

禁止カード

・儀式魔人リリーサー

・超雷龍-サンダー・ドラゴン

・星杯の神子イヴ

・No.41 泥酔魔獣バグースカ

・転生炎獣アルミラージ

・オルフェゴール・バベル

・真紅眼融合

 

制限カード

・オルフェゴール・ディヴェル

・キャノン・ソルジャー(エラッタ)

・サイバーポッド(エラッタ)

・デビル・フランケン

・ブンボーグ001

・TG ハイパー・ライブラリアン

・神聖魔皇后セレーネ

 

準制限カード

・十二獣の会局

・覇王眷竜ダークヴルム

・命削りの宝札

・インフェルニティガン

 

制限解除

・ベビケラサウルス

・ワン・フォー・ワン

 

選定理由

・儀式魔人リリーサー

言わずもがな【リリクラドラグーン】の規制です。

ドラグーン規制と同時に、ケルビーニにライザー等エクストラから出てきて墓地に落とせるカードが跋扈している以上、こいつそのものを止めないと今後第二第三のリリクラドラグーンが出る可能性が残るため、禁止に行くと予想しました。

こいつが逝かないとなると、むしろケルビーニ&ライザーが危ないということでもあります。

 

・超雷龍-サンダー・ドラゴン

【サンドラ】規制のトドメにして、新ルールとの兼ね合いも含めて生存可能性は低いと思われます。

サンドラを採用せずとも、10期最後の通常弾で登場した《ネメシス・コリドー》1枚から出てこれる点、そして4月からの新ルールにおいてEXゾーン以外にも出せる点で、ありとあらゆるデッキに採用され簡単にサーチを封じることを嫌ってくるのではないでしょうか。

 

・星杯の神子イヴ

ちょっと彼女は【ドラゴンリンク】中心にやりすぎましたね。イヴハリ、ハリリンクロイヴ、どちらもヤバイですね!(君と出会い君と行くハッピーエンドのその先へ)

LVP3で登場した《星鍵士リイヴ》というやや使いにくい形でのリンク体を考慮すると、調整版として出た可能性があります。かつてのプトレマイオスとヴァトライムスですね。

何が面白いって、彼女シンクロチューナーなのに星杯、星遺物カテゴリにおいてシンクロモンスターが1体も出てないので、純星遺物星杯デッキに入れたとしてもハリの素材になってしまうというのが哀愁を感じますね。

アダマシアの水を墓地に要求する星8シンクロとも相性が良いことを考えると、禁止になったらやや残念です。

・No.41 泥酔魔獣バグースカ

こいつは特定のデッキで暴れた、という訳ではないのですが(実際僕はサラマンの先攻展開でよく使っていますが)4月ルールを考えるとEXゾーンを無視して「レベル4×2体で簡単にスキルドレイン」というパワーカードになるため、過去におけるショック・ルーラー同様、危険視されているのではと思います。

守備表示による効果無効は自分場にも及びますが、膠着状態に陥らせやすく、また相性の良い《幻影騎士団シェード・ブリガンダイン》やランク4で似たような制圧効果を持つ《深淵に潜む者》が2月に再録されたのに対し、バグースカは再録されなかったことから可能性は高いと思われます。

 

・転生炎獣アルミラージ

【リリクラドラグーン】始動の一端を担ったモンスターであり、その効果よりも「通常召喚されたモンスター1体」というクリッターの効果を即起動できるというガバガバテキストにより禁止入りするのではないかと。

クリッター1枚から神樹のパラディオンでハリに化けれるのは流石に汎用がすぎる。

また規制から解き放たれた【召喚獣】において、アレイスター1体からアルミラージ、アルミラージ1体でセキュア・ガードナーという召喚獣の中でも激ヤバな属性2種類をいとも簡単に揃えてしまうムーヴは反則だと思いました。(一回も勝ててない)

 

・オルフェゴール・バベル

これは正直可能性としてはかなり低いですが、ギルスの登場により運営が【オルフェゴール】を本格的に規制するとなった場合、バベルに手を付けるのではないかと思います。

何しろフリーチェーンにできる回数にターン制限がない以上、墓地が肥えていれば相手ターンにもう一度展開&墓地肥やしという無限サイクルが行えてしまうため、本気ならばメスを入れるはずです。ガラテアでうらら貫通サーチを行うことを考えると直接禁止行きが妥当でしょう。

似たような墓地利用展開系のサラマンのフィールド魔法知ってます?1体転生リンクすんのにターン1制限かかってるんですよ?リンク体からサーチできるフィールド魔法なのにおかしいと思いませんか???

 

・真紅眼融合

 いうまでもなく【アナコンダドラグーン】全般の規制です。純レッドアイズ寄りのデッキには厳しいですが、むしろドロドロゴン等でブラマジを入れることなく融合できることを考えると、禁止でいいと感じます。

アナコンダでの誓約効果無視に関して、なんらかの特殊裁定がはたらくのではという予想もありますね。

 

・オルフェゴール・ディヴェル

先述のバベルに規制がかからないとした場合でも、やはりディヴェルにはもう一段階規制がかかると思います。単純に俺のターンなのに墓地ディヴェルでデッキからギルス、ギルス効果でトロイメア落として、トロイメア効果でディヴェル落とすのやめて。

 

・キャノン・ソルジャー(エラッタ)

かのFWDの規制から1年、巻き込まれ規制を食らってしまったキャノンソルジャー君をそろそろ見たいです。迷宮の魔戦車を正規融合したい人もいるんですよ

とはいえそのまま釈放すると再び悪用される危険性を恐れて、名称ターン1のエラッタを施して帰ってくるのではないかと思います。

 

・サイバーポッド(エラッタ)

こいつは長年の禁止カード代表でしたが、今やサンダー・ボルトさえ制限復帰して環境でほとんど使われていない修羅の時代です。リバースというタイムラグと、破壊耐性の存在から、こいつも帰ってくるのではないかと思います。そして誰も使わないんだと思います

もし帰ってくるとすれば、繰り返しの効果発動によりデッキ破壊ないし手札補充が可能という点を考えて、名称ターン1どころかデュエル中ターン1までつけてくる可能性は十分あります。

一応デッキトップ5枚をめくる岩石族という性質上、新弾で登場したアダマシアと相性がいいため販促目的での復帰率は無くはないです。

 

・デビル・フランケン

おなじみ融合なんでも出すマン。巷では種族変更と念導増幅装置のコンボにより、ライフコスト無しで出しまくって先攻1キル、という話も出ていますが、デッキに眠っていて欲しいカードを多く要求することから、あまり実用性はないと思います。

とはいえ、余った召喚権とライフコストからドラグーンのような制圧力のある融合を簡単に出されないよう、制限か準制限にはなると思います。

 

・ブンボーグ001

003、ハリ、アウローラドンとのコンボで一躍最強カード入りを果たした奴です。ハリ素材用としてリリクラドラグーンにも採用が見られました。ハリからもう1体を出し、アウローラドンにすることで、トークン生成をトリガーに2体とも沸いてくる。しかも名称制限なしで。ヤヴァイ。

リリクラ相手にハリを止めたとき、アウローラドントークンで攻撃力3500になったこいつ2体に殴られて死んだの俺は忘れないからな。

 

・TG ハイパー・ライブラリアン

星5シンクロのヤベー奴です。複数並んでるとえげつないドロー加速になるため流石にあらかじめ制限にしておくと思われます。

 

・神聖魔皇后セレーネ

LVP3で出たばかりのカードです。環境ではエンディミオン等に採用が見られます。登場時、マジックテンペスターとの1キルコンボが話題に上がりましたが、誘発等の兼ね合いから実際に見かけることはほぼありません。しかし、「魔法使い族を含む」という緩い召喚条件と、カウンターを乗せる効果と蘇生効果に名称ターン1が無いため、ループに近い状態が発生しやすいことを考えると、今後の魔法使い族のデザインに支障が出るため、とりあえず制限にしておくのではないでしょうか。

 

・十二獣の会局

制限に戻してみたけど、あんまし使われてないからゆるめていいよね」という意味での準制限です。ただ一度、リリクラ相手に勝ちを収めて居る十二獣デッキ使いさんを大会で見かけたので、決して使われていないということはないと思います。

モルモラットの制限解除さえなければドランシアが立つ程度で、そこまで危うい盤面になることはないでしょう。

 

・覇王眷竜ダークヴルム

4月からの新ルールで、引き続きEXデッキから制限がかかるペンデュラム召喚のデッキに対しての救済的措置として、ヴルムを1枚返してくれるのではないかと思われます。

 

・命削りの宝札

YCSJ名古屋において優勝した【真竜】でも採用された、罠メタビ御用達の最大3ドロー可能なドローソースです。特殊召喚不可能とダメージ0という制約が付くものの、先攻1ターン目や、バトル終了後のメイン2で使われた際のアドの取り方は目を見張るものがあり、リソース消費も少ない点で優秀です。10期中の大会でありながら9期テーマを優勝に導いたともいえるパワーカードということで、再び準制限入りする可能性があると見ています。

 

・インフェルニティガン

手札誘発が積まれまくり、ソウルチャージすら奪われ、めっきり姿を見せなくなったインフェルニティを復活させたい、そうは思いませんか?ガンが1枚増えたところでどうにかなるものではないでしょうが、せめて、せめて1枚くらい戻してくれてもいいじゃない!

1ターン2トリシュくらいしてもいいじゃない!(ダメです)

 

・ベビケラサウルス

前回、準制限緩和されたものの、【恐竜】が制圧力はあっても1ターンでの爆発力や返せる能力に欠けるという点であまり顔を見せないため、無制限になってもいいのではないかと思います。オヴィラプターはまだいい。ただ、フォッシルダイナパキケファロだけはやめてくれ。

 

・ワン・フォー・ワン

オルターガイスト等で採用されていますが、手札コストを必要とし、かつモンスターカードであることを要求するため、モンスター多めの構築にすることを強いらされます。強力なカードであるものの、環境で暴れている印象は見受けられず、またレベル1はシンクロに有用なチューナーモンスターが多いため、シンクロ復権の意味も含めて解除される見込みはあると思われます。

 

こんな感じで、規制よりもやや緩和を意識した予想を立ててみました。

 

今日中に発表されるかは分かりませんが、全てはKONAMIの指先次第、YPのみなさんで泣いたり笑ったりしましょう。それでは~。

【遊戯王】融合軸転生炎獣デッキ解説Part.2~キマイラ1キル編~【大会優勝】

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というわけで、お久しぶりです。二郎です。がらにもなく今期の遊戯王をテーマにした4コマを描いてみました。

 

jiro-shigetada.hateblo.jp

今回は↑に引き続いて融合を軸とした転生炎獣デッキの解説をしていきたいと思います。

前回は、割と無難でポピュラーなサラマンの解説に留めたのですが、今回は試行錯誤とトライアンドエラーの末に辿り着いたこのデッキの”肝”というべき部分について解説していきます。

前回記事から結構経ちますが、その間にやや構築を変えて秋葉原で優勝したりなどしていました。

 

(優勝とは言ってますが、決勝相手の方と大会前の調整で手合わせしており、初手からデッキ読みをして互いにメタを張り合うという場外的な部分もあったので純粋な”勝ち”と呼べるかどうかは正直疑問です。)

 

その後、WCS店舗予選にも参加しながら構築を練り上げていましたが、先の4コマのように2月中旬から3月末まで公式の遊戯王関連大会が中止になってしまったので、権利は取れずじまいのまま終わってしまいました。残念。

とはいえ回し方のコツがつかめると、リリクラドラグーンとオルフェ以外なら体感7割程度の勝率を取れるので楽しいデッキでした。

そして回し方解説に加えて、「融合軸であることのメリット・デメリット」についても考察していこうと思います。

 

融合に必要なカード紹介

 「本日の主役」《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》

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炎属性 レベル8
サイバース族
融合 / 効果
攻撃力2800 守備力2000
「サラマングレイト」モンスター+リンクモンスター
①:このカードが融合召喚に成功した場合に発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、素材としたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値の半分だけアップする。

②:このカードが元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に1度、発動できる。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ倍になる。

③:「転生炎獣ヴァイオレットキマイラ」を素材として融合召喚したこのカードと戦闘を行うモンスターの攻撃力はダメージ計算時のみ0になる

(遊戯王 オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ カードデータベースより引用)

最強。

環境では一時期サラマン対策として、超融合用でエクストラに刺されていたことがありましたが、きちんとテキストを読んで採用された方は意外と少ないのではないのでしょうか?

融合素材として「サラマングレイト」モンスター1体とリンクモンスター1体を指定しており、レベル4以下のサイバース1体で出せる《転生炎獣ベイルリンクス》の存在から、サラマンデッキであれば簡単に揃えることが可能です。

主な効果としては、

①:融合召喚に成功した場合、融合素材の攻撃力合計の半分、打点が上昇する誘発効果。

②:元々の攻撃力が変わっているモンスターと戦闘を行う時、攻撃力が倍になる誘発効果。

③:同名を素材としている時、戦闘するモンスターの攻撃力を0にする永続効果。

を持っています。

 

全ての効果が「相手を一撃で1キルする」ことに特化していることが分かるかと思います。

同名を素材にした場合、①効果で少なくとも打点が1400上昇して4200になり、③効果で相手のモンスターの打点を0にするため、②効果で自身の打点を倍にし

4200×2=8400ものダメージを与えられます。

また、同名を素材にせずとも、自身の効果で打点を3000以上に上げられるため、相手場の高打点モンスターを処理する役目も背負っています。

「とはいえ、融合モンスターを素材に融合なんて効率が悪すぎる」とお思いの方もいるでしょう。僕もそう思います。

注目すべきは、②の効果のトリガーは「戦闘を行うモンスターの打点が変わっている場合」であり、同名を素材にしていなくてもその条件さえ満たせば1キル火力を作れる、という点です。

このデッキでは、(同名を素材にした場合も含めて)3通りの方法で1キルすることを狙います。

名前が長いので以下、キマイラと略記します。

「書いてあることが字レアじゃない」《フュージョン・オブ・ファイア》

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このカード名はルール上「サラマングレイト」カードとしても扱う。このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

①:自分の手札及び自分・相手フィールドから、「サラマングレイト」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

一見、《ジェムナイト・フュージョン》や《錬装融合》のような、カテゴリサポートを受けられる専用の融合魔法です。

しかし、テキストをよくよく読んでみると、

「自分の手札及び自分・相手フィールドから」

とあります。

え?やってること超融合?

カテゴリサポートを受けられる超融合!?!?!?!?

こんなカードが、強くないわけがないんだよなあ。

一応、超融合と比べると、

強い点

・ルール上、「サラマングレイト」カテゴリに属する。

・手札コスト不要。

・場だけでなく手札からも融合素材に出来る。

・無制限カードなので3枚積める。

知名度が低いので対策されにくい。

弱い点

・通常魔法なので、超融合のようにバトルフェイズや相手ターンに発動できない。

・チェーンされる。

・名称ターン1の発動制限がある。

・融合先が現状《転生炎獣ヴァイオレットキマイラ》のみ。

 

と、超融合に比べて防御札にはなりにくいですが、融合札としては勝るとも劣らない性能といえます。

相手の場も巻き込む場合、サラマンミラーでない限り、基本的に相手のリンクモンスターを素材にすることになります。狙い目は、《召命の神弓-アポロウーサ》等の妨害効果を持つリンクモンスターや、《リンクリボー》のような1キルに邪魔となるモンスターでしょう。

しかし、キマイラでモンスターを殴らないと打点が倍にならない都合上、相手場がリンクモンスター1体だけの場合は素材にせず、サンドバッグとした方が良い場合もあるので使いこなすには的確な判断力を要求されます。

また、「フュージョン」通常魔法である点から、《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》でデッキから直接発動することも出来ます。アナコンダ自体がリンクモンスターであるため、キマイラを出す消費を極めて少なくできます。

 

アナコンダのプロキシに使えるとか言った奴出てこい」《プロキシー・F・マジシャン》

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炎属性 リンク2
サイバース族
リンク / 効果
攻撃力1400 守備力-
効果モンスター2体
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①:自分メインフェイズに発動できる。自分フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

②:このカードのリンク先に融合モンスターが融合召喚された場合に発動できる。手札から攻撃力1000以下のモンスター1体を特殊召喚する。

 

僕です。(自供)

10期最後の通常弾、エタニティ・コードで登場した、汎用のリンク2モンスターです。効果は自分フィールドのモンスターを素材に融合を行う起動効果を持っています。

手札からの融合はできませんが、このカード自身がキマイラの融合素材になれることにより、超融合やフュージョンオブファイアなどの融合札が無くとも、サラマンを含む効果モンスターを3体並べるだけで、1キルフィニッシュ性能を持つキマイラを出せてしまいます。ヴァレルソードなんていらなかったんや。

また、炎属性であることにより、リンク2以上のサラマンリンクモンスターの素材になれたり、《転生炎獣ミラージュスタリオ》のリクルート効果発動後の「炎属性モンスターの効果しか発動できない」制約に引っかからないという点でもサラマンとは相性が良いです。同弾で登場した《転生炎獣ゼブロイドX》よりも明らかにサラマンです。

 リンク先に融合した場合、手札から展開できる効果も持っていますが、サラマンはやや打点が高いので、出せるのは余った手札誘発くらいでしょうか。とはいえ、プロキシーFを素材にキマイラを出すのが1番手っ取り早いため、あまり使う機会はありません。

 1キル成立を支えるサポート達

融合補助編

「出した時、高確率で効果確認される奴No.1」《転生炎獣フェネック

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炎属性 レベル3
サイバース族
攻撃力1600 守備力200
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①:このカードが手札・墓地に存在し、EXデッキから特殊召喚された自分フィールドのサイバース族モンスターが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

②:このカードがリンク2以上のサイバース族リンクモンスターのリンク素材として墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「サラマングレイト」通常魔法カード1枚を手札に加える。

ダーク・ネオストームで登場した星3のサラマンです。

①はエクストラから出たサイバースが破壊された場合に除外デメリット付きで手札・墓地から特殊召喚される効果。

②はリンク2以上のサイバースの素材となった場合にデッキから「サラマングレイト」魔法をサーチする効果。

①で出した場合、除外されてしまうので②の効果に繋げることは出来ず効果どうしの噛み合いは悪いです。

しかし、サラマンのランク3エクシーズモンスターであるミラージュスタリオからリクルート、2体を素材にサンライトウルフにすることで、相手場のモンスター1体をバウンスしつつ、フュージョン・オブ・ファイアをサーチすることが出来ます。

ミラージュスタリオの墓地効果と同時に発動するため、チェーン①フェネック、チェーン②ミラージュスタリオと組むことで、サーチ効果を《灰流うらら》等に妨害されずに済みます。逆に、融合札を必要とせず確実にバウンスを通したい場合は順番を入れ替えることでカウンターを防ぐことも出来ます。

手札にガゼル、フォウルが存在したり、墓地にスピニーが存在するなど、場にサラマンを複数並べる手段があれば、リンク召喚するモンスターをプロキシーFにすることで、融合札を2種類そろえることが可能になります。

 

コンボ性の高いカードであり、手札に来てしまうと真価を発揮しにくいですが、①の壁になる効果は、墓地が肥えた状態でターンが回ってきさえすれば一撃で逆転できるこのデッキの延命手段にもなり得ます。

また、星3のサラマンであることから、このカードとスピニーがあればミラージュスタリオになることもできます。

打点変更編

「伏せ2枚バウンスとかいう獅子どころか鬼」《転生炎獣ヒートライオ》

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炎属性 リンク3
サイバース族
リンク / 効果
攻撃力2300 守備力-
炎属性の効果モンスター2体以上
①:このカードがリンク召喚に成功した場合、相手の魔法&罠ゾーンのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主のデッキに戻す。

②:このカードが「転生炎獣ヒートライオ」を素材としてリンク召喚されている場合、1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体と、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。対象のフィールドのモンスターの攻撃力は、ターン終了時まで対象の墓地のモンスターの攻撃力と同じになる。

リンク召喚成功時に相手の魔法罠を1枚デッキバウンス、同名を素材に転生している場合、モンスターの打点を自分の墓地の任意のモンスターの打点で上書きできるという効果を持ちます。

素材は炎属性2体以上と、サラマンにおいて満たすのは容易です。ガゼル1枚からの基本展開を行い、サンライトウルフと自己蘇生したジャガー等で作れるほか、相手の墓地に《灰流うらら》や《ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム》等汎用の炎属性モンスターがいれば《灼熱の火霊使いヒータ》から2体消費で出すことも可能です。うまぶりは大事。

 

また、このカードのテキストをよーく読んでみてください。10期のカードにしてはおかしい点があるとは思いませんか?

そう、魔法罠のバウンス効果に名称ターン1がついていないのです。

《転生炎獣の聖域》による1体での転生権が残っていれば、1ターンに2回リンク召喚し、相手場の伏せを2枚デッキバウンスすることも可能です。これにより、キマイラの融合召喚及び効果発動を通しやすくなります。バウンスであるため、《やぶ蛇》のような破壊をトリガーにする効果の発動をケアできます

オルターガイストや罠メタビとのサイド2戦目等で、相手が発動した《神の宣告》等を自分の《レッド・リブート》で無効にし再セット、さらに相手がデッキからセットした計2枚の罠を、上述の転生リンクで2枚ともバウンスする動きは、自分でやっていて「犯罪では・・・?」と思ってしまいます。

また、転生後の攻撃力上書き効果も非常に汎用性が高いです。

自分フィールドの低打点モンスターをヒートライオの2300で上書きして打点を水増しするのが一般的な使い方ですが、相手場のモンスターを自分の墓地の低打点モンスターで上書きすることで、キマイラによる1キルサンドバッグを用意できます。

墓地にベイルリンクスがあれば500まで下げることができ、またフィールド・墓地で対象に取るモンスターはサラマン以外でもいいため、《灰流うらら》《エフェクト・ヴェーラー》等の攻撃力0の手札誘発を使用していたなら、問答無用で打点を0に出来ます。

他にも自分で出した《スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン》の打点を下げて自爆特攻することで、相手場のモンスターぶっぱ効果を起動させることも出来ます。(筆者はこのことに気付いていれば勝てていたオルターとの試合があったので書き残してます)

このカードの弱点としては、どちらの効果も対象を取るため対象耐性に弱い点。また①でのバウンス効果は「魔法・罠ゾーン」限定であるため、フィールド魔法はフォクシーなど別の手段で処理する必要があります。

「幾度となく人を轢き殺してきた無情1キルトカゲ」《クロック・リザード

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闇属性 リンク2
サイバース族
リンク / 効果
攻撃力1200 守備力-
サイバース族モンスター2体
①:このカードをリリースして発動できる。自分の墓地から融合モンスター1体を選んでEXデッキに戻す。その後、その融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを自分の墓地から除外し、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。

②:墓地のこのカードが除外された場合に発動できる。相手フィールドの特殊召喚されたモンスターの攻撃力は、ターン終了時まで自分の墓地のサイバース族モンスターの数×400ダウンする。

この記事をきちんと読んできた方には、このカードとキマイラの相性が抜群に良いということが分かるでしょう。

このカードはサイバース2体で出せるリンク2で、自身をリリースし墓地の融合モンスターを素材を墓地から除外することで再融合するという効果と、このカードが除外された場合に相手場の特殊召喚されたモンスター全ての打点を墓地のサイバースの数に応じて下げるという効果を持っています。

このカードをまともに使うとなると、墓地に融合モンスターと素材を両方用意する必要があるため下準備が必要ですが、サイバース族を素材に指定しているため融合召喚したヴァイオレットキマイラと適当なサイバース1体でリンクすれば発動条件が整います。

また、このカードがリリースされた時点で、墓地のこのカード自身をキマイラの融合素材として除外し②の全体打点減少効果を誘発させることが出来ます。

墓地で素材とするサラマンで使いやすいのは、墓地効果のないフォウルあたりでしょうか。このカードの効果が通った時点で8割勝てるので、サンライトウルフ等も使っていいでしょう。

素材のサラマンの打点を1800と仮定するとキマイラの①効果によって攻撃力は2800+(1200+1800)/2=4300、リザードの効果が通れば打点が倍になるため2倍で8600。相手のライフが8000あったとしても、相手場のモンスターの元々の打点が2400なら墓地に5体、3000なら6体のサイバースがいるだけで1キルが成立します。

打点を下げる効果は対象を取らない効果であるため、特殊召喚さえされていればヒートライオの上書き効果が通らないモンスターでもサンドバッグにすることが可能です。

 3種類の1キルパターン

キマイラによる1キルを狙う上で必要となるカードを紹介し終えたところで、実際の動きについて解説していこうかと思います。

しかし自分の手札、墓地、相手場の状況によって、狙っていく1キルの形が変わっていきます。

そもそも相手場にモンスターがいなければキマイラによる1キルは狙えないため、妨害をケアしながら合計8000打点を作るか、より堅固な盤面を作るかの2択になります。

転生ヒートライオ+キマイラ型

ヒートライオの項で紹介したように、転生効果によって相手のモンスターの打点を変更することで1キルを狙っていきます。

この型の利点は

・通常召喚されたモンスターでも1キル可

・ミラージュスタリオのリクルート利用可

この型を使えないのは

・相手場のモンスターを対象に取れない

場合です。

 

自分場で整えたい条件としては、

・場にレベル3を2体、手札か墓地から特殊召喚可能なサラマン1体

で満たせます。レベル3×2体についてはガゼル、スピニー、フォクシーを駆使すれば簡単に用意できます。

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レベル3×2体でミラージュスタリオX召喚。効果でフェネックリクルート。この後発動できる効果は炎属性のみ。

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スタリオとフェネックの2体でサンライトウルフリンク召喚。フェネック、スタリオ、フォウルの順でチェーンを組む。(フォウルは手札誘発であるため発動前に相手にチェーンの有無を確認する必要あり)

フォウルを特殊召喚。必要があればサンドバッグ以外をスタリオ効果で1体バウンス、フェネック効果でフュージョンオブファイアサーチ。

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フォウル1体でベイルリンクスリンク召喚。ベイル、ウルフの順にチェーンを組む。ウルフ効果で墓地のガゼルを回収し、ベイル効果で聖域サーチ。

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ウルフとベイルの2体でヒートライオリンク召喚、聖域発動して転生リンク。召喚時効果で相手場の魔法罠を2枚デッキバウンス。

転生効果で相手場のモンスターと墓地のベイルを対象に打点を500に変更。

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フュージョンオブファイアでヒートライオ、ガゼルを素材にキマイラ融合召喚

キマイラの最終打点は5600+1500+2300=9400になり、攻500になった相手モンスターを殴って1キル。

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遊戯王wikiの【サラマングレイト】のページでは、ガゼルとスピニーの2体からの1キルルートが書かれていますが、特殊可能なサラマンさえいれば、ガゼル以外でのレベル3×2でも可能です。

また、ガゼル効果でフュージョンオブファイアを落とさなくて済むので、何かしらの妨害をされた場合も余力を残しながら動くことが可能です。

先攻展開で用意し相手ターンで使用したロアーも、ヒートライオが転生したことで自己再セット効果を発動できます。万が一1キルが失敗した時の保険として発動しておくに越したことはないでしょう。

転生キマイラ型

ロキシーFの登場により、初手札に融合札がある場合は、かなり安定して転生融合を行うことが出来ます。

この型の利点は

・通常召喚されたモンスターでも1キル可

・ミラージュスタリオのリクルート利用可

・対象耐性モンスター相手でも1キル可

・メインフェイズ中の相手の妨害を突破しやすい。

という点です。

1キルできないモンスターは、ほぼ「相手カードの効果を受けない」あたりまで狭まるため、攻撃表示であれば大体1キルできるといっても過言ではありません。

唯一の欠点としては、やや消費が激しい点でしょうか。

おおまかな目安として、融合札1枚、プロキシーF用の効果2体、1体目キマイラ用のサラマン2体で計4体を場に並べられれば完成できます。

 特筆すべきは、相手からの妨害を突破しながら1キル可能な点です。

 

メインフェイズ中の妨害として飛んできやすいのは主に《エフェクト・ヴェーラー》です。大抵のサラマン展開ではガゼルやミラージュスタリオ効果にチェーンして発動されますが、キマイラを出すことで1キルを見抜かれ、それを防ぐためにキマイラ対象で飛んでくることがあります。

キマイラ自体は対象耐性等は無く、自身の攻撃力をパンプさせる能力しか持っていません。唯一あるとすればサラマングレイトであるため、墓地のベイルリンクスによる疑似破壊耐性を付与可能である点です。ヴェーラーを食らうと単なる2800のバニラになってしまいます。

《墓穴の指名者》や《抹殺の指名者》を持っているならばチェーンして対処可能ですが、サラマンは展開系のデッキであるため、これらの指名者は《増殖するG》に優先的に切っていくことになります。

そのため、ヴェーラーを食らう可能性は非常に高いです。しかし、ヴェーラーは「相手メインフェイズにのみ発動可能」すなわち自分メインフェイズ終了時までに打つ必要があるため、終了宣言時に打たれた場合は再びメインフェイズに入ることが可能です。

そこで、あらかじめプロキシーFを用意した後にキマイラを融合しておくことで、ヴェーラーを食らったキマイラとプロキシーFで再び融合、転生キマイラを作り出すことが可能です。

 

また、サイドチェンジ2戦目以降は、こちらのデッキがサラマンだと割れているため、《原始生命態ニビル》が飛んでくることも予想されます。

相手の手札にニビルがあることを警戒して動く場合、手札に超融合があり、メイン中の召喚4回以内でキマイラとリンク1体を用意できれば、バトルフェイズ中に融合召喚を行うことで転生キマイラを作り出せます。

バトルフェイズ中の超融合は上記の《エフェクト・ヴェーラー》も飛んでこないため、このデッキを回していく上では有用なテクニックの一つです。

クロックリザード

融合召喚したキマイラと、別のサイバースで即座にクロックリザードを作り、リザード自体を素材に墓地融合することで、打点減少とキマイラの用意を一度に行える超合理的コンボです。

この型を行う場合に注意すべきは

・相手場に特殊召喚された攻撃表示モンスターが必要。

・ミラージュスタリオのリクルート効果の使用不可。

・妨害1枚でコンボが崩れやすい。

という点です。消費が少ないためコンボ自体は簡単に狙いやすい分、実際に通せるかどうかの見極めが必要になります。お互いがリソースを削り合っていく詰めの段階で狙うのが最適でしょう。

キマイラを出した後に用意しやすいサイバース1体といえば、墓地の《転生炎獣スピニー》でしょう。キマイラ自体がサラマンであるため簡単に蘇生できますが、素材に使うと除外されるため、リザードの減少値で参照するサイバースの数が減ることには気を付けたいです。

 

サンドバッグにしやすい相手のモンスターとしては、妨害効果を持たないエクストラからのモンスター全般、メインの汎用では《幻創龍ファンタズメイ》がいます。

サラマンはリンク中心のデッキであるため、ファンタズメイはサイチェン後に投入されやすいです。ですがファンタズメイの攻守は2400/1700であり、サラマンで出やすいサンライトウルフやJジャガーなどの攻1800に突破されるのを防ぐため、攻撃表示で出てくることが多いです。

ファンタズメイは対象を取る効果を手札1枚でカウンターする効果を持つので、上記の転生ヒートライオ併用型では1キルを狙えませんが、リザードの全体打点減少は対象を取らない効果のため、墓地に5枚サイバースを用意できれば1キル成立が可能です。出てきたら絶好のカモだと思いましょう。

 

ただし、クロック・リザードは「サラマングレイトでない」「闇属性」モンスターであることからサラマンの各種サポートと噛み合わない点で注意が必要です。

ベイルで破壊から守ることもできませんし、スタリオのリクルート効果発動後の炎属性縛りにも引っかかるため、途中からリザード型に切り替えるには注意が必要です。

また、自身をリリースして効果を発動する都合上、セットされている墓穴の指名者を食らうだけでキマイラごと失うという大損を食らいます。

妨害を突破するために、なるべくならサラマンリンクとロアーを伏せて置いたり、レッドリブートを握っている状況下で狙うのが良いでしょう。

とはいえ、融合するキマイラ自体はいつ墓地に送られていても良いので、相手が中~低速型のデッキであればとりあえずスタリオ+フェネックのコンボでキマイラを出しておいて、帰ってきたターンでリザードを出してトドメ、というのも狙えます。

1キル可否の見極め

ざっと3通りの1キルパターンについて解説してきましたが、このデッキはサラマンである以上、無理に融合して1キルを狙わずにロアー&レイジを絡めた罠ビートに切り替えることも求められます。

では具体的にどのような状況下で「1キルをあきらめる」べきなのかを解説していきます。

第一に相手場に攻撃表示モンスターが存在しない、あるいはフリーチェーン退場効果を持ったモンスターしか存在しない場合です。

ドラゴンリンク等の1キルでは、除去、制圧効果を持った高打点モンスターを1ターン中に3体以上並べてフィニッシュするため、相手場にモンスターがいるいないに関わらず1ショットを狙っていけます。

しかしキマイラによる1キルは、当たり前ですがキマイラによる大幅な打点上昇効果に依存します。その過程でどうしても「攻撃表示モンスター」が必要となるため、相手場の状況に左右されやすいです。

とはいえ先攻でミラージュスタリオを使用でき、手札にガゼルを戻した状態でターンが帰ってきさえすれば、相手場ががら空きでも融合せずに8000打点を用意できます。

 

厄介なのは後者のフリーチェーン退場効果を持っているモンスター、具体的には《ダイナレスラー・パンクラトプス》や《紫宵の機界騎士》等のモンスターがいる場合です。彼らを殴ろうとしても自身の効果で逃げ、除去やサーチ等でアドを稼がれ、モンスターを殴らないと倍になれないキマイラはモンスターがいない方が与えるダメージが少ないという摩訶不思議な状況に陥ります。

そうしたモンスターがいる場合は落ち着いて強固な盤面つくりに徹しましょう。

とはいえパンクラトプスに対してキマイラを作ること自体は決して悪手ではなく、墓地のベイルで破壊を免れるため一方的に殴りにいき、メイン2で仕事を終えたキマイラを素材にサンライトウルフやヒートライオを作ってしまいましょう。墓地にいればリザードで再融合できますしね。

 

もう一つのあきらめパターンは大量の妨害が見込まれる場合です。

メタビート系のデッキ相手に、3枚以上の伏せで返された場合は、明らかにカウンターが1枚以上眠っているでしょう。キルルートは複数あるものの、融合札を複数枚用意できる状況でない限り、カウンターされてリソースを無駄に消費して負け、ということにつながりかねません。

そのターン中にキルできずとも、汎用のカウンター罠では《神の宣告》等のライフコストを要求するものが多いため、リソースと交換を意識していけばサラマンの持久力で持ちこたえることができます。

また、伏せが無くともサイド2戦目以降、自身のデッキがサラマンだと割れていると手札誘発、特に《原始生命態ニビル》が積まれることが多いです。

「どうせ握っていないだろう」という気持ちで展開していると、勝てる状況からニビルが飛んできて一気に不利に追い込まれたりするのでサイチェン後は無理に狙わず、基本的には召喚回数を4回以内に抑え、相手の手札が0枚であったり、超融合を握れた状態などにキマイラ1キルを狙うのが良いでしょう。

また、融合軸のデメリットでも述べますがキマイラは融合モンスターであるため、相手の墓地の《妖精伝姫-シラユキ》1枚で1キル不成立となることも覚えておきましょう。

融合軸のメリット

ここまでで、サラマンでの融合が単なるファン要素ではなく、「勝ちにいける」一つのファクターであることが伝えられていれば幸いです。

私自身、結構な頻度で秋葉原、新宿等のカードショップに通い詰めているのですが、店頭で「サラマン構築済デッキ」のリストを見るたびに、「なぜキマイラが入っていないんだ!?」と心の中で叫びまくっています。極端なところではヒートライオさえ入っていなかったりします。

そう、未だにサラマンは罠メタビ軸が一般的なのです。

確かにロアーとレイジの盤面は強力であり、サンライトウルフもリンク2としては、オルフェゴールにおけるガラテアに比肩するモンスターです。

しかし、ロアーレイジいずれもサラマンリンクモンスターを発動条件に要求する以上、サンライトウルフを突破されてしまうと腐ってしまいます。

また、フィニッシャーや盤面突破するためのリンク4として《ヴァレルソード・ドラゴン》や《双穹の騎士アストラム》、最近では《アクセスコード・トーカー》等が採用されますが、これらはいずれも炎属性以外のモンスターであり、サラマンにおける展開とバウンスによる除去で2アドを取れるミラージュスタリオとの兼ね合いが難しくなる、と私は考えています。

ミラージュスタリオを使用したターンは《トロイメア・フェニックス》でチクチクアドを稼ぎながら有利な盤面を維持できる、という考え方もありますが、ならば炎属性に寄せて1キルを狙っていく方が得じゃない?というのがこのデッキのコンセプトです。その結果として、エクストラ枠の都合上フェニックスが抜けました。(だって手札コストのいらないヒートライオでいいんだもん)

以上を踏まえると、融合軸の利点として

①キマイラが炎属性であるため、スタリオの効果を気軽に使える。

②モンスターを4体分並べずとも、融合札さえあればモンスター2体で高攻撃力のキマイラを用意できる。

③メインで採用している融合札は相手のモンスター除去も兼ねるため、リソースが激しくなりにくい。

④サンライトウルフへの依存が少なく、浮幽さくらによる除外を受けても勝ち筋を残していける。

⑤ガゼルを除外されても、継戦を度外視して1キルに切り替えることが出来る。

⑥1キルができずともキマイラによる高打点は脅威であり、生き残ってもライフコストを要求するカードを切りにくくなる。またエクストラターンにも強い。

が挙げられます。

また、これはやや盤外的な話なのですが、「普通のサラマンでは融合体は出てこない」と思われているのを逆に利用して、情報アドバンテージの面でも有利です。

ついでに、やっていることは1ショットキルというえげつないプレイスタイルでありながら、キマイラというロマン砲じみたカードと、転生融合という消費が大きく派手な展開(レディースエーンジェントルメーン!!)が相まって、初対戦の方に驚かれたり感想戦で盛り上がれたりするので、そういった面でも使っていて楽しいデッキです。

やっぱカードゲームって”コミュニケーションツール”、なんだよなあ。

融合軸のデメリット

とはいえ融合を採用するにあたり、どうしても罠ビート軸にはない壁が増えます。

1キル可否の見極めでも述べたように、相手場の状況によって1キルを狙えなかったり、急所に妨害を食らうだけで止まったりします。

また、通常のサラマン構築に加えて、メインにフュージョンオブファイア、フェネック、超融合2枚を採用しているため、その枠に本来入る手札誘発などのメタカードを詰め込む枠が狭まってしまうため、防御力が格段に落ちることは必至です。

その上、必要ない場面での融合札の引きすぎという事故も起こり得ます。先攻でフュージョンオブファイア、フェネック、聖域、ガゼル無し、のような手札は2度と見たくありません。超融合なら闇2体でスターヴヴェノムにするなど防御札に出来ますが、闇が並ばないデッキ相手には無力です。

【ヴェルズ】のようなデッキを相手にする場合は、最悪サイチェンで融合札全抜きまで視野に入れて良いでしょう。

今後の調整について

2020年3月上旬現在での融合転生デッキの解説は以上になります。

ここからは4月からの新ルール及び今後のカードプールにおいて、どのような改造点が見いだせるかを考えていきたいと思います。

まず新ルールに関してはこのデッキにとっては追い風だと言えます。

サンライトウルフをエクストラモンスターゾーンに出した場合のリンク先は一ヶ所のみであるため、リンク先がふさがっていたりする場合はリンク先を素材にしない限りエクストラからキマイラを出せないという状況が現行ルールでよく起こっていました。

また超融合によるスターヴヴェノムがエクストラゾーンに居座り、サラマンの展開をしにくかったりもしたので、そういった状況が無くなるという点でさっさと4月になって欲しいと思います。

 

メインデッキの改造についてですが、サラマンは先攻にしろ後攻にしろ、《転生炎獣ガゼル》というパワーカードを初手に引き込めるか否かが重要になります。そのため、何かしらが制限解除でもされない限り、メイン40枚を増やすという選択肢はなく、変えるとしても微小な程度になるでしょう。

ただ、最近の新規カードで注目しているのはネメシスです。このデッキでは一度使用して除外されたベイルリンクス、スピニー等をデッキに戻しながら召喚権を使わずに展開が行えるため、ガゼル以外の継戦能力の確保につながると考えています。

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炎属性 レベル2
炎族
効果
攻撃力1100 守備力200
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①:「ネメシス・フラッグ」以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターをデッキに戻す。

②:自分メインフェイズに発動できる。デッキから「ネメシス・フラッグ」以外の「ネメシス」モンスター1体を手札に加える。

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 水属性 レベル3
水族
効果
攻撃力1500 守備力400
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

①:「ネメシス・アンブレラ」以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、対象のモンスターをデッキに戻す。

②:「ネメシス・アンブレラ」以外の自分の墓地の「ネメシス」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える。

 

ネメシス・フラッグは炎属性であり、各種サラマンリンクモンスターの素材になれる上、デッキからネメシス・アンブレラをサーチすることが可能です。サーチしたアンブレラは水属性で噛み合わないように思えますが、レベルが3であるため、素材に縛りの無いミラージュスタリオのX素材として有用です。また、フラッグからサーチしてアンブレラを出し、先にフラッグをリンク素材として使用することで、墓地のフラッグをアンブレラ効果でサルベージする、という芸当も可能です。

やべえ、書いてたら入れない理由が無いような気がしてきた。デッキいじりてえ。

とはいえ特殊召喚は除外されているカードが無いと行えず、ネメシスばかり引きすぎても事故要因となるため、入れてもフラッグ2アンブレラ1が限度でしょうか。

個人的にはネメシスをサーチできる魔法カードが出て欲しいですね。

今後、海外TCGのレギュレーションに沿う形でミラージュスタリオが禁止された場合は、スピニーの枚数を減らしてがっつりネメシスの展開も組み込もうと思います。

 

終わりに

如何だったでしょうか、DANEが出たあたりから組み始めておよそ1年近く試用と調整を繰り返してきたデッキだったので、個人的に10期の集大成ともいえるクオリティに仕上がり満足です。

やはり店舗予選を取れなかったのが心残りですが、現在一番のお気に入りデッキなので11期に入っても(ガゼルが禁止にならない限り)崩さずに回し続けてると思います。

むしろこのデッキを流行らせて環境を融合転生一色にし、キマイラが禁止にぶち込まれても悔いはないです。(そうはならんやろ)

この記事を読んで、一人でもキマイラ、ないしサラマンというテーマそのものに興味を持っていただける方が増えてくれたら幸いです。今のサラマンはストラク3箱より、2箱にシングル追加していく方がいいですよ!

次の記事では4月からの改訂予想をしていこうと思います。

では、さよ~~なら~~。

【アイマス】メメントの曲考察をあえてやる【ミリオンライブ!】

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お久しぶりです。二郎です。

今日は久々にアイマスの話、それも本ブログでは初となるミリオンライブの楽曲についてのお話をしようかと思います。

記事タイトルでお察しかと思いますが…その楽曲とは、

↓これです

現在配信中のアプリ、「アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ」にて今も開催中のイベント楽曲「メメント?モメント♪ルルルルル☆」ですね。

 

イベント楽曲となりますが、初出は2017年発売のCD「THE IDOLM@STER LIVE THEATER FORWARD 03 Starlight Melody」です。もう3年も経つのか~

なお、私は現時点で解放可能なイベントコミュをすべて読みましたが、本考察ではコミュについては触れないものとします。いや今回のコミュめちゃくちゃ良いんで、触れないのがもったいないんですが、今回は敢えて「曲」としての考察に絞ろうと思います。コミュ内のストーリー展開や台詞回しも、「メメント」の曲がある前提で描かれているので、やや蛇足だと思ったのでコミュ考察は省きます。

 

LTFシリーズについて

この「LTF」と呼ばれるCDシリーズは、ミリオンライブがまだグリマスで展開されていた頃に発売されたものの中では最後のシリーズであり、「LTF03」はその全3枚の内の3枚目、要するにグリマス時代に発売されたCDの大トリを飾ったことになります。

LTFシリーズ全体のテーマは「宇宙の星々」であり、36名(このときはまだ歌織さんとつむつむは加入しておらず、琴葉役の種田さんは療養中であったため)のシアター組アイドルを、「太陽」「月」「星」の3つに分類しユニット曲を1曲ずつ、

さらに3人ずつの全12組のユニットに分けてそれぞれに1曲ずつ、全15曲の名曲を産み出しています。

この12ユニットは、占い等で馴染みのある黄道十二星座の名を冠しており、さらに星々感に磨きをかけています。

ちなみにこのユニット分類、アイドル一人一人の誕生日の星座とは一切関係がありません。実際星座ごとに分けたユニットも見てみたいですが紛らわしいのでやらないと思います。

名盤中の名盤,LTF03

そんなわけで今回取り扱う「メメント」が収録されたLTF03ですが、「メメント」以外にも良曲のオンパレードという大盤振る舞いっぷりです。

冒頭曲は志保、海美、亜利沙からなるユニット「スコーピオ」による「リフレインキス」。14歳1人と16歳2人にこんな曲歌わせちゃダメだろ!!! と言いたくなるような、とにかくキスをねだられる曲です。デレにTulipあれば、ミリにリフレインキスあり。こういった曲を歌い慣れている(気がする)志保はもちろん、うみみとありさのクールな歌声も必聴です。

 

次鋒曲は環、茜、星梨花からなるユニット「アリエス」による「Sweet Sweet Soul」。アイマス曲でも有数の、というかほぼ初の本格的ヒップホップナンバーであり、編曲に元SOUL'd OUTのShinnosuke氏も参加していることでも有名です。(SOUL'd名義じゃないけどDiggy-MO'氏のソウルイーターのED好きだったなあ)

「しぇけなべいべー」「くらっぴゅあはーん」「ぷっちゃへんざー」とヒップホップ頻出語句をひらがなで書いたZAQさんのジーニアスっぷりに加えて、稲川さん小笠原さんもちょの御三方が一人としてアイマスとしての雰囲気を崩さず、大人だけじゃなく子供だってノれるんだ!!というテーマを見事に歌いきっています。

「年少組の環と星梨花を引っ張る茜ちゃんかな...?」と思いきや、結局いつものカワイイ茜ちゃんかい!!!と突っ込みたくなるようなフリースタイルは聞くと絶頂間違いなしです。Pが集まるカラオケではここを暗誦できるかどうかで盛り上がりっぷりが変わります。

ミリシタにも近々イベント曲として実装されるでしょうが、2分にどこまで収めるかでかなり評価が分かれるかと思います。(俺たちのミリシタはきっとフリースタイルノーカットやってくれる)

 

3曲目の「メメント?モメント♪ルルルルル☆」を挟み、4曲目が桃子、風花、このみの「ジェミニ」による「永遠の花」。本CD唯一のバラード曲です。ミリには珍しく森由里子さんが作詞に参加されており、この時点で約束された良曲です。

別れ行く運命の二人、しかし未来へ向かって変わらぬ愛を誓う...。大人な恋を経験していそうな風花さんこのみさんに加え、「桃子は女優なんだから、このくらい歌えるよ!」と言いそうな桃子をここにキャスティングは桃子Pとして名采配と言わざるを得ません。

また、「ゲンキトリッパー」「ビギナーズ☆ストライク」「HOME RUN SONG♪」のように、2番でBメロ後にサビを挟まず、Cメロを挟んでラスサビに行く曲構成が僕は個人的に大大大好きなのでそこも評価点です。ちなみに上に挙げた3曲はいずれも野球に関するテーマの曲で、この理論で行くと永遠の花も野球曲なのか…?と思いましたが、そんなことはない。でも謎に共通してる。ふしぎだ。

 

5曲目は本CD参加者全員による「Starry Melody」。アイドル達が自身を「星座の星々」に喩え、今までに叶えてきた夢、これから叶えていく未来について歌う曲です。

  

↑琴葉が歌ってて泣くよね…

作詞はミリオン曲を黎明期から支え続けてくれたこだまさおり御大、作曲も「Marionetteは眠らない」「DIAMOND DAYS」等の名曲を担当してきた高田暁氏です。

あまり長く語ると本題に辿り着けないので短めにしますが、Cメロでの畳みかけが最高で聴く度に泣きそうになります。

 

と、一通り紹介してきましたが、要するにどの曲をとっても最高クラスという素晴らしいCDになっています。流通枚数はそれなりにあるにもかかわらず、中古市場にも滅多に顔を見せず、都内のCDレンタルショップでもなかなか見ない所からもその人気振りが窺えます。絶版でプレミアがついてるとかではなく、大きめのCDショップに行けば定価で買えるので是非購入してください。

僕もアイマス曲沼に足を突っ込み、(すべてを網羅しきれていませんが)様々なジャンルのCDを聴いてきましたが、LTF03が常に頂上に立ち続けている。そんな感じです。

四半世紀も生きてはいない若造ですが、今「聴いてきた中で最高のアルバムを3枚挙げろ」と言われたら、マキシマム ザ ホルモンの「ロッキンポ殺し」、My Chemical Romanceの「The Black Parade」、そしてアイドルマスターミリオンライブ!のLTF03を選びますね。

 

メメント」 曲考察

さて、ここからはメメントの曲に切り込んでいきます。

この先、2番目以降の歌詞等について触れるため、「フル未視聴なのでまだ知りたくない!」という方はお戻りください。

 

 

 

 

 

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本考察における重要資料となる歌詞カードの写真です。

手打ちしても良かったのですが、手が疲れる点と、歌詞のコピペを防ぐという名目で画像となりました。

 

ちなみに本曲の作詞は「神」こと松井洋平氏です。

いや、まじで松井さんの描く詩は神。語彙ないけど本当に誇張じゃなく、ワードセンスと知識量、歌詞回しが神域に達してる。

今から僕がやろうとしていることはある意味で「冒涜」ともとれます。

タイトル~歌い出し

LTF03の曲タイトルの中で、明らかに異彩を放つ「メメント?モメント♪ルルルルル☆」の文字。

ある程度教養がある方なら、「メメント」の時点で「メメント・モリ」を連想されると思います。

Wikipedia:メメント・モリhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%AA

ラテン語で「いつか死ぬことを忘れるな」という意味の訓戒、警句ですね。モリ(mori)は「mortal」(致死的な)などの語源ともなっているように「死」を表す語です。

メメント(memento)は「memory」(記憶)等の語源で、動詞の命令用法に従えば「忘れるな」「思い出せ」という意味になります。

知っている方なら思わず身構えるでしょう。「モリ」の単語こそ無いものの、「モメント」と「モ」の音を重ねていることから、「メメント・モリ」を意識したタイトルであることは明らかです。アイドルの曲で「死を忘れるな」なんて重すぎますからね。

 

隣に…<おっそうだな

 

そしておそるおそる再生してみると、ドラムシンバルの3ビートから軽快に

「あっる日目っ覚めたら、わっすれちゃってました~!」

記憶が確かなら、初めて聞いたとき口元が緩んでた気がします。

いや、「メメント(忘れるな)」言うてんのに出鼻から忘れてんのかい!!!

「コレハコレハいかがいたしましょうか???」じゃねーよ!!記憶喪失なんだぞ!!!

ほとんどの方はこれに類する突っ込みを心の中でしたと思います。

某大御所お笑いタレントが言及している、「笑いとは、緊張からの緩和である。」をタイトルと歌い出しだけで見事に体現しています。

そして気付かされます。この曲のテーマが「記憶喪失」だということに。

 

 Aメロ~Bメロ

記憶喪失―様々な創作もので取り扱われてきたネタですが、その用法も多岐に渡ります。

主人公あるいはそれに近い人物を登場時点で記憶喪失にさせ、物語が進むにつれて鍵となる重要なファクターを思い出していく使い方もあれば、物語中盤で仲間たちとの思い出を忘れさせ、思い出すなかで絆や友情を再確認する、といった使われ方もあります。

ファンタジーからギャグ、ミステリーまで、様々なジャンルにおいて使用されていますが、そのほとんどはシリアスに寄ったエピソードになりがちです。

好例を挙げるとすれば、週刊少年ジャンプにて昨年まで連載されていた空知英秋の「銀魂」で、主人公の銀さんが事故により記憶喪失に陥るエピソードでしょうか。ギャグと勧善懲悪が入り混じった初期の銀魂にしては、銀さんが記憶を失ったことで万事屋が解散の危機に陥る、というシリアス色の強い話でした。とはいえそこは腐っても銀魂、ギャグも忘れておらず、当作品屈指の人気&謎アイテム「ジャスタウェイ」が生まれたのがこのエピソードです。ジャスタウェイジャスタウェイ以下でも以上でもないのです。

 では、「メメント」に立ち戻ってみましょう。

1番と2番のAメロ、自分が記憶を失っていると気付いた女の子は、自分の容姿、服を確認し、「けっこうかわいくてビックリ!」したり、マンガやCDを漁っては「センスいいんじゃない?」と自画自賛したり…お気楽か!!!

そして彼女は街へと駆け出し、「見たことが無い」大勢の人やモノに触れあっては感動し、さながら過去からタイムスリップしてきたかのような姿が目に浮かびます。

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煽りに使えそう。

 

その後のBメロ、ここで再びタイトルからの伏線回収が起こります。

1番Bメロ「生まれ変わったみたいです」は、タイトルモチーフの「メメント・モリ」と照らし合わせることで「生と死」という対比が起こっていることが分かります。

「死を忘れるな」という警句に対し「生の歓び」を真っ向から突き付ける様は、孔子の「論語」における「未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん」(まだ生きることについてもよく分かっていないのに、どうして死について知ることができようか、いやできない)を彷彿とさせます。

 

また、2番Bメロ「この一瞬をメイッパイ 楽しんじゃえばOK!」ですが、これは「メメント・モリ」の本質的な意味に沿った歌詞であると推測されます。

メメント・モリ」という言葉が生まれた経緯は「死を忘れるな」に準じますが、古代ローマでの日常的な用法としてはむしろ「carpe diem」に近かったとされます。

「carpe diem」は直訳すれば「その日を摘め」、意訳すれば「その日その時を楽しめ」というやや享楽的とも取れる思想の語句であり、2番Bメロの趣旨と完全に一致しています。

ちなみに「carpe diem」はシャイニーカラーズのアルストロメリアの楽曲「Bloomy!」のサビにも歌われています。アイマス曲で学ぶ哲学。

 

 

サビ

タイトルからAメロBメロの流れで、怒涛の考察ロケットスタートを切ったわけですが、サビに関してはあまり考察するところは多くないです。(ないとは言ってない)

「あったらしい~ジブン」にとっては、目に映る空、雲、聴こえる歌、全てが「ハジメテ」になっていることが示され、「自分が変わった」のではなく「自分以外が変わった」という逆説的な捉え方もできます。

1番サビは「ポジティブ・メイクス・ハピネス!」と記憶喪失の女の子から「私のように、前向きに進んでいけばいいんだよ」というメッセージ性のある詞で締められています。

僕自身記憶喪失になったことはない(たいていそうだ)ので分かりませんが、曲中の彼女に近い状態が現実で起こるとすれば、「新生活」だと思われます。進学、就職を機に居住地を変え、自室も、街も、人も、景色も、全てが新しい世界に変貌。そしてそれらは「新たな地での不安」へと繋がります。「自分だけが異質なのではないか」という恐怖心を覚えてしまいがちですが、彼女のように全ての新しさを自分への刺激として、前向きに受け止めようという姿勢は打開策たりえるのだと思います。

2番サビでは「こんなに素敵なキセキのなか 生まれたこと覚えていたのかな?」と、彼女にしては珍しく「記憶を失う前」の自身に思いを馳せています。

「素敵なキセキ」といえばミリオンPの99割が知るように、本曲に参加しているミリオンのセンターアイドル、春日未来の最初のソロ曲です。

 

まさか「素敵なキセキ」の歌詞との連動なんてあるわけが…

と思っていましたが、1番サビの「いつの日でも絶対に ひとりじゃないよね」という部分、原曲ではおそらく「周りのシアターアイドル、劇場のファン、そしてプロデューサーがいてくれる」という意味を込めての「ひとりじゃないよね」が、

メメント」の「こんなに素敵なキセキのなか 生まれたこと覚えていたのかな?」という歌詞と組み合わせると、

 

今の(記憶喪失になってしまった)自分は、前の自分とは違うけれど、前の自分がいなければ今の自分は存在しないし、今の自分がいることで、前の自分を「自分」として認識できる。身体は同じ一つのものだけれど、精神は一人ではない。もし記憶を取り戻したとしても、今の自分が消えるわけではない。

 

という彼女の「記憶」に関する葛藤と強さが浮き彫りになったような気がします。書いてて「だってあなたはプリンセス」に通じるものを感じました。

 

今更ですが「毎日がフェスタみたい」→フェスタ・イルミネーション

「世界」「ハッピ~」→ハッピ~ エフェクト!

と、未来、まつり、美也の最初のソロ曲に関するワードがちゃんと散りばめられていますね。オタクはこういうのに弱いぞ!!

 

Cメロ~ラスサビ

さて、ここから大きく今までの考察とは毛色が「ガラッ」と変わります。

この曲のCメロは極端に短いです。というより3つ目のBメロと行った方が正しいかもしれません。

 

「記憶って、思い出って、ループしたってOK」

 

んん????????

ここまで「ちゃんと」歌詞を読んできた同志諸君なら違和感を覚えるはずです。

こいつ…いつの間にループものになっていやがった…!!!!

確かに記憶喪失とループ、SFものではよく使われるコンビセットです。

有名な例では、若干記憶喪失といっていいかは微妙ですが、TVアニメ版「魔法少女まどか☆マギカ」などです。

そして続くラスサビでは、

 

「君との出会いって何度目だったっけ?」

 

んんん????????????

と、今まで記憶喪失の彼女一人で進んできたストーリーに、突然「君」という彼女以外の存在が入り込んできたのです。

彼女はなぜ、「君」に関しての情報を保持出来ているのか、そして何度も記憶を失っては「君」に出会うのか。

正直、先ほどまでの「メメント・モリ」考察からは大きく乖離しているように思えます。

ですが、ある「仮定」をすると、すべての辻褄が合います(シャレではない)。

 

「君」=「曲を聴いているあなた」=アイマス

 

一見、よくあるメタ構造を持っただけの解釈です。

しかし、「ループ」「何度目」といった単語と組み合わせると、曲から聞き手に語り掛けるだけの単純なメタだけはない、複雑な構図が出てきます。

 

おそらくCメロからラスサビにかけての歌詞は、アイマスシリーズにおける「思い出リセット現象」について言及したものではないかと推測されます。

プロデュース要素がある据え置き版のアイマスシリーズは現在まで「無印」「SP」「2」「ワンフォーオール」「プラチナスターズ」「ステラステージ」の6作品が出ています。

しかし、そのいずれも時系列的なつながりはなく、ゲーム開始時点でプレイヤー=Pとの記憶がまっさらになった状態のアイドルと「思い出」を作り、トップアイドルを目指していきます。

どのシリーズから始めても前知識無く楽しめるという間口の広さを証明するこのシステムですが、同時にアイドルとの「思い出」が重要なキーとなる本シリーズにおいて、新シリーズの度に記憶が無くなる≒「思い出リセット」と揶揄されることもあります。

しかし、「メメント」を歌っているのは765ASアイドルではなく、ミリオンシアターのアイドルではないか。そういった反論もできます。

確かに未来、まつり、美也をはじめとするシアターアイドルは「思い出リセット」の憂き目に遭ったことはありませんでした。LTF03の発売時点では。

03の発売から約3か月後、スマートフォン向けアプリ「アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ」通称ミリシタがリリースされます。

そこでは歌織さん、紬の二人が新たに加入し、シアター組アイドルは「39プロジェクト」として新たにスタートを切ります。

そしてミリシタのコミュ内では、プロデューサーとアイドルとの初めての出会いについて描かれます。

そう、彼女たちにとって「2度目」の出会いが起こってしまったのです。

そして2018年2月、GREE版「アイドルマスターミリオンライブ!」は惜しまれつつも、サービス終了を迎えます。

スタッフの多くはミリシタの制作陣に引き継がれたと言われていますが、一つのコンテンツが終了=「死」を迎えたという事実は揺るぎません。

 

いつか必ず、死ぬことを忘れるなメメント・モリ

 

 正直な話、松井氏がミリオンの今後についてどこまで知っていたかは分かりません。

 もし、知っていたとしたら、「メメント」には以下のような深いメッセージの込められた曲だったのではないでしょうか。

 

「形あるコンテンツはいつかは終わる。けれど、また新しい形で、出会える時が来る。彼女たちは貴方のことを覚えていないかもしれないけれど、けっしてそれは悲しいことではない。前向きに受け取ることもできるはずだ。」

 

知らなかったとしても、「松井さんスゲー」ということです。結局松井さんは神。

 

イベント開催時期

一応、曲に関する考察は上の時点で終了しています。

ですが、なぜこの「メメント」曲が今回のイベント曲として選ばれたのか、についても上の考察を踏まえると理由づけが出来てしまいます。

2020年1月下旬、据え置きアイドルマスターシリーズ新作「アイドルマスタースターリットシーズン」通称スタマスが開発中であり、20年内に発売予定である旨が発表されました。

(スタマスについては参加シリーズ、アイドルについて賛否両論ありますが曲考察から外れるためここでは割愛します)

765ASに加え、シンデレラ、ミリオン、シャイニーカラーズの3作品から5人ずつが選出され、シリーズ初となる本格的クロスオーバー作品となることを期待されています。

 

そう、ミリオンアイドルにとって、Pと「3度目」の出会いが起ころうとしています。

 

ミリオンからは、未来、静香、翼の信号機トリオ三人が決定しています。とはいえ、まだ発売されておらず詳しい設定についても言及できないので憶測に過ぎません。

ですが僕は、「また新しい出会いが起こるよ」というミリオン運営からのメッセージのように感じてしまいます。

(BOUNCING SMILEが披露されるたびに某えらい人が辞めたりするしね)

 

おわりに

さて、いかがだったでしょうか。初めての曲考察記事を書くということで、やや緊張していたのですが、いざ書いてみると次から次へと考察対象範囲が増えていくので「手が脳に追いつかねえ!!」状態になって僕としては書きやすかったです。

分かりにくい部分などありましたら、コメントやツイッターか何かで教えて頂けると嬉しいです。

では、またどこかでお会いしましょ~~~~

アイマス最高👏👏👏👏👏